不動産投資ローンについてサラリーマンが理解しておくべき要点
こんにちは。REIBOX(@reibox_press)です。
今日は不動産投資ローンについて書いてみました。
不動産投資ローンとは?
不動産投資ローンは賃貸を目的とした投資用マンションや一棟アパートなどの不動産を担保に、購入資金を金融機関から融資を受けて組むローンを指します。
年齢・年収・借入金額・物件の収益性・借り入れ対象不動産のエリアなど、融資先の条件を満たした人が借りることができますが、特に重要視されるのは「自己資金」「個人属性」「物件評価」。
自己資金
手持ちの資金が多くあることで、空室が増えたり突発事項が起こっても対応できると判断され、ローン審査がスムーズに進みやすくなります。
個人属性
勤務先や雇用形態、勤続年数などの社会的立場と、年収や保有資産などの経済的状況のこと。大企業の会社員や医者、弁護士などは高属性とされ審査でも有利。
物件評価
購入する予定の物件がどれだけの収益性(実質利回り)があるか?収益性の高い物件は、審査を通りやすくなるだけでなく、融資額や金利についても交渉がしやすくなります。
不動産投資ローンと住宅ローンとの違い
不動産投資ローンと自宅購入用の住宅ローンとを混同しがちですが、住宅ローンを組んで購入した物件は原則として収益物件への投資に回すことはできません。
また、不動産投資ローンと住宅ローンとの違いは「審査基準」と「金利の設定」にあります。
審査基準
住宅ローンは自宅用に物件を購入するので貸付になりますが、不動産投資ローンはアパート・マンション投資の事業に対する融資になるので審査基準の項目が多く審査も厳しく行われます。
住宅ローンはサラリーマンであれば安定して給与所得を得られるので、過去延滞履歴がなければほとんどの方が融資を受けられます。一方の不動産投資ローンは住宅ローンの審査基準に加えて、事業の採算性や可能性も重視するので物件の資産価値も影響します。
金利の設定
住宅ローンの金利は、マイナス金利政策の影響で2019年2月時点で一番低い金利だと0.5%を切っています(0.428%)。一方の不動産投資ローンの金利は2~5%ほどなので不動産投資ローンの金利のほうが高く設定されています。
不動産投資ローンのデメリット
1.ローンの残債が残る可能性
赤字経営が続き、月々のローン返済が難しい状況になると所有する物件の売却検討に入ります。しかし、運営期間が短いと物件の売却価格がローンの残債金額を下回るケースことがあり、手持ちの資金でローンの残債をカバーできなかった場合、金融機関の抵当権を外せなくなるので買い手が見つかっても売れないという事態が起きる可能性も。
2.ローン返済が困難になる可能性
不動産投資ローンを利用した場合、月々のローン返済は基本的に家賃収入から返済をあてますが、空室が発生して家賃収入が入ってこなければ手持ちの資金から返済しなくてはいけません。入居者がすぐに見つかればいいですが長期化するとローンの返済が滞る可能性がでてきます。
3.返済ができないと債務整理で身動きが取れない
返済ができなくなってローンの返済が滞ると自己破産や任意整理といった債務整理が必要になります。債務整理になると一定期間は融資を受けられない・クレジットカードを作れない状況になります。
不動産投資ローンを組むメリット
1.レバレッジ効果
ローンを組むことで少ない資金でも高額の不動産を運用できます。小ない資金で投資効果を上げ、さらに大きな収益性を高めることができます。
特にサラリーマンは融資を受けやすいためレバレッジを効かせた不動産投資運用がしやすいのが大きなアドバンテージと言えるでしょう。
2.自己資金を抑えて不動産投資を始める
不動産を購入する際、良い条件の物件見つかれば物件を担保にローンを組み、自己資金が少なくとも不動産投資を始めることができます。
3.家賃収入をローン返済にあてる
住宅ローンは自身もしくは配偶者の給与所得をローン返済にあてますが、不動産投資ローンでは『収益物件から得られる家賃収入』をローン返済にあてることができます。
[シミュレーション例]
物件価格4800万円の6部屋の1棟アパートをフルローンで購入
家賃収入が1部屋6万円で満室時で36万円
ローン返済期間は25年
金利2.5%
月々のローン返済額は約21万5000円
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満室状態で運営した場合、家賃収入36万円からローンの返済に21万5000円を差し引くと手元に14万5000円残ります。もし2部屋空室が発生して家賃収入が24万円に減っても月々21万5000円のローン返済は家賃収入で十分に支払えます。
4.借り換え
不動産投資における借り換えは、当初に融資を受けた金融機関とは別の融資先に乗り換えることを指します。不動産投資ではローンの金利によって月々のローン返済額は変わるので低金利の金融機関に乗り換えることで負担を小さくできます。
ローン審査のポイント
1.物件の収益性
金融機関は担保力を審査する際に購入する対象物件の収益性を担保として評価します。黒字経営が維持できる物件であれば担保として高く評価されるので、金利や融資枠についても有利なローンを組むことができます。
収益性を評価するときの利回りは、家賃収入からローン返済、税金、管理費・修繕積立金等の必要経費を差し引いた実質利回りになります。
2.自己資金の有無
不動産投資ローンの審査では自己資金についても評価の対象になります。不動産を購入する際の頭金を出すかどうかは別で融資先の金融機関に貯金が多いと交渉に有利になるとされています。また、自己資金が多くあるとリスクに対してカバーしやすいので審査条件で不利な状況でも融資を受けられるケースもあります。
3.年収が高い
不動産投資ローンでは年収の5倍が借入れ金額の目安とされているので、年収が高ければ購入できる不動産の幅が広がります。なお、年収500万円が不動産投資ローンの審査の一つの基準となっているので年収は審査の際に重視されるポイントといえます。
4.勤務先の属性
サラリーマンの場合、不動産投資ローンでは勤務先の資本金・売上高・規模も判断基準になります。安定した返済のためにも「資本金・売上高・規模がある」=「安定して給与が払われる」=「返済できる可能性が高い」と判断されるので長年安定している会社であれば有利に交渉できます。
絶対は無い/まとめ
金融機関から融資を受けられるかどうかは金融機関によって審査基準が異なるので年収が低いから絶対に無理と思われていた審査に通ることもありますし、逆に年収が高くて自己資金が多い状況でも審査が通らないこともあります。自身の目的に合う物件を見つけたらまずは申込みをして融資を受けられるかどうか?を確認したほうが早いですよ。
著者情報:REIBOX
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