瑠璃の部屋249
昨日の文化祭に向かう途中
(うー、あそこで失敗したら・・・)などと、考えながら歩道を歩いていた。
出店が出ていて、以前、楽屋にいらしてた方が出店で物色しているのを見かけて
「こんにちは」と声をかけた。
「あら、演奏するの?」
「はい。今、1階の間で練習していて、時間になったら3階に行きます」
「じゃ、後でね」
時間になって、3階のホールに入場時、その方が座っているのを見かけた。
初めの曲のCanonでは、通奏低音を1度弾き。
2度目からメロディのパートの人が、順々に加わっていく。
通奏低音は俺の担当で、さて始めようかって時に
「待って」と隣の不思議ちゃんが待ったを掛けた。
「調弦が狂ってる」と。
「合わせてみて」と自分のギターを差し出してきた。
互いのギターを交換し、彼女のを弾いてみるとチューナーの針が変な値を示す。
チューナーの使い方がおかしいのかな。そこで、使い慣れている自分のチューナーを渡してもらい、調弦したら正常になった。
「チューナーのせいみたい」と伝えて、ギターを再度、交換した。
ご来場の方々を待たせてしまったので、
「すみません。こういうこと、たまにあります」と謝ったら、笑ってた。
その出来事のおかげで緊張がほぐれたのか、なんだかすんなり弾けた。
控え室に引きあげたところに訪れた女性の方、ああ、去年の人だ。
(あれ?さっきの人は白髪だったけど、この人は違う)
もしかして、あれ、知らない人だったのか。
見覚えがあると思ったんだけど・・・誰?