215個のおむすび完売の裏側。
徒歩20秒(れいちゃん速度)のところにお豆腐屋さんがあるんですよ。だから結構お豆腐について考えることが人より多くて…(どゆことよ)
よくよく考えたら、お豆腐料理の名付け方って結構雑だなあって気づいちゃったんです。
厚く揚げる、湯の中の豆腐、そして油で揚げた。
しかし、よくよく考えるともっと雑な名づけの食べ物がある事にれいちゃん気づいちゃったのです。
”梅”に”おかか”にそれから”しゃけ”…。
そう。れいちゃんの愛するおむすびです。
中に入っている具がそのまま名前になるなんてなんて単純すぎるんだ…。というか、おむすびの7割はお米なのに、たった3割の具がそのまま名前になるってお米の気持ちはいったいどうなるんだ。
おむすび feat.具ではないのか。
この議論については2時間も3時間も話せそうなのでこの辺で。そう、今回は前回のnoteで描いたイベントで販売したおむすび”215個完売”の裏側について描いていこうと思います。
完売、というと上手くいきすぎているイメージを与えかねないですよね。だけど、実は全くそんなことなかった当日のドタバタ劇を赤裸々告白していきたい所存です。
〇AM5:00 夜明け前に仕込み。10kgの米炊
ワンコンロのれいちゃん邸宅。どれほど大盤振る舞いをしたいと願っても土鍋で炊けるお米を3合。せいぜいおむすび9~10個分です。
そんな絶望的狭さの台所暮らしゆえに。というか、どんな家庭でもなかなか5kgのお米を1度に炊けてしまう環境ってないですよね。そこでイベントに際して、以前お世話になった飲食店のお釜と場所をお借りして練習から当日の仕込みまでを行いました。
前の週と前日に100個作る練習はしていました(冷凍庫パンク)
なので、自分がおむすびを握る為に要する時間感覚。30個目あたりで気が滅入りそうになり、70個目でなんなくお米の減りを感じる。など、おむすびとの距離感(笑)が分かった状態で当日の朝を迎えました。
こけこっこ。こめこっこ。
逆算すると、朝5:00には仕込み場所でお米を炊き始める必要があります。
炊きあがるまでの約30分はなんだかソワソワ。具材の準備に、おむすびを載せるトレーの用意。緊張です。
ちなみに今回のラインナップは7種類。
100個なので、大体1つの具材で15個ずつ作るイメージです。
ですがどれほどイメトレをしても、作っている間は衛生面的にも心の余裕的にも写真なんて撮っている場合ではありません。”無”でした。
頭の中では
”お、ちょっと水足りないかな”
”海苔が重なって取れない…タイムロース!”
”具材がはみ出さないように注意”
などおむすびの作り方小娘たちがぴーちくぱーちく。やっぱり40個目~70個目がキツいです。3匹の子ブタで言うと2匹目の家が吹っ飛んだくらいのタイミングです。
〇AM8:30 100個作成完了。いざ会場へ
お米様が炊きあがった5:30から約2時間後。なんとか100個作り終えました。少し余ったお米は、仕込み先の店長と学校まで私を送ってくれる友人に気持ちばかりのおむすびにしました。
あとは1個1個ラップで包んで段ボールに入れていきます。少し緊張はありつつも仕込みを終えると若干イベントを終えた気持ちになってしまいます。アブナイ。
「売れなさ過ぎて残り100個分のご飯、全部持って帰ってくるかも」
と弱気なことを店長に云いつつ。車でお迎えに来てくれた友達の車に乗っていざ会場となる大学へ。
〇AM10:30 小銭がない!危機的状況の中、開店
9:30頃、大学到着。送ってくれた友人が、”少しの時間だけど手伝うよ”と設営や装飾のほぼすべてを手伝ってくれました。ありがとう。
ここで一つ問題点が。
『想像をはるかに超える人出のイベント』
だったんです。
飲食出店や縁日も多く、かなりのお祭り規模。そのため、設営段階から、
「もうおむすび売っていますか~?」なんて声も。
その頃のれいちゃんはというと、電卓もお釣りもないことに気づきプチパニック状態。10:00オープンは難しいので10:30にお店を開けることに決めました。
しかし、まさかのコンビニでの両替が不可。小銭がない…だけど休日で銀行もやっていない。成す術もない中、大慌てで10:30のオープンを迎えてしまったのでした。
