1月の投資と配当の振り返り~積水ハウスリートの配当と新NISAの使い道
2月22日、ついに日経平均が過去最高を更新!って、日本経済の再躍進のスタート?それとも次のバブルの始まり?インフレに伴いマイナスの実質賃金と消費マインドの冷え込み、膨らみ続ける国や地方の負債、加速する人口減と若い世代の大都会への移住と地方の高齢化。一方、新NISAの利用状況がときどき報道されて、出足は好調のようで、伝えられるところでは、新規にNISAで投資を始められた方のほとんどの投資先がe-maxisなどのオルカン、S&Pなど米国企業インデックスで、全体の8割だそうです。日本人が日本の企業、あるいは日本の信用の将来に希望を持っていないこと、結果日本人のお金がどんどん海外へ流れ出して、円安圧力になるだけでなく、世界からの円の信認にまで影響を与えそうです。今では円は世界でも安い通貨だそうですね(例えばhttps://www.youtube.com/watch?v=vy7uBYwa6Uc)。日本の人口や都市と地方の格差などの根本的な問題に解決策が見当たらず、財政の大盤振る舞いをするウルトラ・ケインジャン政府の国に住んでいては、海外に投資先を求めるのもやむを得ないかもわかりません。私は、サラリーマンをしながら、20年以上こつこつ投資をしてきたのですが、昨年の退職を機に、何を目指して投資をしてきたのか反省し、今後どのように投資をしていこうか、を考える毎日です。さて先月の振り返りを書いてみます。1月の分配金は積水ハウスリート投資法人からだけでした。
それをお話ししたあと、2月1日になってのことですが、持っていたインフラ投資法人の株を一部売って、1月決算月だったイオンリートを新NISAで買いましたので、その顛末をお話しします。
積水ハウスリート投資法人 (3309) https://sekisuihouse-reit.co.jp/ja/individual/home.html
いつ買ったかは忘れたのですが、時間をかけて買い増してきたリートで、取得単価は52,792円と表示されています(現在株価は74,000円前後)。大和ハウスや(もう売ってしまいましたが)阪急阪神などと同じく、利回りがそれなりで、名前が有名だったから買ってきました。投資口価格と利回りのバランスも問題なく(https://www.japan-reit.com/meigara/3309/)、不満を感じたことはありません。Refinitiv社が定義した定量分析による評価では目標株価82,400円となっていて、短期的には大きな成長は見込めません。同社によると、Jリート全体の安定性は9.4/10と高い一方、本法人は7.0をつけられています。積水ハウスといえば住宅や高級賃貸住宅のイメージですが、本リートは投資金額ベースでオフィス(8件)約33%、住宅49%、ホテル(1物件のみ)10%と金額的にはけっこうオフィスの比率が高いです。今回の運用報告書ではオフィス系の本格的な回復は遅れると予測しています。今後の運用方針では東京圏を重点投資エリアと位置づけ、居住用不動産を投資の中心と据える、商業用不動産も三大都市圏に主に投資すると述べています。これまで以上に住宅主体型としての運用になるそうです。税引き前で今期の分配金は1,835円、次期(5月1日)では1,732円の予測で、少し減額になりそうですが、ポートフォリオは好ましく、ESGにも熱心に取り組んでおられると見え、全体的に満足しています。
カナディアン・ソーラー投資法人の一部売却とイオンリートの購入
前から欲しかったイオンリート投資法人(3292)の決算が1月末だったので、2月1日に新NISAで17口(一口137,400)を権利落ち値下がり価格で購入しました。12月に旧NISA枠を利用して投資法人みらいを買ったので、すぐには新NISA用の資金を作れず、カナディアン・ソーラーインフラ投資法人(9284)を113,400円で21口売却して、イオンリート購入に充てました。
