41:1号店の立地の選び方
初めて店舗を構えるときに、どこに出店するのか、すごく悩むと思います。どこに店を出すかが、成功の可否を決めるといっても過言ではないからです。
ハイアルチ1号店の場所は「三軒茶屋」です。
なぜ、私がハイアルチの1号店を三軒茶屋にしたのかという話をしたいと思います。
特に、1号店は場所選びが難しいです。過去の出店データがあれば、店舗の人口分布などのデータを見ながら判断が出来ますが、最初の店舗はそれが出来ません。私は、年齢、所得などの統計データには現れてこない「なまみの人間」を意識して、エリアを決めました。
私は、出店場所を決める前に、まず「コンセプト」について考えました。
ハイアルチのコンセプトは「短時間で効率よく運動ができること」。なぜなら、私自身が忙しいことが理由で運動する時間を取れないことがネックになっていたからです。私と同じように、忙しい中でも運動がしたい!と思う人がいる場所がどこなのかを考えました。
そのときに最初に行ったのは、友達の顔を思い出す作戦です。
ハイアルチが今までにないものだったからこそ、新しいものに抵抗がない、むしろ試してみたい、と思う「リベラル」な人たちがどこにいるのか。そして、短時間で、手軽に効果がほしい。しかも辛いのはいや。こういう「辛くない本格」というハイアルチの価値観に共感してくれる方がどこにいるのか。これは、決して統計データだけでは推し量れません。
だからこそ、この人ならハイアルチのサービスに興味があるのではないかという「友人」の顔を思い浮かべ、友人が住んでいるエリアをマークしていきました。
その中で、私の友人の多くが住んでいるエリアで、且つメディアやクリエイターなどのクリエイティブ系の仕事に従事しているような、好奇心旺盛な友人がいる場所こそが「三軒茶屋」でした。
そして友人の行動範囲からあたりをつけて、その後に三軒茶屋のロケーションなどのデータを収集して、物件を探して、1号店の場所を決めました。
実は、三軒茶屋での出店には反対の意見もありました。他にも都内の主要な都市から近い、人口の多い地域はたくさんあります。ただ、自分の周りにいるハイアルチのサービスに興味がありそうな人の行動範囲などを基に考えると、三軒茶屋はとてもマッチしていたのです。
私の中では、三軒茶屋を一号店の場所に決めたことは成功だったと思います。2016年にハイアルチを立ち上げ、5年が経過しました。新しい店舗もできましたが、未だに会員数は三軒茶屋が一番多いのです。
実際に、三軒茶屋は、ピラティスなど新カテゴリーの運動系の店舗も増えています。結果論になりますが、三軒茶屋は、運動をすることに前向きな人が多く住むエリアだったのかもしれません。
「友達の顔を思い出す」というのは、まさにペルソナを考えるということに等しいと思います。ハイアルチでもブランドの設計をする段階でざっくりと決めていました。ただ、ハイアルチのサービスを使って欲しい人は、ズバリ私や私の友人のような人だったのです。
ちなみに、ペルソナは、創業前後で変化してよいと思っています。創業前にイメージした利用者と、実際にサービスを使ってくれる利用者は異なることも多いです。ですので、わたしは、ペルソナを詳細に決める必要はなく、ざっくり決めておくことが、その後の意思決定に役立つと考えています。
ポイント41:1号店の立地選びは「友達の顔」を想像することから
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