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常夜鍋を食べて日本人について考える人。

「水は飽きない」ある人が言いました。
理由は、シンプルな味であるからだそうです。

「50種の料理のビュッフェは飽きない」
また別の人が言いました。理由は味の組み合わせが多様だからだそうです。


味の選択肢が1つである水と、味の選択肢が多岐にわたるバイキング。理由は真逆なのにどちらも“飽きない”という結論に行きつく世界線。

ここで、板挟みにあった人がいました。

「単一の味って飽きないよね?」
「50種ある方が飽きないよね?」

答えに詰まった彼は実験を試みました。

ほうれん草と豚肉と油揚げの3種からなる「毎日食べても飽きない」という理由で名付けられた常夜鍋。これを食べることで3種という数が多いのか少ないのかを考えてみることにしました。

食べてみて彼は気づいたのです。

3という数字の利便性に。板挟みからすり抜ける恰好の手段であることに。3という数字は多くも少なくもない。

「3種類くらいがいいんじゃないかな....」
そう言うことで、上手く水を飽きないと言った人に“もう少し選択肢増やしてみるか”と思わせ。そして50種あるからこそ飽きないと言った人に“もう少し選択肢を絞ってみるか”思わせることにしたのです。

命拾いをした板挟み人。

この経験を経て彼は思いました。日本人はあまりにも3という数字に逃げがちなことに。

三大夜景
三種の神器
三種の常夜鍋

多くもない。
少なくもない。

そんな3という数字を我々はこれからも
板挟み回避のために使い続けるだろう。

常夜鍋を食べながら彼はしみじみと
そんなことを思ったのでした。

シンプルだけど美味い!
茨城県産 寒締めほうれん草

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