庵野秀明と魂について
こないだNHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」で庵野秀明さんのドキュメンタリーやってて、絵コンテ無しで庵野さん以外の人たちがアングルをさぐっていくって作業して
自分でやれば早いけどそれだと自分以上のものはでてこないから外の人にやってもらう
みたいなことを庵野さんが言ってて、webディレクターとしてチームで物作りしてる自分にはあーわかる、みたいな気持ちになった。
自分以外の人には自分の考えてることを100%理解してもらうなんて無理だし、だからこそ自分が依頼した単純作業ですら自分が想像してた成果物としてあがってこないのがもどかしくはがゆい事が多々なんだけど、一方で自分が想像していたものとは違うがそれもありと思える成果物がでてきたりそこで良い方向に気付きがあったりして。
自分でやったら効率や精度もいいけど、どんなに純度を上げても自分の限界値でしかアウトプットできない。
って考えたら特にクリエイティブな作業って、自分以外の人間に自分の考えてることをアウトプットさせるってすげー大変だけど、自分以外の人間ってさ、生まれてこのかた何十年と自分じゃない環境で育って自分と違う考え方を身につけて自分にはできない生き方をしてきた数十年の蓄積があるわけじゃん。
そんな自分じゃない生き物に自分がやってほしいことをアウトプットさせるって実はすごく効率よくてドラマチックなことなんじゃないの?
例えるなら違う世界線の自分にアウトプットさせる、もっと極端なこと言うと生まれる前はひとつの魂。生まれる前はみんな同じ自分。
そこから受精して魂が分離して、親が違う、土地が違う、体も違う、経験が違う、人生が違う。そうやって何十年と自分と違う自分が出来上がった。
だから自分じゃない自分の蓄積された経験値を使って自分のやりたいことをアウトプットさせるってものすごいものができそうじゃん。
絶対自分一人じゃつくれない。
「人類みな兄弟」じゃないけど「人類みな自分」って考えると面白いなって思った。人類補完計画みたい。