『ニルスのふしぎな旅(4)』レビュー
0709読了。
あっという間に最後まで読んでしまった!
【ヴェステルボッテンとラプランド】
アニメではラプランドが夢の都のように描かれているけどそうではないのが面白い。
イヌワシのゴルゴに連れられついにニルスはラプランドでガンのアッカやモルテンと合流した。
きつねの〈ずる〉がスカンセンにいたけどニルスが脱出の知恵を教えたことがおまけのように書かれているけど、ちゃんと脇役にも配慮があってよい(笑)。
【ガチョウ番のオーサとマッツ】
ニルスが人間の頃からの知り合いで、カラスの話で空き家の主として出てきて、また湖の氷を渡るところでも木靴を拾ってくれるのでちらちらと本編に出てくるけれども、彼らの物語がここで完結するまで描かれているとは!
同時流行していた?結核の話、家族をたくさん失い子どもだけになり…離ればなれになった父を探しに行き、そして最後にはたったひとり生き残ったオーサと父が出会う。
ラップ人という先住民?の話や関わりがでてきてそれも面白い。
【イェムトランドの伝説】
3巻くらいからニルスには伝説が多くなる。スウェーデンの伝説は巨人ばかりだ。臼を引いたり、帽子をおいたり、岩を投げたりすると山や豊かな土地ができる。川や滝の出で立ちも同じように巨人の所作でできる。
すごく民話が残っていて素敵だなぁと思う。
【小さな屋敷】
南にすすむガンの一行と合流したニルスがある晩フクロウに襲われそうになる。
その時登場したのがこの物語の作者!というふしぎな展開。
【大きな屋敷】
勉強だけでなく手仕事もきちんと出来、人生に豊かさと喜びをもたらすためのカリキュラム、それを実施する教員たちの養成所「手工講習会」についての話。
訳注で、香川氏(父)がニルスの物語にそってスウェーデンを巡った際に、この講習会で日本人の名簿を確認し、しかもそれが香川氏の恩師であったというところにすごく驚いた!
【ガンの群れとの別れ】
ニルスは最後まで友に誠実にいたことでもとの人間の姿へ戻れた。
見違えるように立派になったニルスは最後に人間の姿でアッカたちへの別れを伝える。
もう言葉が通じなくなってしまい、お互い悲しみのうちに別れるのが切ない。
最後、ニルスが“また〈親指〉になって、陸や海の上をガンの群れといっしょに飛んでいきたい”というエンディングが最高だった。
最後に:
訳者の香川父子が2代に渡る翻訳をしたことにちょっと感動した。
また全訳をされたのがアニメのオンエア後だったのか?と思うと、アニメ制作はどのようにされていたのだろう(一から訳して脚本を?)などいろいろ思いを馳せた。
終わってしまうのが惜しいくらい満足でした!
ありがとうニルス!
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