
乱世では「能力があって、野心がない人」が最後まで生き残るという説
毎週楽しみにしているNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ですが、ほぼ毎週主要人物の誰かが粛清されるか暗殺されるかという「鬱展開」です。
まあ史実がそうなっているので仕方ないのですが、鎌倉幕府の成立前後があんなに血なまぐさいドロドロとした時代だったとはドラマを見るまで知りませんでした。
余談ですが、中学や高校で習った歴史の教科書を思い出すと鎌倉時代はどうしても「地味でつまらない」というイメージがありましたが、まさかこんなに”面白い”時代だったとはビックリです。
ちなみに中国の歴史だとこの手の「有力者同士の殺し合い」はよくあることなのでドラマのネタにもなりますが、結構「鎌倉殿の13人」に通ずるところもあったりします。
というのも、登場人物はほぼ次の4タイプに分けることができます。
タイプ1:野心あり × 能力あり
このタイプはいわゆる「英雄」や「豪傑」タイプで、知力、武力、人望をある程度兼ね備え、自分が天下を取ることを目標にしている人物です。
三国志で言えば曹操、孫権、劉備、戦国時代で言えば織田信長、豊臣秀吉、徳川家康あたりでしょうか。
タイプ2:野心あり × 能力なし
このタイプは世襲で権力者になった苦労知らずのボンボンや、お山の大将のような人物です。まったくの無能ではないかもしれませんが、自分の身のほどはわきまえていません。
ドラマの「やられ役」は大体このタイプです。
タイプ3:野心なし × 能力あり
このタイプは諸葛孔明のような有能な軍師か、本多忠勝のような猛将をイメージしていただくといいかもしれません。能力はあるが自分がトップに立つ意志は全くなく、あくまで主君に忠義を尽くします。
タイプ4:野心なし × 能力なし
いわゆる「モブキャラ」です。文官ならチンケな小役人、武官ならビビりな武将というところです。
さて、上記の4タイプのうち、ドラマでも史実でも真っ先に死ぬのはタイプ2です。
自分より強い相手に無謀にもケンカを売って殺されるか、強い相手の一味に加わるが結局目障りになって粛清されるというパターンです。
タイプ1も最後まで勝ち残った一人は天下人になりますが、敗れ去った者はほとんどが殺されます。
タイプ4も生き残れるかどうかは権力者次第であり、運よく善良な主君に付けば生き残れる可能性はありますが、運悪く暴君の下に付いてしまうと理不尽な理由で殺されます。
平穏無事に天寿を全うのはほとんどがタイプ3です。このタイプは何と言っても「権力者にとって役に立つが、寝首をかかれる心配はない」ので、仮に自分の主君や敗れ去っても勝ち残ったほうからお誘いが来ます。
また、元々能力も高いので危機回避能力も高く、危なそうな勢力には近づかないので殺されることもありません。
図にするとこんな感じです。

今の時代は「乱世」ではないので理不尽に殺されるようなことはないのですが、競争社会で生き残っていくうえでは案外同じかもしれません。
出世のためにすべてを犠牲にして頑張ったのに出世レースに敗れ去って冷や飯を食わされるぐらいなら、最初から能力のほうを磨いたほうが案外幸せな人生を送れたりします。
そんなわけで私も変な野心は持たずに自分の能力を高めていきたいと思いました。
最後までお読みいただきありがとうございます。