「見素抱朴」(老子 第11章)

🌿 #日々老荘 🌿

「見素抱朴」(老子 第11章)

「三十本の輻(や)を一つの轂(こしき)にまとめる。しかし、その空(から)の部分があるからこそ、車輪としての働きをなす。」
「器を作るとき、粘土をこねて形を作る。しかし、その空洞があるからこそ、器として使うことができる。」
「家を建てるとき、壁を立てる。しかし、その中の空間があるからこそ、部屋としての機能を持つ。」
「だから、"有" は利益を生み、"無" はその本質を成すのだ。」


「見素抱朴」とは?

老子は、ここで「空間の価値」について語っている。
一見すると「実体がない」ものこそが、本当の役割を果たしているという考え方だ。

  • 車輪は、中心の「穴」があるからこそ回る。

  • コップは、「空洞」があるからこそ水を入れられる。

  • 部屋は、「空間」があるからこそ住むことができる。

つまり、
🌿 「目に見えないものこそが、最も重要なもの」
というのが、この章の教えだ。


考察:「何もないこと」が、実は一番大切なこと

私たちは、つい「形あるもの」に価値を求めがちだ。

  • 「家の大きさ」

  • 「お金の額」

  • 「仕事の肩書き」

でも、老子はそれらよりも、
🌿 「見えないものの価値」に気づくことが大事だ
と説いている。

例えば、

  • お金は大事だが、それを使う「自由な時間」がなければ意味がない。

  • 家は大事だが、そこに「安らげる空間」がなければ快適ではない。

  • 知識は大事だが、それを活かす「心の余裕」がなければ意味をなさない。

つまり、「目に見えるものに執着しすぎると、本当に大切なものを見失う」 ということだ。


実体験:「空間を大切にすると、心も整う」

最近、部屋の片付けをしていて気づいたことがある。
「もっと収納を増やそう」と考えていたが、試しに 「何も置かないスペース」 を作ってみた。

すると、その空間があるだけで、気持ちに余裕が生まれ、頭の中もスッキリした。
何もないことが、こんなに心を落ち着かせるものなのか、と驚いた。

これはまさに、老子の言う 「無こそが本質」 なのかもしれない。


問いかけ:「あなたの『無』はどこにある?」

あなたの人生の中で、
「空間(余白)」 を持つことを意識しているだろうか?

🌿 部屋の中に「何も置かないスペース」を作ってみる。
🌿 スケジュールに「何もしない時間」を確保してみる。
🌿 物事を詰め込みすぎず、「余白」を楽しんでみる。

何もないことが、実は最も大切なことかもしれない。

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