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恋愛興味ないのにオシャレするの?
数年前のある日、髪を切っていつもと違う服を着て、職場に行くと女性の上司から少し笑みを浮かべながらこう言われた。
「あれ、れいすいき君。恋愛しないのに髪切って、オシャレしてどうしたの?」
心の中では、「どうもしないよ!ずっと髪切らずにボロボロの服着てろってことか!」と思いつつ、適当に苦笑いをしてその場はやり過ごした--。
「あなたは彼氏がいますか/いませんか」
ある脱毛サロンのアンケート用紙にはそんな質問があったという。
そんな話を先日聞いて、ふと蘇ってきた数年前のやり取りとともにこんな疑問が浮かぶ。
パートナーがいるか/いないか、欲しいか/欲しくないか。その区分けでオシャレやファッションへの意識って違うんだろうか。
・自己紹介
ここで簡単に自己紹介を。
れいすいきと申します。
現在パートナーはいません。
そして、自分はアセクシャル、そしてアロマンティックのスペクトラムなんじゃないかと思っています。
(これを書くにあたって、昔自分が書いたプロフィールを確認して「あれ?なんだったけかな?、Aセク?アセク?どっちが正しい?」というくらい言葉での定義にはアバウトな感覚を持ち合わせていることはご愛嬌...)
と前置きが長くなりましたが、ここではパートナーが欲しくない人はオシャレをしないのか?ということについて考えを述べていきます。
・モテるためのオシャレという価値観
まず彼氏/彼女を欲しい人は、一般的には見た目に気を使うとされています。
YouTubeで毛深さや薄毛、肥満などのコンプレックスを強調する動画は、そんな意識から作られた広告と言えます。(最近よく見ますよね)
そういった動画では男/女の関係性でモテるorモテない(嫌われる)を主軸に置いたものが多いのも特徴と言えます。
この「見た目を良くする→モテる」という図式はどうやらこの世の中ではある程度共有されている価値観なのだと思います。
それを自分が実感したのが冒頭の場面でした。
つまり、普段から恋愛に興味がないと言っているれいすいきは女上司からすると「モテる必要がない→見た目は良くしない」という図式が成り立っていたようで、
「あれ、れいすいき君。恋愛しないのに髪切って、オシャレしてどうしたの?」
と笑いながら聞いてきました。その笑みに悪意はありません。純粋に「なんで」というはてなマークを額に浮かべています。なんなら、実はあなた恋愛に興味出てきた?、と言いたそうに口元はニンマリとなぜか満足そうです。
・オシャレをするのはモテるため?
いや、そうじゃないんです。「見た目を良くする→モテる」の図式が成り立つからって、「モテる必要が無い→見た目を気にしない」じゃないんです。背理法みたいな論理展開で勝手に判断しないでください。
「見た目を良くする→」の向かう先、ベクトルはモテる以外もあるんです。
・宇垣美里さんのメイク論
TBSを退社し、現在は執筆活動含めマルチに活躍している宇垣美里さんはこんなことを言っています。
「コスメを選ぶ判断基準は、とにかく『自分が好きかどうか』。美容をすることで自分が楽しかったり、気分が上がったり、とっておきのご褒美のように思えばいいのかなと思います。誰かのためじゃなくて、自分のためにやっていて楽しそうな人のほうが素敵に見えますよ!」
これ、「宇垣さんからそんなCanCam世代へ向けてアドバイスをお願いします!」への答えで、本来20代男性に向けられた言葉ではないのだが、とても心に刺さっています。(この趣旨の言葉を集団雌猫『だから私はメイクをする 悪友たちの美意識調査』で見た気がするが、手元になく見つからなかったので、このコメントで代用させてください)
つまり、オシャレは他人のためじゃなく、自分のためにやっているということなのだ。そうだった。どこか見た目に気を使おうとしている自分はなんだかんだ恋愛したい人間なのかと思っていたが、そうじゃなかった。
・家具を選ぶ感覚で服を選ぶ
純粋にあの服のフォルムがいいとか、その服を着ている人を見て、あれやってみたいと思ったのが服を買う動機になっている。感覚としてはデザインや機能性を気に入って家具を買う感覚だ。
イスを選ぶのにモテたいも何もない。理由はデザインがいいから、座り心地がいいから、家にあると楽しそうだから。もしかしたら安かったからだけなんてこともある。
それと同じように服を選ぶ、髪を切る。着心地が良いから。デサインが良く自分が着たらどうなるんだろうと気になったから。この着こなしが他に見ない組み合わせで楽しいから。髪型が整っていると気持ちがいいから。
気分は上がる。お気に入りの着こなし、身なりでいる「自分」が楽しくなる。そこに恋愛要素はなくて(も)いい。