10月の投資生活振り返り~配当リート1件、保有株(リート)入れ替え
先月の投資振り返りを書くのにぐずぐずしていたら、11月も下旬になってしまい、だんだん肌寒くなってきました。慌ただしい暮らしの中で、日本株は妙に好調さを見せていますね。不思議です。一般庶民や中小企業は円安によるインフレで苦労しているのに。。。今後も円安・インフレの悪夢が続くいっぽう、大手以外の賃金の上昇は物価にとても追いつかず、政府や日銀総裁が感じているように実体経済(総需要)は本質的に弱いままと思います。世界経済のブレーキが聞こえているのに、新NISAがらみであおっている証券会社系のアナリストには、今のうちに素人投資家を獲得しておけ、という腹の底が見え透いていてなんだかなあ、と思う毎日です。さて先月の分配(配当)金はエスコンジャパンリートからだけでした。また保有していたNTT都市開発リート40口をすべて成り行きで売却して、フロンティア不動産投資法人を447,000円で12口買いました。
エスコンジャパンリート投資法人(2971) (https://www.escon-reit.jp/)
第13期決算・運用状況報告書では1口当り分配金が税引き前3,238円で、次期は3,082円、第15期は3,144円と減配ですね。公式の利回りは5.2%強くらいで推移しています。分配金の高さ(全リート中8位)に加え、スポンサーの日本エスコンの親会社中部電力が地元ということと、「投資方針は、首都圏、近畿圏、中京圏、福岡県の生活密着型商業施設及びその底地を主要投資対象と位置付け、土地建物と底地で半々となるポートフォリオ構成方針を掲げる」(http://www.japan-reit.com/)の目新しさに引かれて今年買いました。時価総額は全リート中53位、総資産約760億(純資産約392億)と小さく、その割にNAV倍率1.02(11/16時点)と高めです。ポートフォリオは商業施設55%、地域では中部・近畿が圧倒的に多いです。稼働率99.9%ですが、取得資産を見るともうヤマダ電機、ケーズデンキ、ニトリなどの大型店舗や小モールからなっていて、社会貢献活動も古着回収、献血などほんとに生活密着で、大型リートのようなわくわくする街づくりというものはありません。
ところでエスコンと言えば、昨年7月の法令違反による金融庁の行政処分(業務停止命令および業務改善命令)で話題になりました。物件購入に際して親会社の売却希望価格を優先するなど不動産鑑定業者への干渉があって、法人、投資家に不誠実な物件3件の購入があったらしいですね。業務改善の取り組みが金融庁に受理されて無事通常業務にもどっていますが。今後は法令遵守、公正な業務運営の実現、ガバナンス強化に取り組んでいくと報告書にも書かれています。 また報告書に新たな投資方針が書かれていて、そこでは商業施設現80%以上→今後60%以上+住宅20%以上、さらに持続可能な社会の実現に資する資産(ヘルスケア施設、教育関連施設等)20%以下と保有物件の多様化を目指すようです。投資対象地域も北海道、九州全域が加わり、また底地50%程度と配分されていたのが、比率を撤廃するということです。これらの方針変更は好ましく、今後に期待がふくらみます。私自身ずっとリート中心の投資生活をしてきましたが、今も全体として投資口価格は安いと思っていますし、本リートはユニークでリスクを分散した投資方針をもち、なんといっても高分配金を出していますので、保持したいと思います。
NTT都市開発リート(8956)とフロンティア不動産投資法人(8964)の入れ替え
5月1日に買ったばかりのNTT都市開発をフロンティアと10月20日に入れ替えました。NTTは129,826円で買い、135,300円で40口売ったので少し利益が出ましたけど、そんなことに関係なく、オフィス中心の物件構成が急に心配になってきたので。NTTのリートは総合型と言いながら、中身はオフィスが7割、物件ほとんどが東京集中というのが気がかりでした。オフィス系リートはコロナ後の働き方の変化、今後数年のオフィスの過剰供給などマイナス面がさんざん言われていますし、それは首都圏に顕著に現れますよね(例えばhttps://www.nomu.com/cre-navi/trend/20230518.html)。2025年にもオフィスが大量に供給されるらしいですが、一方リモートワークもそれなりに活用・定着していて、今後業種によってはさらに一般的になっていく可能性があると思います。
一方のフロンティアは単純に欲しかったので、446,984円で12口買いました。単純に895と8964を入れ替えたというかたちです。11月17日でNAV倍率1.0倍、分配金4.65%、時価総額27位の三井物産系です。購入の理由は商業施設90%越えの典型的な商業リートだからです。地域別ポートフォリオは東京30%、東京以外の関東25%、中部・近畿30%弱、その他15%強といい感じに分散されています。ポートフォリオは大型店舗やモール、ショッピングセンターなどで生活密着感もまずまず。過去5期にわたり取得価格ベースの成長もそれほどはありませんが、とにかくこの安定感で4.5%越えの分配金は退職者にはありがたいです。今後ネット店舗は恐ろしいくらい進歩して、疑似体験しながらショッピングが楽しめるようになるはず。リアルなショッピングセンターは家族や友人知人たちと、人と人とのふれあいが楽しめる場になってほしいですね。
まとめ
私の投資目的はもちろん配当ですが、ほかの実用品と同じように不動産保有にも「持つよろこび、たのしさ」も大きいです。リートが単純にオフィスや商業ビルだけではなく、音楽、スポーツの施設や人が集まってくる広場や集会場もあって、それに商業施設や住居などが加わった待ちのようなものを開発してほしいな、と思います。病院や役所の機能もあって、CO2フリーの公共交通が整備されていて。。。フリースクールや子供食堂など教育や福祉も同じ建物の中に同居するような、そんな総合リートが自分の住んでいる街にあればと夢見ます。
いま愛知の衛星都市に住んでいますが、散歩していても、景色が「汚い」です。ごみで汚れているということはありませんが、古い工場跡、シャッターばかりが目立つ駅前商店街、街中には空き家が虫歯のように増えていきます。そんな町の幹線道路を、排気ガスをまき散らしながら、大型トラックがビュンビュン走っています。殺伐としていて、ただ生きているだけ、ですよね。
リートを運営している皆さま、清潔できれいな、あたたかい街づくりを企画してください。かならず投資しますから。