【エッセイ】このどうしようもない世界で

鬱病になった


原因は自分の弱さだと思っている

毎日パソコンと向き合い、
上司に怒られ、
一人暮らしだったため家事をこなし、
職場以外の人とは会話せず、
仕事のミスを寝る前まで引きずっていた

ただ淡々と過ぎる毎日

そんな日々の中で
出勤前にトイレや洗面台で泣くことが増えた

他の友達も同じような生活をしているのに
なぜ私はこんなにもだめなの
なんで私はこんなにもできないの

毎日泣き腫らし真っ赤になった目をして
出勤のための満員のバスに乗った

こんなの、私が求めていた社会人生活じゃない
もっとキラキラしているはずだったんだ
忙しい日々の中でも幸せを見つけるはずだったんだ

でも幸せは私のところに降りてこない
自分がだめなところばっかりが浮き彫りになるばかりだ


「もういっそ、死んだ方がましなんじゃないか」
「死んだらこんな思いはしなくてもいいんじゃないか」



月曜の夜

気づいたら会社にもしていくベルトで
首を絞めていた

苦しかった
死にたかった
私なんていらなかった
生きているのに向いてなかった
私なんていなくても世界は回る
1人いなくなったところで
お父さんお母さんごめんなさい
先に死んでごめんなさい
私はもう無理だ
生きたくない
嫌だよもう無理なの


でも、



でも、でも、でも




まだ色んな人に感謝を伝えてない
私は周りの人に生かされてきたのに
なにも恩返しできてない

苦しい
死にたい
開放されたい

けど、



ほんのちょっと「生きてもいいかな」と思った
死ぬのは、皆と会ってからでもいい

ベルトから手を離し、
気づけば母親に電話していた

堰を切ったように涙が流れた
あんなに流した涙
もう枯れてしまったかと思っていた
母も一緒に泣いてくれた


あれから半年以上が経った
私はまだ鬱病に囚われている

でも色んな人の優しさに触れた
手を差し伸べてくれた人がいた
味方になってくれる人がいた


もし、同じ経験をしている人がいたら
どうか、どうか、どうか


私はあなたの事を何も知らないけれど
私はあなたの味方だから


だからどうか、
この世界で
この苦しい世界で
このどうしようもない世界で


なにもしなくていいから
ただ、一緒に生きよう


届いて欲しい
貴方へ




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