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紙媒体の経験豊富なライターが語る 直接取材の極意

こんにちは、フリーライターの大橋です。

「極意」かどうかは微妙ですが、読まれる記事の書き方や、簡単な取材を通じてライティングスキルをあげていく方法、プチ取材はこんな風にやってるよ!なんてことを書いてみました。

どなたかの、ちょっとした参考になれば幸いです。

■読んでもらえる記事の書き方

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WEBライティングの難しいところは、読者がすぐに見捨てて去っていってしまうこと。

スマホやタブレットで記事を読む人は、とても気短なのです。

思っていたのと違う、知りたかったことがない、なんだかわからない、退屈でつまらない、新しい発見もない、読みづらい。

たったひとつの「ちょっとちがーう」で、WEBの読者はいとも簡単に、その記事からスルっと離れて、別の記事を探しにいってしまいます。

書いた記事を多くの人に読まれるためには、まず検索でなるべく上位に表示され選ばれること、選んでもらえたら「離さないこと」がポイントになります。

・読まれる記事には「3つの言葉」が隠されている

せっかちさんで飽きっぽい読者を、いったいライターはどうやって、ガシっと首ねっこをつかまえて、こっちへこーい!とひっぱり続けることができるのでしょうか。

記事やコラムの内容にもよりますが、わたしは書いた文章を次の3つの言葉でチェックすることがよくあります。

・ほほぅ
・へぇ〜
・あるある!

ふざけてません。本当です。

「ほほぅ」=納得
なるほどと納得すること
よいものを読んだなとうなずくところ
「へぇ~」=情報
新しいことで読んだ人が情報を得た
何か面白いものを得た、と感じること
「あるある!」=共感
読んだ人が共感を覚えて
読み進めたくなること

知り合いにちょっと見てもらうのなら、こんな、わかりやすい「ポイント」を作っておくと、いいかなって思うんですね。これなら中学生や高校生の子でも、わかります。

書いた記事やコラムで、「ほほぅ」や「へぇ」と思ったところにマーカーをひっぱってもらいましょう。どうです?3つともありましたか?

この3つが含まれる記事は読まれることが多いし、Google先生もけっこう「よろしいですな」と評価してくれる印象です。

根拠があり、読んで納得、知っとく(どこかで聞いたことがあるな)、加えて「あるある」と思わず共感を覚える記事は、最後まで読んでもらえる可能性が高いのです。

■結局は「エビデンス&根拠」がSEOに強い

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さて、もうひとひねり、していきますよ。

ライターとして報酬をいただくからには、

「ほほぅ(納得)」
「へぇ〜(情報)」

に対しては、しかるべきところのきちんとした根拠を引用するなり、データや資料をつけるのも大事なポイントです。

というか、根拠やエビデンスがあるから、読む人は「ほほぅ」「へぇ〜」と思うわけですよ。

「ほほぅ」を支える根拠をきちんと調べるのはライターの仕事ですし、もし間に編集者や制作会社が入るようなら「こういう資料がありませんか」と求めてみてもいいかもしれません。

WEB記事では、WEBライター自身がネットで検索し、回答を見つけ、それに肉付けした内容がよく見受けられます(いや、わたしもよくやりますが)。

でも、ライター自身がネットで検索して探せることならば、読者も探そうと思えば探せます。

探すのが大変だから、まとめ記事のようなものが流行るわけですけども、取材=自分で動いて、自分で集めた情報こそ、ネット上にはない、オリジナルで貴重な「根拠」ともなり得ます。

■プチ取材で記事の質を高めよう!

