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コンビニの店員さん
朝からバスを逃した。
慌てても20分後のバスが早く来るわけじゃないから、とりあえず近所のコンビニで朝ごはんを買う。
テキトーなおにぎりを選んで、レジに持って行ったら、淑女の店員さんが素敵な笑顔で「おはようございます」と言ってくれた。
仕事上の義務以上の思いがこもった言葉に、こっちがびっくりしてしまう。
ここ、コンビニだよな。
会計を済ませ、おにぎりを手渡すときにも「朝からありがとうございます。今日も1日お気をつけて」とふんわり伝えてくれた。
つくづく言葉というものは、贈り物だなと感じる。
普段は受け取らないレシートも、なぜか受け取ってしまった。
私も目を見て、お礼を返す。
あの人は、「コンビニの店員さん」だけじゃなくて、あの人でもあった。
さて、そんな訳で今私は次のバスに乗っている。
バイト先のカフェにはギリギリ間に合うか間に合わないかの瀬戸際だ。
普段ならアワアワしてるかもしれない。
でも今日は、私も「カフェの店員さん」という記号に飲み込まれすぎず、私のままで、優しさを誰かに手渡してみようと思える。
そんな1日のはじまり。
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追記。
素敵な緑のネイルをしたお客さんがいらっしゃったので、「そのネイル、素敵ですね」と素直に伝えてみた。
そしたら「ありがとうございます、実はケロロ軍曹のイメージなんです」と、はにかみながら教えてくれた。
ちょっと斜め上で、かわいい。
ほっこりをおすそ分けしようと思ったら、またほっこりが返ってきた。ほっこりな1日。