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【バズった!】不登校にありがちな「起立性」の真実【現役教師が解説】

2024年6月21日に、Xに投稿した上記のポストが、ありがたいことに非常に多くの人の共感を呼び、約1週間で3万をゆうに超えるインプレッションを獲得しました。

今日は、現役教師の私がこのポストを書いた経緯を、少しご紹介したいと思います。

…ここ数年で、ウチの学校では電話ではなく、メールで各家庭が「欠席連絡」をするシステムになっているのですが、そこにはもちろん、「欠席理由」を記入する欄があります。
「体調不良」や「家庭の都合」と簡潔に書かれる場合も多いのですが、ここ数年「起きてこないため」という理由をよく目にするようになりました。

私は約10年教師として現場に立ち続けていますので、この理由を目にしても、「起立性(調節障害)かな? そうでなくとも、親御さんが起こしたうえで、どうしても子どもが起きないんだろうなぁ」と脳内変換して、家庭に対して怒りとか呆れとか、そういう感情は湧いてきません。むしろ、「親御さん、ご苦労様です…」という気持ちが湧いてきます。

しかし、ふと、こう思ったのです。

「これ、『起立性』とか、そういうことを全然知らない大人が見たらどう思うんだろう。
たとえば、私の友人とかに、『今は、「起きてきません」が理由で学校を休んだり、遅刻したりする子いるよー』と、そこだけ言ったら、第一声どう言うだろう…」

「多分、『中高生の間くらい、自分で起きなさい!とは言いながら、最終的には学校に間に合うように親が起こすものじゃない?』って言うだろうな~」……と。

そして、これって多分、「起立性の子どもを持つ親」と「そうじゃない親」で起こりやすいことだよな…と思ったのです。
実際、コメントしてくれた方の中にそういう方もおられましたが、「自分」と「ママ友」、「実親(義親)」との間で、「分かり合えない溝」が出来てしまう、というパターンです。

中には、「自分」と「担任」の間で溝ができた…という、教師の立場としては悲しい意見もありました。
ただ、わが校の職員室でも、ベテラン先生が「起きてこないから休む~~!? A男のことだ、どうせ徹夜でゲームでもしてたんだろ…っていうか、親も起こせよな~…。親が甘いから、こういうことになるんだろ~」とこぼす場面は、残念ながら存在します。

当事者の親御さんは「もう無理。早く寝かせたし、薬も飲ませたし、病院にも連れて行ってる。声をかけるだけじゃなくて、寝室まで入って、そばに行って、体に触れて起こしてる。でもそれでも、起きない。」という現状を抱えているけれども、周囲は同じ子持ちであっても、「いやいや、子どもなんて夜更かししたがるし、朝はいつまででも寝たがるもの! けど、休日はまだしも、学校ある日は親が叩き起こさないと!じゃないと、ダメ人間になっちゃうわよっ!」という価値観。

つまり、「当たり前」の世界が違うんですよね。
もちろん、前者のほうが「少数派」ではあるけれど…それでも今、「起立性」は中学生で10%…すなわち、40人クラスであれば、4人が前者の状態でもおかしくないわけで。
それって、「すっごいレアなケースだから、そりゃ誤解されて当然だよね」って数値でもないよなぁ…とも思うのですよね。

かといって、「起立性の子を持たない親」に無理やり「起立性ってのはこういうものなんですよ!」と講習を受けさせるのも違うしなぁ…

妥当なところで言うと、「起立性当事者の親子」と、ほぼ確実に関わるであろう教師に対しては、「起立性ってのはこういうものですよ」という講習なりなんなりをする。
(そういうのを入れている学校もすでにありそうですが……ちなみに、私は受けたことありません。エピペンやAEDの使用方法などはあるので、それと並べてよさそう)

あとは、親だろうと教師だろうと友人だろうと、「相手の当たり前と、自分の当たり前は違うかもしれない」ということを脳みその片隅に置いたうえで、素直に相手のことを理解してあげたいと思って対話をする。

このあたりが大事なのかな、という結論です。


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