紫芋と黄色い私の初恋
ホクホクの
パープルスイートロードを
天ぷらで召し上がれ。
人によって
好みが真っ二つに分かれる。
そんなことがしばしばある世の中。
遂にやって来ました、この季節。
そうです、銀杏の季節です。
美しく黄色に染まる道。
そんな見た目とは裏腹に、広がる
鼻の穴の存在を恨めしく思うような銀杏臭。
健康診断で視力や聴力の検査があるのに
嗅覚が無いことを逆恨みしたかのような仕打ちです。これが銀杏の逆襲とでも言うのでしょうか。
そんなわけで、銀杏を見て
『美しい。フィアンセだ』
そう思う人もいるでしょう。
一方で、少なからず
『イッツ・ア・公害WORLD』
そう訴える人もいるはずです。
さあ、れいちゃんはどちらでしょう。
チッチッチッチッチッチ....。
正解は銀杏フィアンセ共和国です。
野菜だからでしょう?と思った貴方。
惜しいけど違います。本当に惜しいです。
富士山で言えば8合目。遡ること11年前。
小学校6年生の時のことです。
初恋の相手が、銀杏の季節に、教室の窓を指差しながら言っていたんです。
『おーい!○○(れいちゃん苗字)!外の銀杏、黄色の絨毯みたいで綺麗じゃね?』
脳内お花畑だったあたくし。
都合よく変換しました。
(れいちゃん脳内)
『一緒にアラジンとジャスミンになって、黄色の絨毯で空を舞おうよ、なんちって///』
そう聞こえました。ギュンギュンでした。
ですが初恋は儚く散り。れいちゃんの4年間の片思いと、勇気溢れん告白も無惨に散りました。
思い出としては少々ほろ苦いですが、
銀杏で染まる黄色の道を見ると
ふっと蘇る思い出です。
しかし、同時にふと思うことがあります。
黄色じゃなかったら。結末だったのだろうか、と。
例えば、紫。
パープルスイートロード。紫の甘い道。
直訳するとそんな名前の紫芋と鎌倉のレンバイで出会ったものですから。本日は紹介いたしましょう。
これはもしや成就するのか。
アラジンとジャスミンになれるのではないか。
そんな甘い幻想から、儚く散った初恋。
人生の酸いと甘いを教えてくれた黄色の道。
紫はどうやら甘いらしいです。
あくまで自称です。自称ということは、人によって好みが真っ二つに分かれるということです。
となると検証が必要になります。
揚げました。
揚げたのです。
天ぷらにしました。
揚げて天ぷらにし。
手を挙げて空高く
大空に向かって打ち上げました。
揚げ
挙げ
上げ
あげ
あげ
あげ
yeah
ホクホクで確かに甘かったです。
甘いと見せかけて苦かった黄色。
もしあの時見た光景が紫の道だったら。
もしかすると、アラジンとジャスミンになれていたのかもしれませんね。
嘘です。嘘です。冗談です。
初恋とは苦いものですな。