アムステルダムと樹木のこと
今年2月、ヨーロッパをふたつの大きなストームが襲った。
最大時速120Kmというストームはヨーロッパ各地に大きな爪痕を残していった。
Storm Eunice carves deadly trail across Europe
アムステルダムも例外ではなく、ストームの翌日には街の至るところで倒木が見られ、各地で撤去作業が行われていた。根こそぎ倒れているようなものも少なくなかった。
きっとこれまで何十年もかけて育ってきたであろう木々たちが一夜にして見るも哀れな姿と化している。傷ましい光景に声帯が詰まる感じがした。このストームは自然現象であって、必ずしも気候変動が引き起こしたわけではないという。人間のせいかもしれない、なんて感じるのは烏滸がましいことなのだろうか。
そもそもアムステルダムの冬は、本当に春が来るのか心配になるほど、街中の樹々がしっかりと枯れていた。
そして、戦ぐ風に春の心地を感じるようになった頃、街では一斉に植樹が行われているようだった。
でも、植樹されようとしている樹々が本当にか細い。え?こんな状態の木を植えても、すぐ折れてしまうのでは…?と不安になってしまうほど。いや、確かに日本で植樹体験に参加したときも木は細く、小さな苗のようなものだった。特別細いということはないのかもしれないけれど、それでもあのストームの被害を思うと、なんとも心許ない気持ちになってしまった。。
気になって少し調べてみると、アムステルダムでは「この木なんの木?」に対するアンサーが用意されているのだそう。それも行政の管轄。アムステルダム市のウェブサイトには、行政によって維持されている270,000本の樹木すべてが示されている。
ちなみに、他にも環境視点での街のマップやどういった事業を行っている施設か、あるいは建築計画の状況を反映したマップなどなど複数用意されていて面白い。日本にもこれほど詳細に管理している市町村があったりするのかな。
オランダでは2030年までに1億本の木が植えられる予定なのだそう。と言われても正直ぴんとこなかったけど。ほとんど山のないオランダで1億本は相当大変なのだろうということはなんとなくわかる。ちなみに東京の街路樹は約100万本、日本の樹木は210億本(という発表もあるらしい)。とにかく数字が極端でイメージがしにくい。。森林資源の活用の方が問題になっている日本とオランダではあまりに状況が違いそう。
特にオチのない記事になってしまったけど、こうやって、日常の中での気づきを少しずつ掘り下げてみようと思う。
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