25:ベンチャー企業の成長尺度
ベンチャー企業の成長尺度は、何を設定するのが良いでしょうか?
一般的には、ベンチャー企業の世界では2つの考え方があると私は思っています。
※「利益」も成長尺度の1つではありますが、将来への投資に積極的か否か、人材の採用など、会社側で調整可能な幅が大きいので、今回は除外してお話します。
1)売上
2)(売上以外の)商品・サービスが利用されていることがわかる指標
例:アクティブユーザー数、ページの閲覧数、ユーザーの継続利用期間、等
無料サービスとして利用者を増やした後に、(利用者に対する)広告で売上を稼ぐ、という事業の場合は、まずは利用者を増やすことに注力するため、2)を主な成長尺度にすることが多いでしょう。
Googleの検索サービス、FacebookやInstagramなどのSNSなど、まさにその典型です。利用者が増えれば増えるほど、そのサービス内の広告が売れることにより、売上も増えます。
また、事業の初期段階で、β版のサービスは無料にして課金ポイントを探っているという場合、現時点で2)を採用している場合もあるでしょう。
現時点で売上はなかったとしても、ユーザー数が急激に伸びているので、将来への期待値から、高い企業価値のもとで大きな金額の資本調達ができた、というベンチャー企業もあり、それも一つの企業の成長の在り方だと思います。
ただ、私は売上にこだわりたい。
「お金を払う」「お金を払わない」の間には、とても大きな差があると私は考えます。
FOOD JEWELRY株式会社ではブリスボールを販売しています。
事業の立ち上げ期に、無料で試食会を開催しました。その時は、無料で食べることができるので、皆が「美味しい」と喜んでいました。しかし、お金を払うとなると、人はシビアです。試食会の参加者に対して、「いくらだったらお金を払ってくれますか」という話になった途端に、表情が変わって、「もっとナッツの食感が欲しい」「味のバリエーションが欲しい」「●●円だったら買う」など、具体的な意見が出始めます。
結局ビジネスは、商品/サービスがお金を払う価値があるか?
そして、いくらの値段がつくか、が全てです。
どんなに素晴らしい夢を語っても、どんなに素晴らしい商品/サービスだと力説しても、お金を払う人間がいなければ、何ら価値を生み出していないことは明らかです。
そして、どれだけ高い価値があるものを、より多くの人に届けたか、この結果が「売上」です。どんな時代であっても、その時の世の中に求められている商品/サービスには、自然と売上がついてきます。
だからこそ、事業の成否は売上が示していると私は考えます。
コロナ禍を経て、お金を払うものと払わないものに対する消費者の選別が、より一層加速しています。Nice to have(あったらいいな)ではなく、Must have(絶対に必要なもの)を作りたい。
お金を払ってでも使いたい、そう思ってもらえる新しい商品/サービスを作ることにこそ、私の起業家マインドが燃えます。
ポイント25:事業の成長尺度はシビアに売上に反映される
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