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季刊誌コトノネ30号の読みどころ

仕事の都合で全国各地に出かけるが、毎度、その土地ならではのお土産を一つ、買って帰ろうと思っている。
社内で一緒のチームで仕事をしている同僚に配ることができる、お菓子を選ぶことが多いが、時々、選ぶのに困ることがある。
パッケージは、その土地の観光名所の風景やその土地に縁がある歴史上の人物が描かれているが、中身のお菓子は、別の土地でも似たようなお菓子があったなぁと思うのだ。
真空パックになっていて、日持ちもするお菓子。なんだか美味しそうに思えない。

少しさびれた商店街。個人経営の和菓子屋さん
有名ではないけれど、地元の人が買っているおまんじゅうが、土産物店で売られている観光客向けのお菓子より、美味しそうに見えたりする。
どこにでもあるような、小豆の薄皮おまんじゅう。
お土産としてはふさわしくないかもしれないけれど、と思って、迷う。

そして、結局、私は、自分が「食べたい」と思うほうを選ぶ。

季刊誌「コトノネ」の最新号Vol.30
特集1で紹介されているのは、長野県伊那市の産直市場グリーンファーム。
社長の小林さんの「いちばんの観光資源は、地元の人が生き生きしていること。そこに地域性があって、地域の文化がある」
という言葉が響いた。
それで、上記の観光地のお土産のことが頭に浮かんだ。
作っている人が生き生きしていたら、美味しそうなお菓子ができるんじゃないか。
と思ったのだ。
グリーンファーム、伊那市に行ったら訪ねてみたい場所です。

特集2は、大分県別府。
住吉温泉、太陽の家、立命館アジア太平洋大学(APU)、居酒屋さん、韓国料理屋さん・・・。リレー形式のような誌面のつくりで、街をぶらぶらしながら、覗き見したり、人と出会っていくような雰囲気で紹介されるのが、楽しい。
大分国際車いすマラソンを取材にいく時に感じていた街の感じが、紹介されている気がします。

小児外科医・ノンフィクション作家の松永正訓さんのインタビューと、江連麻紀さんの「家族って」のエッセイも、「命とは」「生きるとは」「家族とは」ということを改めて考えさせられる頁だった。

今号も、「コトノネ」が自宅に届いて、まず、目を通したのが「ご購読者さま」という編集長のお便り。本誌の内容とは直接的な関わりがない事柄、編集長・里見さんの個人的な出来事、それによって感じたこと、思い出などなどが綴られているだが、これが、やっぱり面白い。
もう一つ、編集部取材班の「ことばを授かる」も好きな頁。
作り手が、どういう人なのか、どこに着眼したのか、取材や編集を通してどんなことを感じたのかが気になるせいかもしれません。


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