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2段階移植・化学流産・体の異変

今回は2018年の夏ごろの話。初めての二段階移植や、不妊治療による体の不調の話も。

初めての2段階移植

 体外(顕微)受精は、良好な胚から移植していきます。1番ランクの良かった卵は使い切ってしまいました。そこで、次は2段階移植の提案をされます。1つ目の卵を移植した2.3日後に、2つ目の卵を移植する方法です。1つ目の卵が子宮に入ってくると、それが刺激になり、2つ目の卵が着床しやすくなるそう。

血行を良くするためのレーザー治療の併用も進められました。血流が良いのか悪いのかなんて検査じゃわからないのですが(東洋医学では舌の状態で診ますけどね)、念のため、やれることはやってみよう!と取り入れてみることにしました。週に2.3回、首にレーザーをあてに別のクリニックに通院せねばなりません。通院スケジュールと仕事の両立に、頭を悩ませなくてはなりません。一層、仕事を全て辞めてしまえば、スケジュール調整に労力を使う事も、仕事によるストレスも受けなくなる。けれど、仕事を手放して、子供も授からなければ私には何が残るだろう?と思うと、仕事を完全に手放す勇気がもてないのです。毎月十数万もかかる治療費も稼がなくてはなりません。

移植に向けて、薬でまた体づくりの日々。しかし、その頃からどうも体調がすぐれない日が多くなってきました。朝起きて早々に頭痛や吐き気。しかも一日中、身体が怠いのです。真夏だったので、夏バテか?それとも薬の副作用か?移植までに体を整えなくては、と焦りが募ります。こんなことなら、今月は移植を休めばよかったと後悔しても、薬代も高額なので投薬が始まっている以上、引き返せません。体調を整えることに焦点を当てよう。


初めてのレーザー治療

 首のリンパに1分間、左右それぞれ3回、計6回を照射します。首に機械を押し当てるだけで、痛くもなんともない。あっという間です。1回、2160円。週に2回ペースで合計10回行います。ただ私の子宮の血流の良し悪しは検査では分からない事なので、これは無駄な治療かもしれないという思いは拭い切れません。

5回目の胚移植。二段階移植。

2段階移植の1回目。卵は無事に解凍でき、無事に胚移植できました。

2段階移植の2回目。この卵は5日目の胚まで分割が進んだ状態のものを移植しました。


判定日。

 移植の数日後から、鮮血交じりの茶色のおりものが出るようになっていました。また、ダメなのかも。妊娠判定は、一応陽性だがhcgは6.32。hcg5で陽性判定になりますが、妊娠断定に必要とされる100には程遠く、妊娠継続は無理との判断。化学流産ということになります。

この日で投薬はやめて、生理で自然に流産させることになりました。化学流産は誰にでも起こることで、妊娠しかけてダメだったということ。妊娠超初期に起こるので、妊娠検査薬を使うまでもなく生理がきて、妊娠したこと自体に気が付かないままの女性も多いのだとか。

着床しない原因の6割は卵の質。卵子が悪いのか、精子が悪いのか、その結果の受精卵が悪いのか?卵の質に問題があるとすれば、残りの卵にも期待できないじゃないか、と一気に絶望を感じました。

こんなタイミングで間が悪く、友人から「赤ちゃんも連れていけるフレンチかイタリアンのお店教えて」とメールが届きます。心当たりの店を教えたものの、一日経ってもモヤモヤが消えない。仕事柄、飲食店には詳しいけれど、赤ちゃんokの店を何故私が知っていると思うのか?私が不妊治療中なのは知っているはず。友達なら少しは気を使って欲しいのに・・・という感情が抑えられなくなって、かなり柔らかい言い回しにしたものの、「今後はそういう事は、もっと詳しいであろうママ友に聞いて欲しい」とメールしてしまいました。彼女には申し訳ない事をしたと思うけれど、こんな気持ち、経験した人しかわかりっこないのだから仕方がない。

化学流産

 投薬を辞めてから、数日後、酷い生理痛のような痛みと共に生理がきました。いつもの生理痛より傷みが酷い気がするのは、これが化学流産か、、、という気持ちが助長していたのかもしれません。

この時点で残りの卵は4つ。不妊治療を始めて2年半が経過していました。残りの卵でどうにか上手くいって欲しいけれど、ダメだったら、また一から(採卵)やり直すなんて、もう無理かもしれないし、やりたくない。不妊治療を夫に代わってもらえるものなら、二人でもうちょっと頑張れるかもしれないけれど、辛い治療は女性がやるしかないのです。いつまでこんな生活を続けられようか。出かける夫を見送ったあとに、化学流産を告げられた時に渡された「妊娠おめでとう妊娠4週2日」と書かれた紙が目に入って、また涙が出てきました。

生理がきてから数日後、子宮外妊娠の可能性があるため、再び採血へ。hcgは1.2まで落ちていたので心配なし。つまり妊娠は完全に終了したことになります。

麻疹のワクチンと肝臓の異常

2年前くらいにちょうどハシカが流行し始めていたため、抗体検査をしたら、抗体ナシの結果でした。ハシカと風疹のMRワクチンを接種することにし、不妊治療は2か月お休みすることに。(ワクチン接種後は2か月妊活は休まなくてはなりません。)妊活予定のあるカップルはちゃんと抗体検査とワクチン接種を早めに済ませておきましょうね。

さらに前回の移植前から体調が悪かったので、健康診断もしたところ、肝臓の数値が大変なことになっていました。お酒は一滴も飲んでいません。女性ホルモンの薬は肝臓で分解されます。長期間に渡って、大量のホルモン剤を投与し続けたので、肝臓の機能が悲鳴を上げていたのです。どおりで体調が悪いはずだ。体を休ませないと・・・。

前回4か月の休みを取ることになった時は、休んでも良いものか?と焦りもありましたが、この時は心も体も疲れ切っていたので、あぁ~治療休める、よかった、と安堵の気持ちの方が大きかったです。

数か月後に血液検査をしたら、肝臓の数値は正常値まで戻っていました。体も元気になっていました。すると、身も心も健やかな状態から、また治療の日々に戻りたくない気持ちがむくむくと湧いてきます。

こんなタイミングでまた”視える”方とたまたまお会いする機会がありました。私の不妊治療の話は一切していないのに「あなた今、頭と心がバラバラになっている。凄いストレスを抱えている。治療やめなさい。」と言われたのです。私の状況を知らない方にそこまではっきり言われると、思わず信じたくなります。それに、治療を再開したない私には、治療をやめなさい、という言葉が一番欲しかった言葉だったのかもしれません。

とはいえ、まだ冷凍している受精卵もあるし、簡単に辞める決断はできません。とりあえず、もう少し心が健康に回復するまで治療を休むことに決めました。

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山口玲香
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