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サレンダーという生き方

この本で人生変わりました、
ってよく聞くけどほんとに?

と疑ってたけど、これはそういう本だった。

いや、人生はまだ変わってない。
人生に対する捉え方が大きく変わった。

今までの人生、何やったん?
今まで何十年も何してきたん?

ってまじで思った。
その本について書いてみます。

つい最近まで
とにかくやる気が湧かなくて
空気が抜けた風船みたいになって

どうしようってなってた時に
ふと思い浮かんだ言葉。

「降参する」

あの『虎に翼』の梅子さんが

「もう負けを認めます。降参します」

って言ってたシーン。

子育ても何もかも失敗した。
負けを認めて全て手放す、と。

あの名シーンが強烈すぎて、

「冥王星の手放しってこれよな」
って思ったことを覚えてる。
(いつでも星と結びつける星クラの習性…)

それがふと浮かんできて、
google先生の検索窓に何気なく

「降参する」って打ち込んだ。
私ももう降参したい、と思ったのかも。

そしたら「サレンダー」って言葉が出てきた。

surrenderの意味。
「降参する、降伏する」

転じて、
「自分を明け渡して、身を任せる、委ねる」

そして検索でヒットしたサイトの一覧を
眺めていたら出てきたこの本。

『サレンダー』

『サレンダー』(THE SURRENDER EXPERIMENT)
マイケル・A・シンガー 著

ざっと本の概要を読んで
なんか「これだわ」ってぴんと来て、
翌日図書館にすっ飛んでいきました。

私の住んでる街にはこの1冊だけ。
そして運よく本棚にありました。

こんな人生ほんとにある?って思った。
でもこれは著者の実体験。

内容をすごい端的にいうと、

ある時、頭の中のおしゃべりを
自分が見つめていることに気づき、
自分とその声が分離している、
という感覚を体験。

その声を何とかして黙らせたい、
正体を突き止めたいと願い、
森の中に家を建てて、
瞑想の修行に打ち込もうと決心。

ところが人生の流れは
著者の思いとは全く違う方向に。

大転換が幾度となく訪れて、
最後は大きなIT企業の経営者に
なった方の実話です。

夢中になって読み進めるうちに
本の中に引き込まれていきました。

こんなことほんとにあるんや、
と思いながら。

この本の原題は
「THE SURRENDER EXPERIMENT」

サレンダー・エクスペリメント。
自分を明け渡す実験。

自分自身を解放するために
著者が始めた実験のこと。

自分の好き嫌いを指標にせず、
人生の流れに身を任せること。

人生のあらゆる機会を利用して
自分を手放すこと。

この本はその壮大な実験のお話。

宇宙の意図に沿った生き方だと思う。
とても理にかなってる。

でもこの通りできる人は
いったいどのくらいいるんだろう。

怖れや不安の解消、あるいは
期待や願望を優先してしまうのが
普通だろうと思う。

というかそれ以前に、

「わたし」と「わたしの思考や感情」は
本来は別物だということに
自ら気づけるものなんだろうか。

私はこの本と同じ著者のもう1冊で
え、そうなの?と初めて知った。

「自分」と「自分の思考や感情」は
完全に一体化してた。

というかこれまでの人生ずっと
それに振り回されまくってた。

でもこれこそが今までの
しんどさの原因ということに
ようやく気がついたというか。

そしてこれまでの何十年の人生が
どんだけエゴまみれだったか
ということにも。

いつも自分の好みが最優先だった。
嫌なことは避けないまでも、
心では受け入れず、我慢して文句言って。
目をつむってきたこともたくさん。

だからといって自分の人生を
否定するわけでもないです。

「わたし」が経験したことは
全部必要なことだったから。

でもこれまでこだわってたことが
かなりどうでもよくなった。

投げやりになったのではなく、
「頭の中の声」である
思考や感情に振り回されるのは
もうやめようと思ったから。

みんなはどうか分からないけど
私は頭の中の声が四六時中流れてて
ほとんど止むことがない。

こうして文字をタイプしてる間もそう。
頭の中に字幕が流れてるような感じ。

夫や母にも聞いてみたけど
そういうことはないらしい。

え、そうなの?って思ったけど
個人差があるのかもしれない。

だから流れてくる声は自分だと思ってた。
でもそれは自分ではない。

単なる外部刺激に対する反応である、
といちいち意識的になることで
たいぶ心が落ち着くようになった。

頭の声が何か言ってきたら
あ、また何か言ってるな、と受けとめて
相手にしないようにしてます。

この著者のマイケルさんのような
覚悟はなかなかできないけど、

自分の好き嫌いで判断せず、
いったん受けとめてみること、

頭の声はジャッジせず流れるに任せる、
ということは日々やってみてます。

それだけでもだいぶ心が軽くなった
という感覚はあるので
これからも続けてみようかと。

もう1冊の本は、この考え方を
もう少し日常的にやってみる際に
ヒントになることが書かれていて、

『サレンダー』とともに
私にとっては座右の書になりました。

もう1冊の方もまた紹介したいと思います。

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