【日本語教師】退学していった2人から語学学習の醍醐味を突きつけられた
わたしが週1回、非常勤講師としてお世話になっている日本語学校は4月スタートの2期制です。10月は新学期。
新しいスタートを迎える中で、わたしの心に引っかかっていることがあります。9月いっぱいで退学してタイに帰国した2人の学生さん達のこと。
短期の学生を受け入れることはあるけど、基本的には2年間のコース。来年3月にみんな揃って卒業すると思ってたから「やめる」と聞いたときは驚きました。
彼女たちがやめると知ったのは帰国の2週間前で、「え、そんなすぐに…」との思いでダブルに衝撃を受けました。非常勤講師って蚊帳の外にいることが多く、切ないですね。
で、教室で2人と話してみると
そっか、新しいチャプターに進んでいくんだね、と思う反面、なんだか腑に落ちない。半年残して、なんでだろう?!
どうしても気になって教員ルームで聞いちゃいました。2人が帰国する理由。
先輩先生いわく
このあとの言葉が、すんごく胸に刺さりました
1年半、日本語学校で勉強してきて、
ある程度はなせるようになった
でも、
最近は思ったより上達しない
期待していたよりペラペラにならない
このまま続けてイイのか
そう思って、区切りをつける決断をした。そういうことでしょうか…切ない
語学を学ぶときに「世界が変わる」「自分が変わる」って感覚ってすごく大事だと思う。それが語学学習の醍醐味だと思って、1番大切にしてる(つもりでした)。
まだ日本語教育歴は浅いから偉そうなことは言えないけど、英語コーチをしていて感じるのは、みんな「英語を教えてくれ〜」っていうより、「変わりたい」「何かを変えたい」って思ってきてくれる。
その「何か」を語学を学びながら実現していくのが、語学学習の醍醐味、だと思うっています。
その感覚が教室で十分に体現できていなかったんだな、と思ったら「本当に残念なことをしたな」と、しみじみ思いました。
そして、「世界が変わる」って信じ続けるためには「できるようになっている」「前進している」っていう実感をおざなりにしちゃいけない。
月〜金フルタイムで日本語を勉強してると、なんか淡々としてくる。イイ意味でとらえると学習がルーティン化して、自然に負担なく取り組めている。でも、そこに一発入魂スピリットみたいなのはないかもしれない。一期一会で1つひとつの単語、文法を丁寧に、って姿勢が薄くなっちゃうのかも。
教える側としても、小さな変化、できるようになったことを一緒に喜ぶってことが疎かになってしまっているかもしれない。あるんですよ、毎回の授業で「あ、それ前に勉強したとこだね!言えるようになったんだね!」って。それを伝えることをサボっちゃいけないんだな。
大切なことを改めて考えるキッカケをくれた2人に感謝。
「何かできることがあれば、いつでも連絡してね」って連絡先を交換して、最後の日を終えました。
これから、またスタート。
12月に日本語能力試験がある。みんな大きな目標に向かって頑張り始める。そんなとき「世界が変わる」「自分が変わる」って信じ続けられるように応援したい。