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リメイクに目覚める〜それは、1枚のチュニックから始まった〜

 洋裁教室に通うこと約6年(足掛けで)。
 基本コースから師範コースへと進み、その後も腕磨きと学び(教室を開くことを本気で目指してたから)の為に通い続けていました。 
 教室通いは自分にとって、居場所を作ることでもありました。
 サラリーマン時代は荒んだ心のケアの為に、退職してからはできるだけ外に出る機会を設けて外的刺激を受ける為に。
 そしてその時間は、自分の生活にはなくてはならない時間でした。
 
 しかし

 教室を開くことを諦め「もう学ぶことはない・・・」と悟った時に、教室通いをスパッとやめることにしました。
 実は基本コースが終了する頃に近くの教室が閉店し、師範クラスからはかなり遠方の教室に通っていて、お金と時間とエネルギーの負担が限界に近かったこともありました。

 ちょうどその頃は衣替えの時期だったので、手持ちの服やら生地やらを整理してみたら、その量の多さに愕然としました。
 
 約6年間で作った服の数、自分の分だけでも250着くらいなんじゃなかろうか・・・

 けれど、全てが上手くできたわけではなく、
 そして、全てがお気に入りというわけでもなく、、、

 規定のパターン通りに作ったものも多々あるため、中には自分に合わないもの(色とか形とか好みとか)も当然多々出てくるわけで(失敗しちゃったものも多々ある)、泣く泣く処分したものも結構あったけど、それでもこの数とは・・・。
 ハンガーに掛かっていて待機状態の服の中にも、全然着ていない服や着なくなった服がたくさん。。。

 その中で、一際目を引く1枚のチュニック。

Instagram用に写真撮ってあった・・・


 淡いピンク色で、袖にパイピングなど施してある。
 前はよく着ていたのに、何故着なくなったのか。。。
 手にするまでもなく、理由はすぐにわかりました。

 「肌触りがザラッとしていてちょい無理・・・」で、徐々に疎遠になった1枚。

 でも、生地はとても良いので捨てるに忍びない・・・・・。どうしたものか。
 そう言えば、カーディガン欲しかったな。そうだ、カーディガンにしちゃえ!!
 
 ということで、幸い同じ生地が残っていたのでリメイクすることにしました。
 私史上、初の本格的なリメイク(やっつけで小物とかは作ったことがあるけど、散々な出来栄えだったと記憶している)。

 取り掛かった時は『前身頃中心にスパッとハサミを入れ、衿とスナップを付けて完成』くらいのざっくりしたシナリオを描いていましたが

 ・実は身頃の左右で丈の長さが微妙に違う
 ・袖口の仕上がりがかなり雑(で、袖丈の長さも左右で違う)

という不具合を発見し、全体的な修正を余儀なくされることに。。。
「あぁ、リメイクって、過去の自分と向き合うことでもあるのね・・・」
とか思いながら、裾と袖口のステッチの縫い目をほどく。
 そして、左右対称にすべく、裾と袖口を裁断。すると、袖が短くなってしまい、カフス分の生地を裁断して、ロックミシンで袖口に縫い合わせ。
 などとしているうちに「どうせならポケットも欲しいな」と、欲も出てきて工程がどんどん増えていく・・・
 サクッと終わらせるはずが、何度かため息をつきながらも
数日掛けてようやく完成。

なんか・・・ 末広がり・・・ うむむ・・・

 ・・・反省点多し。
「まあ、室内で着る分には大丈夫かな」と、自分を納得させて完了。

 初めて本気でリメイクしてみて思ったのは
「正直、生地から(1から)作るより、かなり大変」
 街のお直し屋さんは天才なんじゃないかと思う。

 何より『ほどき(縫い目をほどくこと)』が大変。。。
「ズバッと裁断したいけど、そしたら寸足らずになっちゃう!」のでほどく。糸が生地に食い込んでいて、順調にほどけないこともしばしば。。。

 そして、既に縫ってある部分がある分、丈の長さ調整もちょっと気を遣います。
『服を裏返しにして、ぴっちり真ん中でたたんで、端っこを洗濯バサミで押さえて・・・という下ごしらえ(?)をしてから、寸法を測ってチャコペンで断ち線を引いて裁断・・・を、前後の身頃ごとに行う』という流れでやってみましたが
「これは気を抜くと、また左右非対称になるな」と思い、作業中は超真剣でした。

 しかし大変なだけに、達成感もまた格別。
 1枚の服を救えたことで、節約になった喜びと若干の誇らしさも味わえます。
 
 そして
「これからは、あるものを大切にしよう」
 なんて思いも芽生えたりします。 

 因みに、現在の服の在庫は
 ・稼働中 約120着
 (愛着があるのでなかなか減らせない、、、けど、また近々見直す予定)
 ・リメイク待ち 約40着
 ・生地の裁断はしてあるけど服になっていないもの 約10着
 (早く作ればいいじゃん・・・)
 ざっくりでこんな感じです。

 あぁ、服達が泣いておる・・・ 早く救わねば・・・

 と、ここまでは今年の初夏のできごと。
 本格的な猛暑が始まった頃、再び服達と向き合うこととなるのですが、それは次回に綴ろうかと思います。


 
 
 
 

 


 

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