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横浜トリエンナーレと木版モチベーティブの湯|diary:2024-06-06

横浜トリエンナーレを見てきました。メイン会場は見ていない、「すべての河」のところのみだ!

何しに

松本哉氏の展示を主目的に、ぐるり一回りみてやろうかと行ったのだが散発的なアーティストの展示ブースのワンオブゼムと思いきや建物丸々、彼と高円寺北中商店街をハブとしたアジア圏のネットワーク、「世界マヌケ反乱の手引書」の世界がそのまま展示になっていた!濃密で度肝を抜かれて、そこだけで十分満足がいったのだった。悪いな横浜美術館。今はファインアートを観たい時ではなかったのだ。

「法政の貧乏くささを守る会」という最高にイカした名前の大学サークルが過去存在していたことを知り、その活動の記録に魅了されながら創始である彼を追っていた。あとで「先月出会い素晴らしかったもの」記事に顛末をまとめたいのだけど、GW中は良寛と中野孝次にぶちのめされて途方に暮れていて、それを癒すのにこの人が発信する様々のメディアがてきめんに効いたのだった。いやー救われた救われた、ありがたや〜。そしてそんな彼が今偶然にも、大規模なアート展示に一枚噛んでいたのだから行くしかないわけだ!

良かったよ

彼の足跡と、彼が築いたグローバルなアートコミュニティがすっぽり、旧第一銀行横浜支店という建物を彩っているのはなかなかエスプリが効いている。パネルに双六が書いてあったり、昔の手作り新聞が貼ってあって全部が全部いちいち面白い。みんなくすくす言いながら食い入るように見ている。

そんな展示空間の中で一際目を引いたのはインターアジア木版画マッピンググループ、およびA3BC (反戦反核版画コレクティヴ)だ。東南アジアのアナーキーな版画をリサーチしている彼らの集めた木版画がまたすごく良い!アナーキズムと木版はとても相性が良い。木版という表現が自ずと持ちうる無骨な線、平坦になりえぬ、深く刻まれた肌の皺のような紋様、木版というメディアそのものが呼び起こす、時代、プロレタリアート、第二次大戦的なイメージが、そして滲み出る死の印象が、表現としてこの上なくマッチしているのだ。

そして何より、木版は布媒体への転写が可能な最も原始的なメディアであると気付かされる。SUZURIにイラレデータを入稿して、誰も買わないTシャツを自分でオンデマンドしてふんだくられてる場合じゃない。木版をやるしかないぞ!さあ彫刻刀とベニヤを買いにいこうじゃないか〜


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