11月の投資生活振り返り~配当リート1件、保有株(リート)入れ替え
もう12月、退職してから早くも9か月がたちましたが、通勤のない生活(コロナ蔓延時でも通勤してたのに)にまだ慣れません。アメリカ、ヨーロッパの経済指標は、はっきり景気鈍化を示しているのに、アメリカの消費と雇用はしぶとく、ドルの高金利が当面維持されそうです。一方、ヨーロッパは長年の新ロシア・新中国路線のツケを払わされて厳しい年末となり、食糧とエネルギー不足におびえる冬となるでしょう。ただアメリカもこの金利高止まりが続けば、今年春のように、銀行などから信用不安が再発する可能性は否定できないと思います。NHKのドキュメンタリー(https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/p8bVPovgv8/)を見ていたのですが、新興国の債務がかつてないほど膨らみ、スリランカに続く他国のデフォルトも迫っていますね。また企業の債務は、日本も含めてどの国でも極めて厳しく、自国で主権通貨を発行できる国はぜったいデフォルトしない、といつまで言い切れるでしょうか?デフォルトまでいかなくても、かつてのポンド危機のようなことは、日本に起こらないと信じていいのでしょうか。どのようなマクロ経済状況でも、個人投資家として株価が好調な時は手を出さず、暴落したら安全資産だけを思い切って買う、これだけは守って投資を続けていこうと考える毎日です。
さて11月の配当は大和ハウスリート1社(投資法人)のみでしたが、あと長年お世話になった、大好きだったジャパンリアルエステートを売って、産業ファンド投資法人を買いました。ほぼ同額の入れ替えです。この2点を振り返ってみたいと思います。
大和ハウスリート投資法人分配金(8984: https://www.daiwahouse-reit.co.jp/)
大和ハウスはずいぶん長く持っていまして、いつ買ったか覚えていないくらいです。購入時の価格が141,404円と表示されますから、現在価格のおよそ半分くらいのときだったでしょうか。サラリーマンのころは、安定配当しているかどうかだけに興味があったので、詳しく分析もせず買いました。大和ハウスの名称からレジデンス系リートが欲しくて衝動買いしたのですが、実際には総合リートで、Japan-Reit(http://www.japan-reit.com/)によると、「投資対象は、物流施設、住居、商業施設及びホテルを中核資産と位置付け80%以上とする。資産規模は9,000億円を達成。ポートフォリオ構成は、物流施設が50%超、住居が27%、商業施設+ホテルが14%。JCRから「AA」、R&Iからは「AA-」の高格付を取得。」<2023年11月時点>となっています。投資対象地域は、東京だけで30%弱、関東一円で70%強を占め、関西・中部が12%強、あとはその他、ですね。
税引き前の分配金は今期(第35期)5,643円/1口で、来期、再来期ともに5,650円予想と超安定的です。決算報告書を見ても分配金推移に大きな変化はなく、現在資産規模8,975億、期末稼働率99.6%、LTV 44.9%、格付けはJCRがAA(安定的)、R&IがAA-(安定的)と問題ないですね。保持物件は、物件数232物件、うち物流67件 4,732億円、居住施設129件2,403億円、商業施設23物件1,232億円、ホテル7物件273億と変化に富んでいます。資産規模も2019年6,834億円から今年8月8,975億円まで拡大しています。所有物件の写真や詳細も掲載されているのですが、やはり大型の物流施設が多く、ハウスというわりにレジデンスは物流の半分(金額ベース)ですが、これからは物流が多くてもいいのでは。ESGに対する取り組み推進の外部評価は2019年の3スター、2022,2023年は5スターをもらっていて好ましいです。
プロ不動産関係者や投資家の方はいろいろ思われるところがあるかもわかりませんが、素人個人投資家としてこの安定感と規模で、税引き後の半年の分配金が投資口価格の1.8%くらいですから満足しています。運用報告書を見て、保有物件もとても気に入りました。
ジャパン・リアルエステート(8952: https://www.j-re.co.jp/)の売却と産業ファンド投資法人(3249: https://www.iif-reit.com/)の購入
