お互い恥ずかしいところを見せ合ったら「お友達になれる」
オナニー小僧は私のいうことは素直に聞く。
私だけではない。細川瑞希さんや粟倉咲子さん、森若悦子&早紀さん、向高明美先生など、彼とオナニーを通じて「お友達」になった人のことは、心の底から信頼しているようだった。
お互い恥ずかしいところを見せあったら、お友達になれる──歪んでいるように思えるが、オナニー小僧を支えているのは、この信念であった。
私はその日、初めて彼と一緒にオナニーをした。
そうしてあげたかった。
外は白銀の世界で、ポツンと建った原野の一軒家の二階で、姉と弟のような関係の男女が秘め事をしている。私はそのシチュエーションに異様なほど興奮してしまったのも事実だ。
オナニー小僧は「もっと仲良しになりたい」とセックスも求めてきたが、私はそれを許さなかった。
正直やっても良かったのだが、怖かったのだと思う。
あんな大きなモノを受け入れてしまったら、自分がどうなってしまうかわからない。
オナニー小僧は落ち込んでいたが、
「もっと大人になったらね」
適当にこういう言葉であしらっておくと、意外と喜ぶ。オナニー小僧いわく「大人になっても、ずっと友達でいてくれるってことだね」らしい。
『神出鬼没! オナニー小僧に気をつけろ』より
柚木怜のYouTubeチャンネル「ちづ姉さんのアトリエ」では、ちづ姉さんによる官能小説の朗読も行っています。
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著者プロフィール
柚木怜(ゆずき・れい)
京都出身、東京在住。1976年生まれ。
23歳の頃よりフリーライターとして、週刊誌を中心に記事を執筆。30歳の時、週刊大衆にて、初の官能小説『白衣の濡れ天使』を連載開始(のちに文庫化されて『惑わせ天使』と改題)。
おもに、昭和末期を舞台にしたノスタルジックで、年上女性の母性溢れる官能小説を手がける。
また、YouTubeチャンネル「ちづ姉さんのアトリエ」にて、作品を朗読配信中。
著書
『惑わせ天使』(双葉社)
『おまつり』(一篇「恋人つなぎ」 双葉社)
『ぬくもり』(一篇「リフレイン」 双葉社)
『初体験』(一篇「制服のシンデレラ」葉山れい名義 双葉社)
『明君のお母さんと僕』(匠芸社)
『お向かいさんは僕の先生』(匠芸社)
『キウイ基地ーポルノ女優と過ごした夏』(匠芸社)
『邪淫の蛇 女教師・白木麗奈の失踪事件 堕天調教編』(匠芸社)
『邪淫の蛇 夢幻快楽編』(匠芸社)
『姉枕』(匠芸社)