核兵器廃絶に向けて

経済に関する書籍を斜め読みしたものも含めていくつか読みましたが、最も知りたいところである本質へ向けて深く掘り下げたものはあまりなかったように思います。その割には経済書というものは矢鱈めったら細分化され、複雑なものという印象を受けざるを得ません。しかし通貨の本質とはシンプルなもので、価値の尺度(値段)、交換手段、貯蔵手段という機能を持ち、そしてその信用はそれを得るための労働によって担保されているということです。もちろんその信用には国も関わっており、偽札や泥棒を取り締まることによって通貨を得るための手段を限定するわけです。つまり経済の仕組みとは通貨と国家がセットとなって成り立っていると考えられるわけです。

ではなぜ通貨が存在するのかについては今更語る必要もなく、尺度、交換手段、貯蔵手段という三つの機能が必要とされた結果存在するというシンプルな説明で足りるでしょう。ではなぜ国家が存在するのかについて、「悪貨が良貨を駆逐する」と言われるように、経済とは国家が偽札や泥棒を取り締まることで成り立つのだとしても、それが理由で国家が存在するという説明は納得のいくものではないでしょう。途中経過をすっ飛ばして結論を書くなら国家とは「人が子を残すため」に存在するとしか考えられません。MMTと呼ばれる「現代貨幣理論」の主張の一つに「自国通貨を発行できる政府は財政赤字を拡大しても債務不履行になることはないのだから赤字を拡大させてでも支出を行うべき」というものがあり、これは貨幣の価値が何によって担保されているかを無視した矛盾を含む言説であり、いずれ日本国は膨大な負債の対価を支払うときがやってくるでしょう。それがハードランディングになるかソフトに着地するかという違いくらいはありそうですが。

冒頭の読書というところに戻りますと、最近読んだものは著者なりの思索が読み取れ、とても個性的なものでしたが、共通していたことはいずれの著作も最後には「時間の逆行可能性」について触れていたことが印象に残っています。しかし時間の逆行は因果律の破綻を意味し、科学では扱えないという理由もあると思いますが、そのことが経済や国家といったことの統合を難しくしているのではないかと考えます。時間逆行するものには「愛」があり、私は国家の存在目的は「人が子を残すため」というところまで踏み込んで主張したい。ポルノが氾濫したり売春や犯罪が横行し、国の債務を膨大に膨れ上がらせるために存在しているのではないと主張したい。

Ricardo Liberato - All Gizah Pyramids, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2258048による

ピラミッドの建造方法は未だに未解明のままですが、時間逆行するもの=物理現象でないものを持ち出すなら謎は簡単に解決するでしょう。ただしそれは科学的説明ではあり得ませんが、我々は「愛」無しに存在することが出来るのかということを考えると突拍子の無い話でもないはずです。矢鱈めったらと複雑化した経済学書籍の著者はたいてい欧米人ですが、彼らが文明発祥や国家の存在理由にまで踏み込めない理由は彼らの生殖様式にあるというのが私の考えであり、キリスト教文化圏では長い間堕胎が禁止されてきましたし、アメリカでは堕胎を犯罪としようとする動きがあるなど、女性がお腹を痛めるはずの「出産」を男性の一意によるものとしようという意図を見てとれます。そのような関係性では出産に関する話題は女性からの反発が主なものとなり、男性視点では次第にタブーと化していくことでしょう。そして益々真実から遠ざかっていくことになる。

国家とは「人が子を残すため」に存在するという主張ですが、しかし何事にも制約がつきものであるように無制限に人口が増えるべきかというとそうでもないはずで、ではどのくらいの人口が好ましいのかという問題。こういったことは宇宙船での生活を考えると分かり易く、本質的には人口は増え過ぎず一定することが望ましいのでしょう。地球では宇宙船と比べると冗長性が遥かに大きいことで人口増加による影響を吸収しますが、逆に言えば大きな冗長性は大きな「環境負債」を生じさせ得るということでもあり、ちょうど日本国の財政を家計に例えるなら破綻状態にあることと同じ話のようでもあります。