ジャパン・リアルエステートはずいぶん長く保有していて、大変愛着があったオフィス系リートです。投資口価格が374,900円のとき10口購入して(実際には何回かに分けた買いましたが)、573,610円で11月6日にすべて売却しました。分配金利回りは4%前後と、前リート中48位ですが、これまで売却なんて夢にも考えませんでした。長い間ほんとうにありがとう。。。淋しいです。売却の理由は、先月のNTT都市開発リートを売ったのと同じです。東京中心のオフィスビルは供給過剰と働き方改革のダブルパンチ。賃料低下、空室率高止まりのリスクが今後も続くと思いました。ただ投資も私物のコレクション(私はしませんが)と同じで「持つよろこび」を与えてくれるブランドがあるものですよね。ジャパンは大型のオフィスビルばかりですから、運用報告書を見るだけでも、住居系や商業系と違う、なにか働く喜びとか、成長の予感を与えてくれました。私自身働いているときは、仕事が好きだったんです。またオフィスの状況が落ち着き、日本のビジネス界に発展の気風が出てきたとき、イノベーションに満ち溢れた、そして働く人がビジネスの楽しさを満喫できるオフィス環境を提案してください。そのときはもう一度買いたいと思っています。
で、ジャパンと入れ替える形で、産業ファンドを39口137,000円で買いました。先のJAPAN-REITのサイトによると「KKRをスポンサーとする産業不動産REIT。物流施設に加え、企業のR&D施設、空港、データセンター、工場の底地等のインフラ施設や産業不動産も投資対象とする。2022年4月時点のポートフォリオは物流施設50%、インフラ施設16%、工場・研究開発施設等34%の構成(鑑定評価額ベース)。土地所有者にCRE提案を行い共同開発する等、競合が少ない領域に注力しているため、物流施設特化型REITに比べてNOI利回りが高い」とのことです。12月5日時点で利回りは4.74%(18位)。物流系(と言い切れないかもわかりませんが)、ビジネス系リートとしてはいいほうではないでしょうか。時価総額ランク20位、NAV倍率は1.01と高めですが、ユニークな物件に投資している大型リートというところが気に入って買う決心をしました。現在の株価は137,100円ですが、SBIの分析では目標株価162,857円、解離25,757円、企業評価6.0、なかでも安定性は10.0と評価されています。次の運用報告書が楽しみです。
まとめ
12月5日日経平均は少し下がって、32,755円。今後、賃上げ(私はもう関係ないですけど)、インフレ抑制はあまり期待できないような気がします。金融緩和や引き締めについて、過去も現在も日銀政策の批判ばかり聞きますが、日本の現状は明らかに需要不足、ほんとにお金を使える、使いたいと思う若い人たちがどんどん減っていく状況でいくら金利を下げても、貨幣量を増やしても、ましてや一時的減税や給付金を配っても、普通の国民は将来不安を抱えて、お金なんか使えません。インフレはいつも政権支持率低下につながるので、今回の減税を決心されたのでしょうが、いま何万円あげると言われても、貯金に回る可能性が高いならば、本当に必要なインフラ(決して万博なんかじゃありません)や教育に少しでも使ってください。私は教育の無償化はかならず将来報われる投資になると思います。また働きに来てくれる外国人の方にも、温かみのある政策をしてください(とくに彼らの子供たちに)。
バーチャルではなく、リアルで多様な人たちが対等にコミュニケートしたり、助け合ったりできる拠点が必要です。これまでのように、虫歯が抜けるように空き家が増えていく地方都市に、以前と同じサービスを提供するなんて無理です。商店どころか、スーパーさえ閉店が続く日本中の町や村を、地方創生などのむなしいコピーで支え続けるより、地方都市こそM&Aをしてください。選択と集中をし、拠点地区に住居とサービスを集中し、そこから自動運転のシャトルバスで周辺の再生エネルギー発電所、大規模工場、農地、漁港などに働きに行ってもらう、どの仕事のかたにも交代で休暇があり、便利な市街地で家族やコミュニティーと交流を楽しむ、そんな地方都市が必要ではないでしょうか。サービスと住居は近接して、郊外の多様な職場には通勤していく形がエコなような気がします。
所有者不明の土地の面積はとっくに九州より大きくなり、空き家も1,000万件前後、このような個人所有地は、行政が財政出動して摂取し、もとの美しい自然に戻していただけないでしょうか。私の家、先祖伝来の土地がほんとに必要でしょうか。そんな選択をする方はもちろんあってもいいでしょうが、その時のインフラなどはやはり自己負担をお願いしていく。小さな商店、工場、農地の所有者の方もスケールメリットを享受できるような都市計画に政府はお金を使い、個人投資家は壮大なプロジェクトを持つリートに投資する、そんな未来が来てほしいと思います。