しぜんのかがくep.54(8/30) 残暑を乗り切る防災〜何を備える?〜
まだまだ暑い日が続いています。名古屋は23日(8月17日時点。※8/19に連続25日)連続と、と、猛暑日(35度以上)の気温の連続が82年ぶり(以前は1942年は19日連続)に更新され、史上最も長い記録的な暑さが続いているようですね。熱中症警戒アラートの情報が連日届いていますね。
熱中症の備えや真夏の災害に備えて、暑さを防ぐための備えを一緒に考えてみましょう。
暑さを防ぐことは難しい。でも人間は暑さを凌ぐことはできる。
寒さは、服を着込んで体温を保持したり、温かい飲み物を飲むことである程度凌ぐことができますが、暑さは服で調整するのは限界があります。人間の体温(深部体温)は常に約36〜37度を保っています。今、最高気温は(高いと39度)で体温より高いですよね。
私たち人間の体はどうやって暑さを凌いでいるのでしょうか?
2点紹介します。
それは、1.血流から内部の熱を逃すこと 2.「汗をかくこと」なんですね。
身体が体温よりも暑い環境にさらされると、視床下部からは「熱を放出せよ」という指令が出ます。毛細血管を拡張させ末端の血流をよくすることで、熱放出を高めるのです。
それでも体温が下がらない場合、視床下部は「汗を出せ」と命令します。皮膚の表面で水分が気化して水蒸気になる際、皮膚表面の熱を奪います。これを気化熱といいますが、この気化熱を放出することによって、体温を下げようするんですね。
こうやって熱を下げることができなくなると(気温や湿度が高い環境下で体温の調整がうまくいかないと)熱中症になります。
(37度は生命活動に欠かせない酵素が最も活性化する温度で、37度より高温、低温になると酵素活動が保てず脳や体の働きが低下します。)
❤️沙織さんおすすめの暑さを防ぐためのグッズ!
「アイスミントボディミストエクストラクール」白いボトルに青色のキャップが涼しげです。メントールが入ってますね!
(メントールは肌に浸透し冷感センサーに結合すると、冷感センサーが作動(活性化)して電気信号が流れ、神経を経て脳に伝達され〝スースー〟とした冷感を感じます。)
❤️私のおすすめグッズは!ハッカ油です。ハンカチなどに少し染み込ませたりします。日本はハッカというハーブですが、同じメントールですね。
(アルコールも腕にシュッとつけるとヒヤッとしますね。アルコールは水より気化しやすく、気化熱で熱を奪って一気に冷却します。)
ちなみに、余談ですが、汗をかくことができる動物は哺乳類の一部で、人間や馬、牛、カバなどです。
馬は結構汗かくので、走った後はホースの水で洗ってあげると喜びます。体温調節に優れています。
牛は、汗はあまりかきません(汗腺は人間の5部分の1)、その代わりヨダレや舌を出します。
カバはなんと赤い汗をかきます。粘りがあり、皮膚の乾燥や日焼け、細菌感染を防ぐそうです。
(カバは毛がないので皮膚が弱く、乾燥気味色素であるヒポスドール酸、オレンジ色の色素であるノルヒポスドール酸と名付けられた2つの色素物質によってこの着色は起こります。これらの物質には、日焼け止めの効果があり、また赤色の物質には、抗菌作用もあるそうです。)
汗をかいた時に、皮膚の表面に空気の動きがあれば、汗(水)が気化する速度が高まり、より早く体が冷えます。夏の暑い日に扇子や扇風機を使うと涼しく感じるのは、このためです。
身体を効果的に冷やすには?
熱中症になりかけた時、体内で太い血管が流れている両側の首筋、わき、足の付け根などを冷やすと効果的です。
また、手のひらや足の裏、頬には、動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう/AVA)と呼ばれる動脈と静脈を結ぶ血管の部位があります。(足底および鼻、耳にもあります)
この動静脈吻合は、快適な温度より暑ければ血管を開き、寒ければ血管を閉じることで、深部体温をコントロールしています。
そのため、運動時や運動後、暑さを感じる帰宅後などに、手のひら(可能であれば肘まで)を水(約15℃くらい)に浸けるなどして冷やし、深部体温を下げることが、熱中症の予防・対策につながります。水風呂に入って全身を冷やすことも効果的です。
屋外であれば、冷たい飲み物のボトルを持つことも良いでしょう。
また、氷などがあれば、冷たい飲み物を飲むことで深部体温を下げられますね。『アイススラリー(ice slurry(ドロっとしたもの)』は、細かく砕いた微細な氷と液体で作られる飲み物です。
商品でも売ってますね。運動する前、活動前に飲むと効果的だそうです。シャーベット状のものですね。氷の粒子が小さいほどその表面積は大きくなります。
この微細な氷のおかげで、水やクラッシュアイスなどよりも さらに短時間で深部体温を下げられるため、熱中症対策としてとても有効とされています。
水:冷凍庫で凍らせた氷=1:1.4くらいで、ミキサーにかけると作れます。粉末ポカリスエット等入れると甘さもあり、デザート感覚で飲みやすいですね。
暑い時の災害(風水害)ではどうなる?
令和元年房総半島(台風15号)7月に千葉県茂原市で豪雨災害がありました。7月9日から3日間暑い日が続きました。(千葉県では死者8名)
以下は私の友人が被災して実際にどうやって暑さを乗り切ったのか?その体験談です。
氷の確保はやはり重要です。ポータブル電源や太陽光パネルなどの電気の確保(太陽光パネルなども)も事前にできるといいですね。車のエアコンなども併用するといいでしょう。
防災ひとこと
夏の防災、あなたは何を準備しますか?汗には電解質(水分のほかにナトリウム、塩素、カリウムなど)が含まれているので、熱中症対策としても合わせて準備できるといいですね。
・首に巻く速乾タオル、冷シート、ハンディ扇風機、凍ったペットボトル。
ポイントは、体の血管を冷やす、汗をかいたときに気化熱で冷やす。
・メントールの入った冷却シートなども役に立つかもしれませんね。
・私が今年防災対策として新しく購入したのは、こちら!氷点下を最高12時間は維持できるクーラーボックスです。キャンプなど出かけてもアイスクリームが8時間溶けないんです!温度が上がってしまっても、しばらく冷蔵機能は保てそうです。普段も使えそうという視点で揃えるといいですね。
⭐️Podcast本編はこちら↓宜しければお聴きください♪
神田沙織 がりれでぃ スピンオフ
ナチュラル・サイエンス・ラボ
しぜんのかがく