音読日記_2024/12/14_「葬送のフリーレン」の空白
※第131話まで「葬送のフリーレン」を読んでいるので緩やかなネタバレになるかもしれない。
「葬送のフリーレン」の物語には空白が多い。
ページの白い部分ではなく空白の時間という意味で、勇者ヒンメルが若者から老人になるまでの長い時間の描写がほとんどない。
時々、目撃情報や言い伝えのような形で残されたヒンメルの逸話を紐解くと、後日譚がけっして無為にすごされたものではないことが分かる。
それは何故かというと、フリーレンが今も生きているからである。
フリーレンが生きていて、魔族も生き続けている。
ひとつの大きな仕事を終えた勇者たちはなおも魔族との戦いを続けていて、その事実に時々泣けてくる。
自分たちの死後も戦い続ける仲間を支えるためにあった後日譚の慎ましさ。
無力と見なされがちな人間の強さみたいなものが物語の空白には詰まっていて、「葬送のフリーレン」はおもしろい。
※マンガの音読はやったことがないので音読日記ではないのだが、番外編として記す。