「持而盈之、不如其已」(老子 第9章)
🌿 #日々老荘 🌿
「持而盈之、不如其已」(老子 第9章)
「満ちるまで持てば、それよりもやめるほうがよい。」
「刃を研ぎすぎれば、その鋭さは長続きしない。」
「金銀が溢れるほど溜め込めば、それを守ることが難しくなる。」
「富と地位に慢心すれば、破滅を招く。」
「仕事を成し遂げたら、そこから退くのが天の道である。」
「持ちすぎることは、かえって害になる」
老子はこの章で、「満たしすぎることの危うさ」 について説いている。
「刃を研ぎすぎれば、すぐに欠ける」
「財を積みすぎれば、それを失う恐れが生まれる」
「成功に執着しすぎれば、それが逆に転落の原因となる」
つまり、
🌿 「何事も適度なところで止めるのが大切」
ということだ。
これは、現代の価値観とも対比できる。
私たちは、つい「もっともっと」と求めてしまう。
しかし、老子は 「ある程度のところで満足することが、自然な道」 だと教えている。
考察:「成功したら、退く勇気を持つ」
この章の最後にある 「仕事を成し遂げたら、そこから退くのが天の道である。」 という言葉は、特に印象的だ。
現代の世界では、
💰 「もっとお金を稼ぎたい」
📈 「もっと出世したい」
🏆 「もっと認められたい」
と、際限なく求める風潮がある。
でも、老子は 「成功したら、そこに執着せず、静かに退くことが理想」 と言う。
それは、単なる引退ではなく、
🌿 「無理に持ち続けないことで、より自然な形で生きる」 ということ。
たとえば、
実業家が成功した後、財産を手放して慈善活動に転じる。
トップアスリートが最も輝いているときに引退し、次世代を育てる。
満開の桜が、自ら散ることで、次の季節を迎え入れる。
これは、まさに 「道(タオ)の流れに逆らわない生き方」 なのかもしれない。
実体験:欲張ると、かえって損をする
以前、ある仕事で「もっと完璧にしよう」と思い、細かい部分まで徹底的に仕上げようとしたことがあった。
しかし、その結果、作業が長引きすぎ、納期ギリギリになってしまった。
もし、適度なところで「これで十分」と判断していたら、
もっとスムーズに終わらせることができただろう。
これはまさに、「刃を研ぎすぎると、かえって鈍くなる」 という老子の言葉を実感した瞬間だった。
問いかけ:「あなたは、満ちすぎていないか?」
あなたの人生の中で、
「もっともっと」と求めすぎていることはないだろうか?
🌿 完璧を求めすぎて、疲れていないか?
🌿 もっとお金を稼ぎたいと考えすぎて、心の余裕を失っていないか?
🌿 成功に執着しすぎて、自然な流れを見失っていないか?
もしそうなら、
一度、「満ちる前に手放す」 という選択をしてみるのもいいかもしれない。