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瑠璃の部屋265
昨日のアンサンブルは、車を出す人の都合が悪く皆さんお休みで、一人で練習する予定だったのだけど、男性がいらした。
「あれ?みんなは?」と言う。
「車を出す人が休みなので、みなさんお休みです。先週、話してました」
「ああ、そういえば、なんか言ってたなぁ。ちょっと弾いていこうかな」
男性は上手な人で、聞いたことのある曲を弾いていらした。自分は、パソコンを持ち込んでwi-fiでアデリータの動画を流し、それに合わせて弾いていた。
小一時間ほど経ったか、男性が、引き上げて行かれたので、やりたかったことを始めた。ホールで一人カラオケである。youtubeで音を流して歌い始めた。
ジュリーのカサブランカダンディやTOKIOのあと、チェッカーズのギザギザハートの子守唄を歌い始めたが、自分でも聞くに耐えないのでやめた。サークルの旅行で食事の配膳を受けた時に、民宿の女将さんに「うちの娘がチェッカーズのファンで、フミヤにそっくりだと騒いでいるんだけど、言われたことない?」と声をかけられた「いいえ」と答えると「ねぇ、そっくりでしょ?」と隣で配膳を受け取っている女学生に振ると「いいえ・・・」と即、否定していた。
「娘が言ってるから、こっちで一緒に食事を取らない?」と言われたのだけど、お断りした。絶対、がっかりするに決まっていると思ったのだが、今にして思えば、のっかっておけば良かった。俺が気遣う必要などなかったのだ。
一人カラオケは早々に引き上げてアルハンブラ宮殿の思い出を弾いた。
「うわっ!どうして?」
肝心のトレモロで音が鳴っていない。
弦を撫でているだけのような、自分にしか聞こえないような小ささだ。
昨日、一昨日とギター弦のあれこれを書いていたが、それどころではない。
弾けていないのだ。[ハッシュタグ]クラシックギターと付けるのさえ憚られるような。
弦が、こう言いそう。
「もっとご自身に合った、弦をお探しになられるのが良ろしいかと」
体のいい断り文句である。