【Albion Online】牧場で収益性分析の実例解説【牧場経営】
サンドボックス型のMMO RPG「Albion Online(アルビオンオンライン)」では、
自分の島に牧場を作り、自分の馬や鹿を育てて売ったりする事ができます。
牧場で作業をしていると、
・「馬や雄ジカなどを比べると、どの家畜がどの位稼ぎやすいんだろう?」
と言った疑問が出てきます。
今回は、牧場で育成できる家畜の収益性を比較して行きたいと思います。
■ 1. 収益性分析の概要
収益性とは、事業や製品の利益を生み出す能力・稼ぐ力の事になります。
収益性分析では、「収益性を表す指標」を用いて、事業や製品の利益を生み出す力を定量的に計測・評価し、分析を行います。
収益性を表す指標は様々な指標がありますが、今回はその中でいくつかピックアップして検証して行きたいと思います。
①売上高利益率
「売上高利益率」は、売上に対する利益の割合の事になります。
最もよく使われる指標の一つで、いわゆる利益率と言うと、この指標の事を指します。
例えば、アイテムAは売上100kだが利益が10kしか出ない、アイテムBは売上5kで利益が4k出る場合、
アイテムAは売上高利益率「10%」、アイテムBは売上高利益率「80%」になります。
需要も十分あり供給も十分増やせる(スケールできる)なら、利益率の高いアイテムBに注力した方が利益をもっと増やせる、と言った判断をします。
②投下資本利益率
「投下資本利益率」は、投下資本に対して、利益がどの位生み出されるのかを表す指標になります。
例えば、アイテムAでは、100kを使って10kの利益を生む事ができ、アイテムBでは200kを使って同じく10kの利益を生む場合、
同じ10kの利益でもアイテムAの方が投下資本利益率が高い(より少ない投入額でより多くの利益を生み出している)と判断します。
投下資本は、その利益を生み出すのに投入した金額の総和で、
例えば、アルビオンの牧場経営では、(1)家畜の仕入代や餌代などの運転資本と、(2)牧場の建設に要した費用(固定資産の価額)の合計で計算します。
なお、運転資本の中の「在庫品の額」は、チェストにしまっている売却予定の家畜等の額になりますが、
今回は計算を簡単にする為、簡易的にゼロ(在庫は無し)としておきます。
同様に「売却注文中の家畜の額」もゼロとしておきます。
※投下資本を「純資産+負債」で計算する方法もありますが、事業レベル・製品レベルでの比較を見たい場合は、運転資本を使って計算する方がより適切と考えられます。
③時間当たり利益
「時間当たり利益」は、利益の額をそのまま比較するのではなく、
それにかかった時間を考慮して利益を比較したい場合に用います。
具体的には、利益の額をその利益を生むのに要した時間で割った値を使います。
例えば、アイテムAでは1週間で50kの利益、アイテムBでは1日で10kの利益が得られる場合、
利益の額はアイテムAの方が大きいですが、時間当たりで考えれば、アイテムBの方が収益性が高いと考えます。
牧場経営では、家畜によって収穫日数が異なるので、日数の違いを揃える為に、「1日当たりの利益」を見て行こうと思います。
※一般的な指標としては、分子の「利益」に、貢献利益(=売上-変動費-個別固定費=利益+共通固定費)、あるいは限界利益(=売上-変動費)を取りますが、ここでは簡単の為、単に「利益」として計算しています。
■ 2. 牧場での収益性分析の実践
今回は実例として、馬(T3)、雄ジカ、牛(T5)の、3種類の騎獣の収益性を評価して行きたいと思います。
次のような作業フローを対象に、上記の収益性の指標を計算します。
馬(T3)、雄ジカ、牛(T5)の3種類の子供の家畜を、市場又は島の商人から購入する。
牧場に子供の家畜を設置する。
餌はニンジンを市場で購入し、フォーカスを使用しながら、家畜を育成する(今回は餌は自作しないケースで計算します)。
収穫日数は、それぞれ1日、2日、3日になります。
収穫できたものは全て売却したと想定して、売上を計算します。
その他の前提条件は次の通りです。
フォーカスの使用はありで、プレミアムアカウントを想定します(子孫収量等に反映されます)。
牧草地1面(9区画分)を全て使用していると言う前提で計算します(牧場の稼働率100%)。
本検証は、2023年10月の島の大幅アップデート前に行われたものになります(検証期間2023/8/28~9/4、市場はミスト街(Brecilien))。
■ 3. 収益性分析シートの詳細
収益性分析シートでは、次のような構成で、固定費、変動費、売上、利益、収益性の順に計算して行きます。
固定費~売上までのセクションに関しては、牧場の原価計算の記事に、詳細の説明がありますのでご参照下さい。
利益のセクションでは、売上から固定費、変動費、及び税金等を引いて、利益を求めています。家畜1頭当たりで計算しています。
収益性のセクションでは、3つの収益性指標、①売上高利益率、②投下資本利益率、③時間当たり利益(1日当たり)を計算しています。
特に、投下資本については、運転資本、固定資産の価額を、1頭当たりに換算して計算しています。
■ 4. 計算結果
まず、利益の計算結果は、馬(T3)、雄ジカ、牛(T5)の順に、1頭当たり-1.7k、5.5k、6.1kシルバーでした。
①売上高利益率
売上高利益率は、馬(T3)、雄ジカ、牛(T5)の順に、-5.3%、4.1%、3.8%となりました。
雄ジカと牛(T5)はほぼ同等ですが、少し雄ジカの方が利益率が高い事がわかります。
②投下資本利益率
投下資本利益率は、-3.4%、4.1%、3.9%(同順)となりました。
雄ジカと牛(T5)においては、投下資本に対して、4%前後の利益率を確保できています。
③時間当たり利益(1日当たり)
時間当たり利益(1日当たり)は、1頭当たり-1.7k、2.8k、2.0kシルバー/日(同順)となりました。
単純に利益の金額で見れば、牛(T5)の方が利益は大きいですが、
1日当たりの利益で見ると、雄ジカの方が牛(T5)より約4割、収益性が高い事が確認できます。
■ 5. まとめ
本記事では、牧場経営における、馬(T3)、雄ジカ、牛(T5)の3種類の騎獣について、収益性を実際に評価し、比較を行った時の実例について、解説しました。
利益の金額では、牛(T5)の方が利益が大きく投入額も大きいので一見稼げるように見えますが、3つの収益性の指標で分析してみると、どれも雄ジカの方が収益性が高い事が分かります。
例えば、時間当たり利益を見ると、雄ジカの方が約4割収益性が高い事が分かりました。
検証の結果は、前提条件や市場の状況によって変わりますので、ご自身の環境で試してみたい方は、ぜひ収益性分析シートを使って、確認してみて下さい。
本記事の下の方にあるコメント欄はオープンになっていますので、感想や質問がある方はどうぞ書き込んで下さい。建設的なフィードバックを頂けるとありがたいです。
■ 6. リンク
牧場の収益性分析シート(Googleスプレッドシート形式)
(※原則、二次利用・二次配布はご自由にどうぞ)この記事の全編はこちら
公式サイト
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