9月の投資生活の振り返り~企業1件、リート1件、インフラファンド1件
朝晩はもう肌寒く感じますね。10月25日、日経平均上がってスタートです。なぜでしょう?モーサテを見てても、物価指数や中小企業の経営危機の話など、好材料ないですよね。おまけにガザやウクライナでも出口が見えず、かえって今後資源高と政情不安の可能性ばかり。原油が高騰して第3次石油ショックや、世界の連鎖的政情不安も十分あり得ますよね。日米株価も高めで推移してきましたが、今後のエネルギー供給不安、インフレと金利高が続けば、再び銀行関係からハードランディングへのシナリオも垣間見えて心配です。年金と配当金で生きている一市民としても重大な関心を持ってこの状況を見守りたいと思っています。
これまで20年、深く考えず貯蓄と将来の備えのつもりで高配当銘柄(といってもほとんどREIT)に投資をしてきました。退職して初めてありがたさが身に沁みます。引き続き経済も社会情勢も(この年で恥ずかしながら)まじめに勉強していこうと思います。さて、9月の配当は日本たばこ(2914)、カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(9284)、日本リート投資法人(3296)の三つでした。簡単にまとめておきたいと思います。
日本たばこ(2884)( https://www.jti.co.jp/)
本銘柄についてはもうたくさんの投資家の方がいろんな情報を提供してくださっていますので、ここで詳しくはいいません。いつ買ったのか忘れましたが、買ったときは2,293円でしたので、ずいぶん値上がり(25日11時で3,480円前後!)しましたが、それでも現在5.93%の高配当です。売上、利益ともまずまずくらいなのに、株価は好調ですね。国際情勢に影響を受ける会社ですが、それよりも健康面やSDGsについての感受性により好き嫌いが分かれるかもしれません。私自身もJT持ってますというのはすこし後ろめたい気持ちがしないでもありません。ただ人間の嗜好品というのは善悪だけでは語れないものですし、アルコールはいいけど、たばこはね、というような議論は無意味ですよね。私が、関心があるのは、これからも世界は20億ほど人口が増え続けていき、一定数の人はたばこやほかの取り方によっては害のある嗜好品(あるいは悪い面しか持たない嗜好品も)にひかれ続けるでしょう。喫煙者人口が増えているのは事実です。これからも安定した配当が予測できるなら、小額は持っておきたいかなと思いますが、私にとってはもう株高ですので買い増したりはしません。
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(9284)
( https://www.canadiansolarinfra.com/)
ほかにエネクス(9286)とジャパン(9287)のインフラ投資法人を持っていまして、いずれも投資法人ということで透明性や経営の安定感を与えてくれる高配当銘柄ですが、最近は難しいと感じています。本来なら、地政学リスクによりオイルショックの可能性も見える中、国内で生産される再生可能エネルギーによる電力供給として歓迎されるべきですし、前2社(投資法人)はこれからも持っておきたいと思わせる決算でしたが、先月のカナディアン・ソーラーは営業収益(利益)、経常および純利益も増えていないどころか、特に最近減っています(https://www.canadiansolarinfra.com/ja/ir/highlight.html)。分配金は6%強で維持されているので不満はありませんが、自己資本比率は51.6%にまで上がっています。出力制限とかいろんな事情があるのでしょうが、なんとなく保持したいという気持ちが薄れますよね。ただ環境エネルギー庁は、はまだまだ再生可能エネルギーの比率を上げていき(2030年には36~38%)、太陽光発電が2030年には発電電力量の14~16%にまで上げていくそうですし、FITもまだ有効期間があるのでもうしばらく持っておこうかな、と思ってます。
日本リート投資法人(3296)( https://www.nippon-reit.com/)
昨年暮れにメインスポンサーがSBIグループに代わったことに興味を持ち、今年4月に購入しました。事務所が70%、住宅が27%くらいの総合リートで、東京だけで80%強に物件が集中しています。分配金利回りは4.78%(10月23日)で個人的には安定していると感じています。運用状況の推移を見ると、コロナ感染症の影響で近年は収益も下降気味でしたが、今後は緩やかに上昇するとみているようです。魅力は、東京に物件が集中していることと、中規模オフィスが多いせいでしょうか、NAV倍率が0.82と低く、割安感があることです。SBIのサイトで分析のところを見ると総合評価5.0で、目標株価37万円(乖離24,000円)ともう少し伸びる余地があるかなという気がします。ただ、運用報告書にもテレワーク等の働き方の変化に注視していく、などそれほど景気のいい表現は見られませんでした。私としては、スポンサーが交代したことをポジティブにとらえて、今後の発展への期待から保持したいと思います。
雑感
9月は日本たばこ、カナディアン・ソーラー・インフラ、日本リートとそれぞれ半期の振込額ベースで2.2、2.7、1.9%の配当をもらって、その点ではうれしいです。ただそれぞれの銘柄についてなにかひっかかるところがあって、手放しというわけではありません。しかし、とりあえず安定高配当を目指しているうえ、買った時点から投資口価格もプラスになっているので、一応良しとします。
3月退職後に経済、経済史などの本やnoteの経済関係のクリエイター諸氏の記事を読むにつれ、ますます世界経済に興味を持つようになってきました。為替が予測できないので、まだ国際的な投資をする気持ちにはなれませんが、新NISAになれば、タイミングを見てすこしだけ海外株や債券の東証上場ETFを買ってみたいと思っています。やはり株を少しでも所有し、その株価や配当に関心を持たないと、本を読んで、ただ納得して終わってしまいますものね。
定年前後のみなさんはどのような視点で投資をしていらっしゃるのでしょうか?働き盛りの方とは投資の目的が違いますが、私など年を取っているからとただ漠然と配当をもらうだけでなく、広く世界の経済や社会に関心をもって、どのような社会が望ましいのか、とくに私たち個人個人の暮らしがどのような財政政策により少しでも(ささやかな)幸せを感じられるようになれるのか、学びも深めながら投資を続けたいと思っています。