2023年前半のプライバシー界隈の動向を振り返る
どうも、Acompanyの佐藤です。プライバシーテックカンパニーでCOOをやっています。
この記事は、Acompany5周年アドベントカレンダーの23日目の記事です。
今月2回目のアドベントカレンダーになるので何を書こうか散々悩んだのですが、そういえばそろそろ2023年も前半戦が終わるんだな、と思い、プライバシー界隈(というか自分)が注目した出来事をピックアップしたいと思います。
生成系AIブームの凄まじさ
ChatGPTが現れてからの、生成系AIのムーブメントはすごいものがありましたね。今も現在進行形で、様々な動きが生まれています。
生成系AIの利便性と合わせて、リスクについてもよく語られるようになりました。その中に、プライバシーも含まれています。
日本では、個人情報保護委員会が生成系AIの利用に関する注意喚起を出しています。
また、以前から議論されていたものではありますが、このタイミングでEUがAI規制案を承認しました。
さらに、G7サミットでは「広島AIプロセス」が展開され、今後国際ルールづくりが進むと思われます。
生成系AIの普及・利用がどんどん進んでいくと思うのですが、それと同時に、このようなルール・規制の動向も注目です。
プライバシー関連の各種文書がリリース
思い返してみると、プライバシーに関連するドキュメントが、立て続けに発表されました。個人的に注目したものをピックアップしておきます。
欧米主要国におけるプライバシー強化技術(PETs)の利用に関する法制度に関する調査
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/R503_pets_houseido_report.pdf
個人情報保護委員会から年度末に公表された、海外におけるPETsの利用に関する法制度の調査結果です。100ページに渡る大作で、世界におけるPETsの捉え方を理解するのに、とても参考になります。
OECD : Emerging privacy-enhancing technologies
https://www.oecd.org/publications/emerging-privacy-enhancing-technologies-bf121be4-en.htm
OECDが3月に発表した、PETsに関するレポートを発表しています。PETsも分類や捉え方がドキュメントによってまちまちだったりするのですが、こちらの整理された分類内容は、結構参考になりました。
DX時代における企業のプライバシーガバナンスモデルガイドブックver1.3
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/privacy/privacy.html
経済産業省・総務省が作成・更新してきたプライバシーガバナンスに関するガイドブックについて、4月に最新のver1.3が発表されました。これまでも、プライバシーガバナンスの事例が追加されるなど、内容が充実してきており、プライバシーガバナンスに関する限られた情報源の中で、貴重なものになっています。
データクリーンルームがムーブメントの兆し
プライバシー保護とデータ分析を両立させるアプローチとして、「データクリーンルーム」という言葉をよく聞くようになってきました。
ヤフーさんのデータクリーンルームも発表されましたね。
それ以外でも、AWSやSnowflakeなどのデータクリーンルームが登場してきており、「複数データを組み合わせて分析する環境=データクリーンルーム」という概念・サービスが、着実に認知されてきているのではと感じています。
このように、プライバシー保護しながらデータ活用するソリューションが増えてくるのは、全体としてとても良いことだなと感じています。
ちなみに、我々Acompanyも僭越ながらデータクリーンルームに関するホワイトペーパーを発表しています。
次点:改正電気通信事業法の対応
電気通信事業法の改正が、6月に施行されました。関係する事業者や弁護士の方々は対応に忙しくされているようでしたが、Acompanyはビジネス上良くも悪くも影響をほとんど受けずでした。(対応に奔走された皆様、お疲れ様でした!)
いざ書いてみると、半年でもそこそこトピックがあるものだな、と思いました。プライバシー界隈はグローバル全体でどんどん激動な時代に突入している感じがあります。
そんな中でAcompanyはありがたいことに業務拡大しており、いつでも人が足りません!
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