6月上旬 積読のセレンディピティ


ロジカルシンキングとかいう便利ワード

最近読んだ本は論理学入門、なるほどデザイン、文庫版三体1。
それぞれの感想はあとで列挙するとして、論理学について一番スペースを割きたいお気持ちだ。岩波全書から出ている近藤洋逸先生の論理学入門。

本編250ページほどのボリュームだが、前半に設けられた記号論理学あたりの基礎固め編がかなり辛い。なんとか内容を理解して読み進めると、章末に問題が用意されている。ここで知識の定着が確認できるのがありがたかった。実は内容については結構わかりやすかったりする。しかし、直感的には当然と思える帰結にたどり着くまでの、演繹的な過程を追う体力が必要だった。数学の公式は自分で導出できるようになりなさいと口酸っぱく指導された記憶があるが、あれは有効だったんだなと再認識しました。一番ためになったのは、論理学の構造というか概観を知れたこと。命題を記号のように扱ったかと思えば、クラス論理学によって存在論的な内容をカバーするという流れは明快だった。概観を知ると、その中に積み木のように組み上げられた体系知識もすんなり入ってきた。あとは良質な教科書全般に言えることかもしれないが、章立てがgoodだった。論理の最小単位からしっかりと基礎固めをしていき、命題の振る舞い→命題の組み合わせによる演繹推理→応用チックな蓋然的推理という手厚いコース取りで、私のロジックドライブは安全運行でございました。
あとこれは良くない癖だが、企業研修などで説明されるロジカルシンキングがどれほど単純化されているかが分かってしまった。みんなロジカルシンキングが良いよね~みたいなところで止まっていて、実際に妥当な推理を組み立てる方法は教えてくれない。論理的思考を崇拝しておきながら勉強するつもりはないってどういうつもりなのか聞きたい。やっぱり聞きたくない。メタ認知の弱い人と喋っていると辛くなるから。その一方で、俺が守る!っていう慈悲の心も生まれて複雑。

三体

最近、ネットフリックスでドラマ化して話題の三体をとうとう読んだ!まだ1巻だけだけど。最初思ったこととしては、全部やるじゃん!って感想。自分はsfジャンルをほぼ読んだことがないので最近のsfは全部やりがちなのかもしれないけど、リング3部作を彷彿とさせる規模感。まあリングについてはホラーの内容も入れる必要があったから3部作になるのは仕方ないとして、純粋sfで3巻(1,2上下、3上下、前日譚もあり)ってマジでどこまで行っちゃうの~? 家の本棚に読んでないテッドチャンを見つけたので、これと三体を読破した後は物知り顔で現代sfを語ろうと目論んでます。

なるほどデザイン

楽天ポイントの消費先として、しぶしぶ購入。どの書店でも見かけていたので逆張りオタクが発動して買えていなかったが、最近たまたまデザインの仕事をすることがあったことが後押しして買った。中は思ったよりもgoodだった!デザインという大きすぎる概念からみると扱う情報量は極端に少ないが、イメージを多用して直感的に理解させる・読みやすい本に仕上げるという思想が一貫していて好印象だった。本というよりはデザイン見本(解説つき)として読んでいた。後半に色使いと構図について少しページを割いていたが、初心者の人が断片的な知識だけ見せられても何も使いこなせいないだろうとは思ってしまった。しかし色彩調和や構図にも理論があるんだということを知るきっかけとしては良いんじゃないかと思う。気になる人は勝手に詳しく調べるだろうし。

積読のセレンディピティ

先月はもう読書なんてしない!と息巻いていたにもかかわらず、またもや本を大量に購入してしまった。積読消化目前だった私の本棚は一日で30冊の積読を抱えたのであった。しかも今は哲学にはまっていることも影響して半分ほどは専門書や岩波文庫の哲学書を購入したため、消化スピードが激遅になると予想される。本当に馬鹿なことをした。何もしないで本だけ読む日を設けたいなぁ。

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