色への渇望
美術評論家や音楽評論家気取りの記事を書いたかと思えば嬉しそうにガジェット記事を書きながら痛む肩により現実に引き戻される初秋。
すっかりグルテンフリー生活も定着し誰が見ても痩せたと言われることにも慣れ仕事も順調。何の過不足も無く穏やかで充実した日々の中で、ふと足りていないものに気付く。
それは、色。
小学校低学年時に全力で描いた絵が父に全否定されたトラウマからなのかどうか今となってはどうでも良いのだが、現在の自分の絵画センスは悲しいことにお粗末極まりない。素敵な絵を素敵だと鑑賞する眼は持っているとは思うけど自分で描くとなると話は別。先ずデッサンが絶望的にダメだしその酷い下絵に色を塗るなどもってのほか。
そんな僕でも描画への憧れというものは少なからず抱いており自分で描いた絵のTシャツを作って颯爽と街を歩きたい!なんて恥ずかしい願望を胸に秘めていたりする。余談だがいつもながらこの何の役にも立たない自己顕示欲には心底辟易する。
新調したiPad Mini 6 に初めて買ったサードパーティ製のpencilでお絵描きをしてみた。線が歪んだらすぐにサッと消して書き直せる。デフォルトでついている沢山の図形やイラストも使える。なんて便利なんだ!油絵タッチの絵が描けるアプリなんてもんも見つけて嬉々として使っていたら油絵の素養もあるデザイナーのパートナーがグイと入ってきて講義を始めた。とにかく情報量の多い人なので普段のファッションや美術史講義はこちらがパンクしてしまい殆ど聴いていないことが多いのだが、描きながらだと口数も少なくなるので適正な情報量に心地好く学ばせてもらう。
不思議なもので沢山の色と関わっているとモノトーンだったり寒色系なイメージの北欧音楽には食指は伸びずブラジルやアルゼンチンのノンビリとした温かい音楽を欲していることに気付く。以前働いていた代理店の同期入社のデザイナーがブラジル音楽に造詣が深く、彼のイメージのみなのだが「オシャレな人は南米音楽に詳しい!」と勝手に思い込んでいるので今回もnoteでそんな方々を探してみたら出るわ出るわ一度も聴いたことのない素敵な音楽とこれでもかと引き合わされた。
中でもGilberto Gilのご子息達が結成したGilsons(グループ名がそのままGilの息子達というのも何だか微笑ましい)と、惜しくも昨年88歳で逝去されたが革新的な音楽を生み出し続けてきたJoao Donatoをご紹介しておく。と堂々と紹介しているが絵同様この辺の音楽には疎いのでこれ以上のライナーノーツ的なレビューは控える。