ではここからは具体的にわたしがどう「取材」して、自分の記事に活用しているかをお話しましょう。

アサインをしカメラマン手配をするようなインタビューや取材ではなく、自分で情報を集めるためのプチ取材です。

たとえば、ICT教育の例を出すと、小学校にタブレット端末が配布されたことについての記事を書こうとしたら、まずは小学生の子どもがいるママ友に「どうよ〜、タブレットきた〜?」と聞きます。

「きたきた〜、それがさ〜」と話がつながり、そこから「ねぇ、高学年ってどうなの」「だったら、○ちゃんちのママに聞いたら? 確か上の子が6年生だよ」となり、芋づる式でどんどん「プチ取材」の対象を広げていきます。

あるいは、これはちょっといくつか質問に答えてもらいたい、という時には、質問のテンプレートを作り、10数人に一斉メールします。

どうやって、謝礼も払わないのに取材に応えてくれる人を探すの?ともよく聞かれます。もちろん、基本は人脈です。

「そのまま話を記事にするわけではないけど、いろいろな人の意見を聞いてみたい」を前提にし、知り合いにつなげてもらいます。

メールや電話は、比較的、回答がしやすいので、そこからスタートしてもいいかなと思います。

今は難しい状況ですが、わたしにとっては初対面でも相手は数人の知り合いグループという形で集まってもらい、30分〜1時間程度のおしゃべり=座談会もどき、をすることもあります。

座談会は友だちがいるせいか、皆さん、よく話してくれるし、話題も広がりやすいメリットがあります。

進行しながら、知りたい話題にたどりつけるよう問いかけをするコツのようなものを、何度か行ううちに身についていきます。

■取材の方法は実際に経験しながら習得しよう!

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このように自分で誰かを取材することは、これからインタビュー記事をやっていきたいと思っているライターにとっては、とてもよい練習にもなります。

特に駆け出しのライターさんは、取材スキルを身に付けないと低単価のお仕事から、なかなか脱出できない現実もあります。

自分でセッティングするプチ取材もひとつの方法、汗をかきながら情報を集める経験をしておくとよいのではないでしょうか。

インタビューでは、事前の情報収集などさまざまな方法論やコツがありますが、たくさんの本や記事がでてるので、基本の知識を得ておきましょう。

・畳の上で泳ぐ練習はいらない

取材の方法という知識以上に必要なのが「経験」です。

畳の上の水練という言葉がありますね。畳の上でいくら泳ぐ練習をしても実際に海やプールの中で泳ぐのとはまったく違うという意味です。

それです。

取材の極意100ページ分の知識より、1回のインタビュー経験、取材体験のほうが身になります。

とにかく実際に取材をする、インタビューをする、座談会を進行しながらレポートする、経験して、おぼれそうになりながらも、もがいているうちに泳ぎ方が身につきますから、チャレンジしてみることです。

でも、報酬をいただくような仕事で「おぼれそうになりながら」泳ぐのはまずい。

だから「自分のコラムのために、自分で対象を選んでプチ取材をしてみる」のは、良い練習にもなるし、少なくとも畳ではなく、とりあえず実際のプールに足をつける程度の経験にはなるはず。

なにごとも、習うより慣れろ、です。しかも、です。自分の足で得たリアルな情報や声は、記事に厚みを持たせます。

・他の人はどうなんだろう?の答えを取材で出す

自分の足を使って得た情報というのは、リアルでオリジナリティがあるんですから、元手と労力をかけるだけのことはあります。

・タブレット端末は全国で○割の小学校で配布されています

これだけだと、はぁそうですか、で終わってしまいます。保護者なら何を知りたいと思うでしょうか。

他のウチはどうなんだろう?

これは多くの親が常にチラと思うことです。そこで、「他のウチ」を取材し、リアルな声を集めます。

ネットで検索しても、それなりの体験は出てきますが、実際に自分で聞いて、おや、と思ったところはさらに深く聞いていけば、読む人は「ほほぅ、こういう学校もあるのか」「へぇ〜、ウチの学校は進んでるほうかな」と発見をします。

「落として壊した? あるあるだなーっ、ウチも気をつけなくちゃ」と、うなずきながら読んでくれるかもしれません。

それが知らずと強力なSEO対策となり得るのです。

■良質な記事がSEOにつながりPVを獲得する

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Google先生は数年前だったか「オリジナルで有用なコンテンツを持つ高品質なサイトをより上位に表示する」と宣言しています。

