行動障害と感情の言語化
不安や恐怖感や緊張の強い利用者さんがいます。
ある日、一緒にウォーキングをしていると、T字路に差し掛かったあたりで、自転車に乗った女性が私たちの前方を横切って行きました。
利用者さんは、ビクッとして立ち止まり、「危ないじゃないか!馬鹿野郎!」と暴言を吐きました。
その自転車に乗った女性は、交通ルールを無視していたわけでもなく、猛スピードを出していたわけでもありません。
「なんで、怒るの?あの人は別に悪くないですよ」と、声かけてみましたが…
利用者さんの怒りはおさまりませんでした。
「びっくりしたのですか?」と問いかけると、利用者さんはうなづきました。
「じゃあ、びっくりした!と言えば良かったですね。びっくりしたんだね」と声かけすると
利用者さんも納得したようでした。
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パニック、自傷、他害、暴言など。不適切な行動が頻繁に出現する場合、行動障害と呼んでいます。あまりにも頻繁な場合は、強度行動障害と呼びます。
行動障害は、未学習や誤学習による後天的な障害です。
★自分の気持ちや要求をどう表現して良いかわからない(未学習)
★自分の気持ちや要求を不適切な方法で表現することを誤って学習してきてしまった(誤学習)
知的障害と自閉スペクトラム症を合併していて、言語コミュニケーションの発達が遅れている場合、行動障害になりやすいです。
日常会話ができるレベルにあっても、自分の感情を適切に言語化するのは案外難しいかもしれません。
なんかイライラする・なんかムカつく…そんな表現で済ませてしまっている場合の方が多いかもしれません。
悲しむべきところを泣くことができないばかりに怒りで表現している人もいます。
暴言が出やすい利用者さん。
暴言→注意される→嫌な気持ちになる の悪循環に陥りやすいです。
暴言が出た理由はなんだろう?本当に言いたかった感情はなんだろう?それを言語化して、共感する→適切な表現をする→褒められる
この最後に ◯ で終了できる関わりを支援者は意識してできるようになると良いのでしょう。
「あの利用者さんは、行動障害だから仕方ない」とレッテル貼りして終わりにしているのは、支援力のなさを認めているようなものです。