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毒舌を辞めたワケ
辛辣も度を過ぎるとただの悪口になってしまう。愛ある毒舌のつもりが酷い中傷と捉えられてしまう。別に誰かを傷つけるつもりは無いのに自分の中に満たされていない何かがどっかりと居座っている限り上質なシニカルコメディなんてもんは到底縁遠い。
辛辣 : しん‐らつ【辛辣】 ① 味がきわめてからいこと。 また、そのさま。 ② 非常に手きびしいこと。
シニカル : 〘形動〙 (cynical) 皮肉っぽい態度をとるさま。冷笑的。また、他人の価値観や考え方に対してばかにしたようなさま。シニック。
※小鳥の巣(1910)〈鈴木三重吉〉下「嘲弄するやうな、シニカルな孤独の感じ」
そんな事に今更気付いてずっと書き綴ってきたblogを辞めた。2005年ぐらいからだから優に20数年。定期的に読んで下さる奇特な方や面白いと言ってくださる珍しい方も少数いらっしゃったけれど、後ろ髪を引かれる気持ちは全く無く辞められた。
上手く言えないがコロナが色んなものを連れ去ってくれた気がしている。
舐められてたまるか!という被害妄想に由来する妙な戦闘意欲とか。
低俗化し続けるエンターテイメントに対する立場を弁えない反論とか。
自尊心が揺らいでいるが故に他人との比較評価に依る自己肯定感とか。
どれだけ世間に認めて欲しかったんだろう?と昔の自分をいじらしいとさえ思う。
辞めるキッカケはもう一つあった。
新作動画の共演者にYouTubeの概要欄に載せる文章を見て貰った時のこと。
何かと説明したがったり理屈をこねたりしたがる僕の癖を指摘され完治していないのに平然を装っている患部を突かれた様で、グゥの音も出なかった。
こういうことなんだよね…と独り呟いた。
混じりっ気のない真っ直ぐな表現はそれだけで十分なんだ。アホだと言われようと僕のやりたいことはこれだ!と胸を張って立ってりゃいい。
もう別に毒を吐く意味もないし虚勢を張る必要もない。
「僕はこういうことが素敵だと思うからこんな風に生きてます。もしこんなことを素敵だと感じて下さる方がいらしたら僕は喜んでシェアしたいと思います。」
あんなに言いたい事が山ほどあったのに、文字にしてみたらこんなにシンプル。ちょっと嬉しく拍子抜けしている。