アメリカでは2024年に行なわれる大統領選を前に候補者による労働者の雇用確保の動きがあります。特に自動車産業労働者へアピールする狙いがあるようですが、失われた30年で低迷を極めた日本と違い繁栄を謳歌してきたはずの欧米各国では製造ラインにおける機械化も進んでいないようであり、自動車産業などが言わば雇用の受け皿として機能していることの証でしょう。しかしここでも本質的なことを書くとするなら機械に出来ることは機械に任せ、人員をもっと別のところに配置すべきでないか。例えばゴミ拾いは環境浄化への第一歩ですし、森林資源は伐採と植樹をセットとすれば炭素固定の一つの方法となるでしょう。さらに木材からバイオマス燃料を得られますが伐採と植樹がセットである限りはカーボンニュートラルで環境に負荷を与えません。問題はそのような分野の雇用をして賃金を支払う者がいないということですが、機械化を促進して賃金を支払う必要のなくなった企業から国が徴収し、社会や環境に対する「貢献」に応じて個人に給付すれば良いのではないか。宇宙船の修繕は一生懸命にするが地球環境は意にも介さないということであれば、それも真実から遠ざかる方向への逃避行と言えるでしょう。

再び宇宙船に戻り、現在運用されている国際宇宙ステーションでの「性処理」がどのように扱われているのか知りませんが、おそらく宇宙空間で行われることとしては適切ではないとして我慢をしているか、公表されないことになっているのでしょう。しかしまた本質的なことを書くとするなら我々にとっては自慰行為とは自然な生理現象と捉える人が多数のはずであります。宇宙飛行士が必ず夫婦やカップルで結成されるというのは現実的でなく、自己処理はいずにしても必要と考えることの方が自然なことなのでしょう。そのときの実際的な問題として特に男性の自慰行為では対象が必要となりますが、そのためのポルノを宇宙船内で作ったり地球における性風俗産業と同じことが行われるかというとそんなことはないはずで、これも同じように本質的には地球上でもポルノや性風俗産業は好ましいものではないはずです。しかし男性は射精にあたっての対象が必要であり、逆に言えば射精に関連付ける対象によって性的アイデンティティが定まるとも言えるでしょう。私の個人的なことを言うなら私にとっての射精は男性はもちろんのこと無生物と関連付けることも違和感が大きく、対象がないなら最終的にはティッシュが好きで射精しているということになりそうですが、そんなことがあるだろうかと思うのです。ですので男性はどうしても定期的に出さざるをえないという事情から、ポルノでも性的接触でもない第三のものが必要とならざるを得ないのではないか、ということを重ね重ね申し上げるものです。現状ではそれは性対象の「匂い」というものでしかありえないというのが私の考えであり、しかし実際に宇宙ステーションでそのようなことが起こり得るかと考えると、やはり尤もらしい方法はポルノや各自で頭の中で想像するということになりますが、想像するだけならまだしもポルノを宇宙船内で作ることが有り得ないことのように本質的には地球でもあってはならないことの筈であり、究極的には消去法として性対象の「匂い」を利用させてもらうしかないでしょう。これが誰も傷つけず且つ「自然な」という意味でのジェンダーアイデンティティを保持する唯一の方法ではないか。

国家の役割とは究極的には「人が子を残す」ためということになりますが、それも正しい社会背景のもとで行われることが必要であり、我々は子や孫の代に何を残すべきかということを考えるなら自ずと環境問題や乱れた性文化に対する取り組みは重要なものと言えるはずです。マッドマックスのような世界では将来世代に砂漠しか残さず、我々は男性の自慰行為の問題をタブー化することなく直視する必要があります。必ず被害を生じさせる方法で且つ男性のコンプレックスを女性に転嫁するような真実を捻じ曲げる方法での自己処理と、好きな人の「匂い」を嗅ぎながら自慰行為に耽るということのどちらが「恥ずかしい」ことなのかという意識変革が求められます。人は「善い行い」を恥ずかしいと思うものですが、人々の意識とはえてしてそんなところであり、ゴミ拾いをすることよりも、合理性もなく自動車工場で機械の代わりに人が自動車生産をすることの方が恥ずかしくない世界となっているのです。我々は日本国内だけでもそういったことを根本的に正していかなければならず、そうすればあとは蓄積したカルマによって環境を破壊して女性を低い地位に貶めてきた人達は自滅するはずです。本質的には核兵器は当然ながら多額の費用の必要な軍隊なども必要ではないはずなのです。独身男性の多い日本では、その独身男性が自慰行為の在り方を公に議論し、そしてもし日本に攻め寄せて来る外国の軍隊があるなら日本中の独身男性で結束し、なんなら匂いを嗅ぎながら自慰行為に耽って射精するところを見てもらいましょう。見せましょう。それこそが核ミサイルをバタバタと打ち落とし、どのような軍隊にも勝る最強の「武器」となるはずです。日本人は「本当に恥ずかしいことは何なのか?」という意識変革を成し遂げたことに納得してもらえるでしょう。犯罪と「戦争」の影に女ありです。