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「REICOの読書日記」No85

4C速読法  63  「アホは神の望み」 
村上和雄著  2008年

② 3Point 
1.「いい遺伝子」のスイッチを ON にする心
 ー--ここで言う陽気は、たとえば浮かれたり騒いだり、お酒を飲んで、ドンチャン騒ぎをするような、むやみに明るく、どこか空虚な心の状態のことではありません。
 素直、正直、楽観的で、こだわり、駆け引き、曇りのない心。人間の理屈よりも「天の意」に沿って、悲しい時もできるだけ明るく振る舞い、苦しみの中にも楽しみを見出し、ニコニコと笑顔を絶やさず、喜びを家族や周囲の人に与え、また、ともに分かち合う。そういう風通しのいいほがらかな気持ちのありようのことです。ー---
 それは、これまで述べてきた「アホ」が単なる愚かさを意味しないのと同じです。本書で述べるアホは、鈍いけれども深い生き方を反映する、利口な人のこざかしさや傲慢さを超える器の大きな愚直さを意味しています。
 損得には疎いが、ゆったり構えて、自分の信じる道を地道に歩み、回り道は寄り道を厭わない、お人好しでだまされやすいが、頭の良さよりこと心の豊かさを重んじる。そういう人間本来の、神の望みにも沿った生き方や考え方のことです。
 したがって本書でいう陽気とアホは兄弟みたいなものです。いずれも遠回りはしても、深く大きな幸福を可能にする心のあり方であり、どっちも同じ根を持ち、同じ天へつながる生き方を示しているのです。

2.ひらがなに宿る日本人の精神文化
 そのダライ・ラマ法王が私の手を握って、こういったことがあります。「二十一世紀は日本の出番ですよ」。日本の何が出番かといえば、高い経済力や科学技術力を持ちながら、欧米のように自然を敵対や克服の対象とはせず、むしろ自然を敬い、その中に溶け込むようにして自然と共に何千年も暮らしてきた日本人のおだやかで調和的な精神や文化。それこそが、この混乱と不安に満ちた世界に必要だと法王はいうのです。
 たとえば以前にも少し触れたように、「ありがとう」「いただきます」「もったいない」「おかげさま」といった、私たちが日常の中で使っている平易な「ひらがな」の言葉のうちにも、日本人の精神性は濃く宿っています。  これらの言葉はみんな外国語には訳せません。英語にもフランス語にも中国語にも、これに近い言葉はあっても、これに相当する言葉がないのです。ー----
 したがって、こうした日本独自の心を表す言葉に共通するものの一つは「感謝」です。そしてもう一つは「利他」なのです。おかげさま、いただきます、ありがとう、もったいない、みんな自分だけの利や益を呼び込もうとする利己の心を離れて、他者と分かち合ったり、助け合ったり、ゆずり合ったり、融通しあったりして、人を生かし、自分も生かす利他の精神が込められた言葉なのです。

3.生命の永遠の循環の歯車を回すもの
 そのにぎわっていた生命にもやがて終わりがきます。生物のうち高い知恵を持った人間だけは不老不死を望みますが、それは絶対かなわないことです。
 生物はなぜ「必滅」なのでしょうか。その目的論的な答えの一つが、先ほどの次の世代を生かすためというものでした。もう一つ、原理的な答えを考えるとすれば、私は私たちの体が借り物だからだと思います。死はその返却期間がきたということなのです。
 だれに返すのか。あらゆる命の親元であるサムシング・グレートに返すのです。つまり「大いなる命」からある期間だけ、私たちは「小さい命」として生命を借り受け、この世に存在して、期限が来たら個別の命は返却して大きな命のもとへ帰っていく。小さな命として生まれ、大きな命として死んでいく。私は命の始まりと終わりに関してそんなふうに考えています。
ー---ー--
 いろいろむずかしいことをいいましたが、一つ、心にとどめておいていただきたいのは、目に見えるものだけを信じるあまり、目に見えないものは「存在しない」と切って捨てないことです。生命思考の観点からは、命にとって大事なものほど目に見えないものかもしれない――そうした想像力の余地を残しておくことは、私たちの思考の幅や余裕を与え、生や命を充実させてくれるはずだからです。

③1Action
 この本読んで、陽気でいようと思いました。
(「陽」の感情は体に良いという記述もありましたしね。)
 また、「利他の精神」を忘れないでいようと思いました。
(「ひとのお役に立てること」をこれからもさがして、やっていきます。)
 目に見えないものの存在は、今は普通に信じています。

④1Episode
人間を進化させてきた「三つの合い」
 行動生態学者の長谷川真理子先生の興味深い研究によれば、集団の進化をコンピュータ・シミュレーションしてみると、「ゆずる心を持った人」の集団が最も生物として進化しやすいという結果が出ているそうです。コンピュータに「どんな人が最後に生き残れるか」を推測させたところ、力の強い人、自分のことを優先させる人、競争で勝ち抜いていく人といった集団よりも、ゆずり合いやギブ&テイクの精神を持った人たちがいちばん最後まで残るのです。
 利己を優先する人はいっときは強さを示すが、やがて利己同士が争って集団自体が滅びてしまうことがある。それよりも所有物や利益を独占せず、互いに融通し合うようなお人好し集団の方が進化生存に適しているという結果が出ているのです。ー----
 こうした状況証拠を重ね合わせてみると、人間はどうもこれまで言われてきたように対立や競争、分断と個別化を原動力として進歩してきたのではなく、むしろ相互扶助――助け合い、ゆずり合い、分かち合いの「三つの合い」をテコに進化してきたと考えられるのではないか。
 そうであれば「自分のため」という利己よりも「人のためにも」という利他の働き、やさしくお人好しの心こそが、私たち人間の DNA により深く刻み込まれていても何の不思議もないはずです。

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 友人と話していて村上和雄さんの本の話題になって、この本も読んでみるといいといって、友人が貸してくれた本です。
 いろいろ考えさせられました。
(4C速読のまとめ方をしましたが、しっかり全部読みました)


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