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五行歌「技巧を超えた感動」
飲み会を
断ったのは
彼女に会えないから
あなたに
会いたくないから
アルコールの力が
なくたって
あなたに会えば
心は炎に変わる
冬空の下の舗道で
どんな服を着て
何に夢中で
どんな医学生だったの
あなたの学び舎の中を
迷子になりながら想像する
電車でスマホを打つ
あいさつされて
あわてる
あなたのことを
詠っていたの
技巧を
超えた
感動が
歌会を
変えた 今
ZOOMで
時間帯を超えた
歌会に出る
ギデンズだったら
なんて思う
あの世では
足のないおばけ姿
晴れた月夜に
手をつないで
散歩しましょう
会いたい
話したい
触れられたい
あのひとの体温が懐かしく
皮膚をなぞる
『彩』2023年2月号 自由詠特集掲載