イオンリート投資法人(https://www.aeon-jreit.co.jp/)はごぞんじイオンモールの土地・建物を主に管理運営するリートで、10%以下で物流施設にも投資します。NAV倍率0.9、利回り4.91(2月11日付Japan-reit.comから)です。すべてのイオンモールを管理しているのではなく、地元愛知には保有のモールはありませんでした。新NISA成長投資枠で何に投資しようか、と迷っていたのですが、今はどう考えてもリートが割安だが、これまでの東京集中型、事務所中心型はやめようと思っていたら、よく知っているイオンという選択になってしまいました。ただ愛知に本リートの保有物件がないことは買ってから知りました。あとマレーシアに2物件あるのも面白いと思いました。これからASEANは必ず発展していくと考えます。将来に希望があるのがいいですね。本リートは決算が1・7月で次期の分配金は今期から-15円の3,335円の予定ですが、まだまだ先のことですね。今回の購入で新NISA成長投資枠をほぼ使い切ったかたちです。
購入の資金にカナディアン・ソーラー(9284)(の一部)を売ったのは、インフラ投資法人全体が、最近株価が低調なことにあります。分配金は変わらず高いし、再生可能エネルギーの発展は国策でもあり、世界の目標でもありますので、買い増していきたい気持ちはあったのですが、ポートフォリオ全体でもインフラ投資法人への投資が大きすぎると思いました。それでもまだインフラファンドを保有しているのは、6.7~7%の利回りと、クリーンエネルギーへの支持、投資法人としての信頼によるものですが、一方、その将来性についていつも不安があります。例えば東証(JPX)も、リートについてはポジティブな動画(https://www.youtube.com/watch?v=mZIUi7nF3Vg)を投稿する一方、インフラ投資法人についてはわざわざ2本の動画(https://www.youtube.com/watch?v=agkLQLvAgDE、https://www.youtube.com/watch?v=QRxX5xOyxDs)でそのリスクを説明していますね。動画の投稿は約2か月前となっていますので、最近の投資口価格の下落はこの動画も関係しているかもわかりません。一番悩ましいのは、その将来の姿がなかなか見えないことですね。
なぜ今Jリート?
日経平均が32年ぶり最高値に浮かれる一方、国内景気判断は個人消費や生産などが引き下げられ、半導体、ITや自動車など一部の産業の業績に引っ張られている気がします。結局は世界最弱の安い円と中国リスクからの回避によると思われ、実質の賃金の上昇は望めず、物価は下がらず、急速な人口減も加わり、需給ギャップは恒常的にマイナスに落ち着いていくと思います。証券会社系アナリストが絶好の投資チャンスとあおる一方で、為替やクレジットなど海外を見守ってきたエコノミストの方(たとえば佐々木融さん、中空麻奈さん、唐鎌大輔さんなど)は長期的に慎重(悲観的?)だったり、少なくとも要警戒の発言がでていますね。海外の経済関係者による書籍でもリスクや金融危機の可能性を論じたものが多く、私自身も日本企業のファンダメンタルズは昔のバブル前と比べられないくらいしっかりしていると思う一方で、現在の政府、民間問わず信用膨張による巨大債務に不安がいっぱいです。円建ての日経平均最高根更新に浮かれることなく、リスクを学び、自分の資産をしっかり積み上げていきたいと思います。
20年くらい前に投資を始めたころから、身近にあり目に入るものに投資する傾向がありした。関心のないゲームやよく理解できないIT、ソフトウェアなどの個別株には投資をしません。自分がゆうちょの口座を持っていて、郵便局へ行くと様々な性別、年代の人々が働いてらっしゃるのを見て、日本郵政の株に関心を持ちましたし、住んでいるマンションのベランダから毎日イオンモールを見ているうちに、イオンリートが欲しいと思うようになりました。散歩していてダイワハウスや積水ハウスの集合住宅を見つけると、それらのリートに関心を持ちました。そもそも住居、ショッピングセンター、オフィスビル、物流施設などのインフラに関心がない人がいるでしょうか。私は安全性と高配当を前提としたうえで、身近にあって好ましいと思うものに投資したいと思います。運用報告書の数字だけでなく、マンションやモール、巨大なオフィスビルの写真を見るととても楽しい気持ちになりますし。もちろん、購入のタイミングは、その時々の「割安さ(例えばNAV倍率と長期の株価上下を示すチャート)」です。現在の東証リート指数やPBRに相当する主なリートのNAV倍率などから、リートが割安であるとはっきり言えます。もちろん金融正常化は不安も少しありますが、金利のある経済活動がもたらすプラス面も大きいはずですね。逆に日本郵政や日本たばこなどは、私の感覚からはあがりすぎ。もうすこし割安になるのを待つことにします。