〇AM11:30 あっという間に100個完売。一旦閉店。
当日、”お手伝いするよ!”と名乗りを挙げてくれた救世主ふっちゃん。ふっちゃんとふっちゃんの友人が“両替してくるから、こっちは任せて”とれいちゃんがおむすび販売に集中できるように助けてくれました。
しかし、予想外の売れ行きに…。
「おむすびいいじゃん!」
「美味しそ~~」と言ってくださるお客さんが多くありがたいことに並べたおむすびの数がどんどん減っていきます。
売れなさ過ぎて売り込みをするくらいかな?と考えていた暇予報はどこへやら。おむすび日和でした。
ちびっこ達も鮭おむすびを持って行っちゃうんじゃないかと心配するほどおむすびに興味津々。
気付けばあっという間に全ての具材のおむすびがなくなってしまいました。
当初の予定では、後半100個は様子を見つつ作りながら販売でした。しかし、それではお客さんをお待たせしすぎてしまう。そう考え一旦閉店をして一度全ての具材のおむすびを作成することにしました。
〇PM12:00 第二弾販売開始。長い行列が出来ました。
鋭意”にぎり中”にリアルタイムで作っている姿がお客さんを引き寄せるきっかけになったのかもしれません。れいちゃん気分は寿司職人。
れいちゃんの握り姿を覗き込みながら、なんと列を作ってくださる方。気づけば行列が出来ていました。12:00にとりあえず少量でも全種類の具材分が揃ったので第二弾販売開始です。
しかし、作っては売れ。作っては売れる中でれいちゃんもかなりパニックになってしまい。
〇PM13:00 予約制にするも、即完売。
お待たせしちゃうから早くしなきゃ。
次何の具材の注文だっけ。
あ、やばいラップ切れちゃった。
もういっぱいいっぱいな状況の中。とあるお客さんが
”予約って出来たりしますか?”と
お手伝いをしてくれたふっちゃんに尋ねてくれました。
柔軟で冷静なふっちゃん。並んでいる方に予約制にすることを伝えて、具材と出来上がりの時間を丁寧に伝えてくれました。
ふっちゃんが予約を取り、
ふっちゃんのお友達がラップを買いに行ってくれ。
おむすび作りだけに集中できたのは紛れもなく2人のおかげです。
予約制にしても、お買い求めくださる方々。出来る事なら全員に作りたかったです。
ですが、そこでおむすび1個分のお米や具材の量が少なくなってがっかりさせてしまうのは嫌でした。やっぱり質にはこだわりたいな。
最後は”予約分でいっぱいなので…すみません”とお断りをいれつつ。100個分のおむすび分のお米が入ったジャーは空っぽに。
〇PM15:00 余韻と共に撤収。ジャーを抱えて電車に
撤収開始は15:00からと決まっていたため、残りは2時間ほどありました。ですが、1人なので荷物を置いていくわけにもいかず。
というよりあまりの驚きと余韻で”その場から動けなかった”という感覚に近いかもしれません。あっという間の2時間でした。
200個売り切ったんだな…。もう少し作っていけばよかったかな?だけどこれが今回のれいちゃんの精一杯だったなと自分を労います。
そして車で送ってくれた友達、何から何まで助けてくれたふっちゃん。ふっちゃんのお友達。バイト前に買いに来てくれた可愛い可愛い後輩。嬉しいなあ、有難いなあ…。と胸がいっぱいになります。
そして15:00。周りの出店者の方々がぼっちれいちゃんの撤収作業を手伝ってくださり、あっという間にブースが片付きました。
帰りは空っぽのジャーを持って電車で朝仕込みをした場所へ。少し。いやだいぶ恥ずかしかったけれど”自分はスーツケースを抱えるスタイルで動く人なんだ”と言い聞かせます。
満杯で帰ったら…が嘘のように軽いジャー。ありがとうの気持ちを込めて丁寧に洗います。私本当に200個握ったんだ。少し実感が湧きました。
帰ってから助けてくれたみんな、具材を購入したお漬物屋のお姉さん。車を出してくれる人を探してくれたお豆腐屋のお姉さん。お母様の介護で急遽行けなくなってしまったけど、当日LINEをくれた高校の恩師すげちゃん。報告連絡をしました。報告したい人がいっぱいいるって幸せだな、なんて思いながら。
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