怒ったらまずい!それはルール違反でも犯罪でもないぞ!

昨日からプロ野球の日本シリーズが始まった。
ホークスファンとしてはここに若鷹達の姿がないのが少し残念ではあるが、毎年10球団の選手達はこの場に出られず、出られなかった悔しさを来シーズンにぶつけるための準備を始めているのだからファンである僕等もそれを応援したい所だ。
また、今年の日本シリーズは開幕して1試合目からスワローズとバファローズが面白い試合展開を見せてくれているからこの場にいない10球団のファンの方も楽しめる展開になっているのではないだろうか?
選手達は自分の持てる最大の力を発揮し、チームの勝利のため、そして何よりも自分達の野球を楽しんでくれている。
だからこそ見ていて面白いと僕は思う。

……となってくると、見ていて幻滅するもの、あまり関わりたくないと思ってしまうようなことは何なのかも必然的に分かってくるんじゃないだろうか?
“才能も実力もあるのに聞いて呆れるような忖度をしてしまったりやる気をなくしてしまったりしてそれを発揮できない”とか“1人1人のため、皆のためではなく利己的となってしまう要素が強い”とか“結果的に周りの人も自分も苦痛”とかそんなものをわざわざ見に行きたくはないだろう。
最近は“領収書不要の文書通信交通滞在費”の問題が出て来たが、それに関しても残念ながら揚げ足の取り合いをやっている連中がいるようだ。

もちろん政治に関わりたくない、距離を置きたいという人がそう思ってしまう理由はそれだけではないだろう。
他にも「政治は難しい」とか「興味を持てない」とかそういった理由もあるかもしれない。
もしこのnoteを見て下さっている方の中で“政治に関わりたくない、距離を置きたい”と思ってしまっている方がいらっしゃるのなら、その理由を聞かせて頂けると幸いだ。
理由を表に出すことができれば、それを改善することが出来る可能性は多少なりとも上がる。
それによって少しでも政治と人の距離を縮めることが出来れば民主主義はさらに進むのではないかと僕は思う。

では、逆に政治と人の距離が離れてしまうと……!

僕が小学生か中学生の頃に『歴史は繰り返す』(恐らくNHK)という番組があった。

その番組の中ではナチスで有名なアドルフ・ヒトラーを始めとする独裁者達がどのようにして独裁に走ったか、どんな独裁政治を行ったか、そしていずれも哀れな末路を遂げているということが取り上げられていた。そしてその発起点は最後の最後で明かされたのだが、それは何を隠そう「国民の政治に対する無知や無関心」だった。

すなわち「国民の政治に対する無知や無関心」があることこそ政治家を間違った方向に進ませてしまう一番の要因なのではないかということが言われていたのだが、僕はその考えに深く共感した。

例えばある国の王様が新しい法律を考えたとして……
国民の大半:「し~ん」
王様:「それじゃあ勝手にやっちゃうよ」
こんなことが続くと王様は国民が何も言わないので何でも自分1人で決めることに慣れてしまい、独裁政治が生まれてしまう。
1度独裁の路線に入るとその路線から抜け出すのは難しく、国民の一部がようやく反対の声を上げたとしても「今さら何だよ!」と思われてしまうだろう。

ここでもう1つ、僕等は日本人なので外国から見た日本人の特性を表す極端表現を見てみよう。

船が座礁してしまい、救命ボートと避難梯子が海に落下しました。
乗客を救命ボートに乗せるためには1度海に飛び込んでもらわなければなりません。
船長はまずアメリカ人乗客の所へ行きました。
「初めに飛び込んで皆のお手本を見せられれば英雄になれますよ」
次に船長はイギリス人乗客の所へ行きました。
「ここは先に飛び込むのが紳士的ですよ」
次に船長はドイツ人乗客の所へ行きました。
「こういう時は飛び込むのが規則なんですよ」
そして次に船長はイタリア人乗客にこっそりと言いました。
「飛び込んだら女の人にもてますよ」
最後に船長は日本人乗客の所へ行きました。
「皆飛び込んでますよ」

極端表現ではあるが、確かに追随は日本人の特性だ。
外国人から見たこの日本人の特性は長所でもあり短所でもある。

先程の王様が独裁に走ろうとした時、1人が反対すれば大勢で反対することもできる一方、1人が追随してしまうと大勢で追随してしまいなかなか元の軌道に戻せなくなってしまうということにもなりかねないのではないかとも言える。
ならば国民(ここでは日本の有権者)は一番初めの時点から王様に当たる政治家がどんな政治をしていくかを見て、時には「こんな政策を進めてほしい」と意見を出して問題が起きないようにすることをやっていかなければならないのではないだろうか?
それが出来るようにするためには……そう。政治と人の距離を縮めることが大事だ。

しかしここで忘れてはならないことがある。
僕は10月31日に行われた総選挙の投票率が僅か55.93%だったことに触れて「悲しい数字」と書き、「カズレーザーさんの指摘に甘えるな」とも書いている。

しかしそれはあくまでも自分の立場が有権者であり報道を見る側だからこその自戒の念だ。
例えば、選挙に行かなかった人が政治が良くないせいで困っていると仮定してみよう。
その人に対して……
「選挙にも行かなかったくせに困ってるとかほざくな」
「政治に関わろうともしなかったんなら困っていても自業自得だ」
「選挙に行かなかったのなら政治から切られて当然」
……なんて言う者がいたら、とんだ情け知らずだ。
「選挙に行かなかった人にも事情がある。選挙に行きやすい環境を作らないといけない」とならないようでは独裁者と変わらないだろう。

ここでは分かりやすいように選挙を例に挙げたが、選挙以外のことに関しても強要はNGだ。
「政治に対する無知や無関心は独裁者を生む」はあくまで自分達の自戒の念としておくようにしたい。
政治に対して無知、無関心である人に対しては怒ったらまずい。政治に対する無知、無関心はルール違反でも犯罪でもない。
政治に対して無知、無関心である人に対しては知って関心を持つように強要するのではなく、知って関心を持ってもらえるような環境を提供することから始めていこう。

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