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12:クラウドファンディング

お金を集める(資本調達)一つの手段として、クラウドファンディングを考えている人もいるかもしれません。

私は、「お金を集める」ためだけの手段としては、クラウドファンディングをお勧めしません。

クラウドファンディングではリターン(お返し)を設定しますが、商品/サービスとしてのリターンがないものは、”寄付”に近いため、なかなか達成するのが難しい場合が多いのではと思っています。
また、リターンを商品/サービスとして設定する場合、当然コストが発生します。
さらに、クラウドファンディングの運営サイトに対する手数料の支払もあるでしょう。
したがって、基本的には、クラウドファンディングで集めたお金の全額が会社の資金とはならないことを考えると、単にお金を集める手段(資本調達の手段)としてクラウドファンディングを考えるべきでないと思います。

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私もFOOD JEWELRY株式会社を立ち上げたばかりの時に、クラウドファンディングを行いました。
私がクラウドファンディングを行った目的は、
1)世の中にどれくらい需要(ニーズ)がある商品か確かめる(市場調査)
2)受注生産にトライしてみる

の2つでした。

私自身は「ブリスボール」に魅力を感じて、独立して事業を立ち上げたのですが、立ち上げた当時は、実際どれくらい世の中に求められる商品か、自信がありませんでした。
そのような状況で、見込生産を行うと、生産した結果まったく売れなかったというリスクもあり得ます。
だからこそ、クラウドファンディングを、市場調査と受注生産のトライとして活用してみようと思ったのです。

※補足:受注の前に生産するのが見込生産、受注してから生産するのが受注生産。見込生産では、販売計画を立てた上で事前に生産するため、購入者が現れたらすぐに販売できるが、売れ残るリスクがあります。他方で、受注生産は、購入者が決まってから生産するため、売れ残りのリスクはない一方で、購入者に対してすぐに販売できないため、売り逃すリスクはあります。

結果的に、多くの友人が応援してくれたおかげで、目標金額を3日間で達成。そして、最終的には、目標金額の200%を達成することができました。

スタート当初は、友人、あるいは、友人の友人といった知り合いベースの応援がメインでした。そして徐々に、知り合いではない支援者が増え、目標金額の200%超えを達成できたことによって、ブリスボールに対するニーズも実感することができました。

加えて、クラウドファンディングのリターンをブリスボールの「先行販売」にした結果、応援していただいた方へのリターン分のブリスボールを受注生産するトライアルにも役立てることができました。

このように、クラウドファンディングは商品化の第一歩だったので、創業したばかりの私は、友人の応援なしには、事業のスタートを切ることもできなかったかもしれません。
だからこそ、クラウドファンディングで友人が応援してくれたことへの感謝の気持ちでいっぱいでした。

他方で、クラウドファンディングによって「信用貯金」を消費している感覚も強く持ちました。

私がクラウドファンディングを応援するときは、信頼できる友人が行っているプロジェクトだから応援しよう、という”カンパ”に近い感覚が強いです。
翻って考えると、私の友人も、私を信頼してくれているからこそ、商品の良し悪しに関わらず、クラウドファンディングを応援してくれた面も大きいかと思います。
だからこそ、友人の信頼を裏切らないような商品を作らないといけない、友人が困ったときには必ず助けないといけない、そんなプレッシャーを強く感じたのです。

さらにいうと、信用貯金を消費する手段だからこそ、クラウドファンディングは何度も行うことはできない、と考えます。もちろん、リターン(お返し)を準備するものの、実行者側が「助けてもらう」要素が強いため、自分が助ける側になることなく、助けてもらうばかりでは事業として続かないでしょう。

コロナ禍を経て、さらにクラウドファンディングが身近なものになったからこそ、きちんと使い方を考えた方が良いでしょう。

ポイント12:クラウドファンディングは「信用貯金」を消費するので、使う目的・タイミングを考える。

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