「ほほぅ」「へぇ」「あるある!」がしっかり組み込まれた文章は、実は上記の指針にある程度はハマるようになるんですよ。ある程度ですけどね。

オリジナルというのは、他の記事とは違う、独自性があるということですが、「へぇ〜」と思うような一文や情報がある。その一文や情報に加えて「ほほぅ」と思える、立派な根拠や納得できるだけの解説や知識がある。

「あるある!」で記事に共感し、おお、気づけば「オリジナルで有用なコンテンツ」に限りなく近づいていくではありませんか。

するとですね、記事が公開されると少しずつ少しずつ、読んでくれる人が増えます。記事が上位にのぼってくれば、さらに読む人が増えます。

結局は「記事の質」が「記事」を押し上げていくのです。

カタツムリですね。

窓の下から、じっくりじっくり上へ上へとのぼってくる。あれ?いつの間に、こんな上まできたの?

カタツムリ記事は、息が長いのも特徴で、それもメディアに評価されるところです。

■日常はネタの宝庫 カタツムリになってアンテナを張れ!

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そう、わたしはカタツムリ!

でんでんむしむし かたつむり〜♪ おまえのあたまはどこにある つのだせ やりだせ あたまだせ。

まさにコレです。

つのをだし、アタマをつきだして、さまざまな情報を拾い上げております。取材もインタビューも大がかりなセッティングがなくても、やろうと思えば個人でもできること。

つのは、あなたのアンテナです。

わたしは好奇心のかたまりで、電車に乗って、小学校くらいの親子連れを見かけると、つつつつ〜っと側によっていきます。

(ふんふん、宿題をいつやるか話しあってるわけね〜)(ほぅ、私立小学校か、毎週1冊の読書感想文?そりゃ大変だな)などと、ひとりごちながら、さりげなくスマホにメモっておきます。

保護者会なんてあったら、もう、ネタの宝庫です。仲良しさん以外のママ達の立ち話も、聞き耳たてて、あちこちから「ネタのかけら」を集めておきます。

これも一種の取材です。

ちなみに、かたつむりは、つのをつつくと、すぐひっこめます。

どこでもかしこでも、アンテナはりめぐらして、知らない他人さまにつっこみすぎてはいけません。

状況を見極めて、アタマやツノを出したり、ひっこめたりしながら、ご迷惑をかけないようにどうぞ、その辺は充分に留意してくださいませ。

おまけのハナシ

取材。で、ふと思い出しました。

わたしがライター駆け出しの頃、1時間インタビューの予定なのに、冒頭15分で用意してあった質問がすべて終わり、何を問いかければよいのかアタマが真っ白になったことがありました。

結局、同じような質問ばかりを繰り返すことになり、後からレコーダーを聞いて髪の毛かきむしりました。

それ以来、想定より多く質問事項を用意するようになりましたが。

また、慣れてくるにしたがい、返ってきた言葉に対して深掘りしていく技も身につきました。でもね。

レコーダーを聞き直すたび、今も恥ずかしくなるんですけどね。たどたどしい言葉遣いや微妙な焦りが声のトーンに出ていたりして「うおおおおお」と頭抱えたりもしていますよ。

そして最近はzoomでのオンラインインタビューが多いんですけど、アレ、録画したデータを見るの、なんだろう、とてつもなく恥ずかしいんですけど!

自分が話しているのを繰り返して聞いているのも、なんか、むずむずするのに、画面で顔まで見えるなんて、こっぱずかしいわ!と、結局、今も昔も頭をかきむしる日々です。

そういえば、最近はカメラ撮影も上手で、ひとりで取材をパーフェクトにこなす「カメライター」が重宝されています。この後、続々とカメライター達人がマガジンに登場予定。乞うご期待!

カタツムリライターも、がんばっていますので、どうぞよろしくお願いします♪


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