【日本語教師】ロシアからの短期留学コースの授業が始まりました
日本語学校で、ロシアからの短期留学生を担当しています。3週間のコースで月〜金2時間ずつ日本語の授業を受けて、その後に文化体験をしています。昨日は、巻き寿司を作りました。
わたしは非常勤なので授業のみの担当ですが、カッパ巻きつくりを少し覗かせてもらいました。
巻き寿司を作りながら単語も勉強できて楽しそうでした。
巻き簀でクルっとして寿司ができると「おぉぉぉ」と歓声が。
ほかにも、折り紙体験、茶道体験などが入った3週間の短期コース。わたしが逆の立場だったら、とても魅力的。フランス語でこんなコースがあったら受けてみたい。
さて、昨日の授業では「〇〇たいです」という文型を練習しました。学習目標は「したいことが言えるようになる」
ちょうど1月だし、2025年にしたいことをシェアしあったら楽しいかも。そんな思いで授業を準備しました。
13人のクラス。日本語学習歴やレベルはバラバラ。既に日本語の単語をたくさん知っている人と、これから学びますって人が混在しているグループ。
「知っている人」には楽しくクイズ感覚で動詞を復習してもらえるように、「これからの人」には何度も声に出して新しい単語に馴染めるように教材を作りました。
日本が好きな人が多いので、日本食とか名所とかの写真があると、皆さん目の輝きが違います。
「食べたい」では、「ラーメンが食べたいです」「ジンギスカンが食べたいです」「Royceのチョコレート(北海道のチョコメーカー)が食べたいです」などなど、北海道の食について、どんどん文を作ってバンバン発表してくれます。
本当によく知ってるな、と感心。
このクラスは、「言いたい」という気持ちが強い人が多いのでアレコレ次々とできて楽しいです。
単語と文型の基本が終わったら、次は皆さんに「2025年 わたしのしたいこと」を書いてもらいました。
1人ずつプリントに3文ずつ書くことにして、教室を歩きながら皆さんの書いたものをチェックしました。
ん?わたしが思ってたのと少し違う…
「〇〇したい」は「I want to ~~」で英語レッスンでも過去に何度もやったことがあります。だいたい、
「ヘェ〜、そうなんですね」と軽く聞いた後に「イタリアのどこに行きたいですか?」とか「ジムでは何をするんですか?」とか「どんな車を買うんですか?」とか軽くやりとりして楽しく歓談、みたいなパターンなんです。
ところが、、、
なんか初級の日本語だけを使って軽くやりとりできる話題じゃない… なんか今までと違う作文でカルチャーショックを受けました。ズバッとした表現が多かったように思います。
目の前の13人に対して、書いてくれた内容をもとに初級のカンタンな日本語で話題を広げるスキルが、今のわたしには残念ながらありません。深掘りできたら、きっと、もっと面白かったんだろうな。
不完全燃焼でしたが、皆さんは色んな「〇〇したい」と「〇〇したくない」を発表しあって、お〜、へ〜、と盛り上がっていました。
ロシア語で話していたら同じように率直な答えが返ってきていたのかな、と考えました。勉強中の外国語で話すときって、頭の中で言葉を組み立てて発することに一生懸命になるから、母語で話しているときに効いてるブレーキが甘くなる。
「こんなこと言って大丈夫かな」とか相手にどう思われるか、みたいな気を使う余裕がないから、本音をポロッと言いやすい。
言葉は不自由なんだけど、心は少し自由になる感覚。
そんなことを思い出した授業でした。
ロシア人の短期コースは、あと1週。次回も楽しみです。