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続・人ではない者になった霊能者の話[前編]

前回、「人ではない者になった霊能者の話」として、自分が心を失って、霊能者として開花していく様子を書こうと思ったのですが、あまりに長すぎて書ききれませんでした!

シリーズの始めの記事👇

無計画ですみません。

しかも前回の記事の後編は、師匠からひみつにしろと言われている地域の話とか、具体的な浄霊の様子などを書いてしまったので、アクセス制限として有料化してしまいました。どなたも買われないだろうとは思ってまして、今日の記事は前回の記事を読んでなくても大丈夫なように書きます。

もし我々のひみつにご興味ある方はどうぞ・・・ホラーではなく、完全にコメディです(笑)

それでは、前回の続きを書きます。

ーー

1. 再び異変のはじまり


私が助けたいと心の底から願った友人と二人、術者である恩人のところを訪れました。

そこで恩人と、その相方であるとんでもない霊視能力をもった霊能者の方と対面しました。本当にごくごく普通の方たち。

想像だにしない浄霊の方法に唖然となりながらも、無事に二人とも霊障を終わらせることができました。

恩人も相方である霊能者の方も、底抜けに明るくて、おどろおどろしい霊の世界とは違う世界を垣間みた気分でした。

完全にやり遂げた。そんな感覚がありました。

助けていただけたことが本当に奇跡のように感じました。

そして、もうこの方々を滅多に頼ってはいけないと思ったのです。

この助けは特例的なものだったんだと。

恩人は最後に「因縁がなくなったんだから、あとは自分次第だよ」と言ってくれました。

因縁の処置をしても、マイナスがゼロになるだけで、プラスにはならない。

あとは自分の頑張りで人生をプラスにするんだよ、そういう意味なのだなと理解しました。

とても心に響きました。

運気が上がりますとか、ご利益がありますとか、そういうことを一切仰らない。人は自分の力で地に足をつけて生きることが大切だと、そう教えていただいているように思いました。

終わったその日は温泉宿に泊まり、友人と宿のおいしい食事を食べて、楽しく過ごしました。翌日も近くを観光して、いっぱいお土産も買って帰りました。

大試練を乗り越えることができて、安堵の気持ちと充実した気持ちでいっぱいでした。

明日からまた新しい希望に満ちた日々が始まる、そんな予感がありました。

でも次の異変は、帰宅した翌日、職場で始まります。

出勤していつものように自分のデスクで仕事をしていると、隣の席の男性同僚の後ろからふっと黒い何かが現れて消えるのが見えました。

真っ黒で、ゾワっと鳥肌が経ちました。

心のどこかで「まずい」と思いました。

その瞬間から徐々にまたおかしな疲労感が体の中に溜まっていくのを感じました。

その時にはすでに、この体の中に流れ込んでくる重い嫌なものは「瘴気(しょうき)」と呼ばれるものであることを恩人から教わっていました。

瘴気とは、辞書を引くと「熱病を起こさせるという山川の毒気。瘴毒。」と出るのですが、恩人いわく、腐った気のことだと言っていました。

黒い影を見た瞬間から、瘴気が体の中に流れ込んでくる・・・

気にはなったもののどうしようもなく、そのまま帰宅しました。

帰宅後、いつものようにお風呂に入って床に着くと、とんでもない夢を見たのです。

それは自分が焼身自殺をする夢でした。

主観の映像で、火を放つと目の前がみるみる炎に包まれます。

夢は異常に鮮明で、ものすごくつらくて苦しい。

ふと見ると、目の前の炎の中に真っ黒な煙が立ち現れ、人の顔となりました。

わたしは必死で「おかあさーーーーん!おかあさーーーーん!」と叫びました。

すると真っ黒な煙の顔も私の叫びに呼応するかのように「おかあさーーーん!」と叫びます。

いや、どちらかというとその黒いもは自分の鏡であるように思えました。

でもすぐに自分の声帯が焼けて溶けていって、もっと「おかあさん」と叫びたくても、自分の声帯は壊れた笛のようになってしまって、ヒューヒューと空気が抜けていくだけでした。そこではっと目が覚めました。


2. 悪夢、そして原因判明


次の日も普通に出勤しましたが、やはり昨日よりも体調が悪くなっているのを感じました。

恩人には昨日の今日でこんなことになっているとはなかなか言い出せませんでした。

その晩も、夢を見ました。トイレに行きたくて、トイレのドアを開けると、そこに真っ黒な無数の何かがいて、一気に私に襲いかかってきました。

私が逃げ出すと、一人の女性が目の前に現れて、私を庇うように黒いものの前に立ちはだかりました。その女性は若く色白で線の細い美しい女性でしたが、黒いものたちに全く動じることなく、呪文を唱えます。

すると空中に無数の針が現れ、次の瞬間、黒いもの向かって針が飛んでいきました。どすんという感じで黒いものを突き刺しながら、ふっ飛んで行きました。

一瞬ほっとしたのも束の間、黒いものがさらに膨大な数あわられて、その女性に襲いかかってきました。思わず私は絶叫して、神仏の名前を呼び、助けを求めていました。

そこではっと目が覚めました。

もう、その日には熱っぽいような体調不良が出ていました。

凄まじい倦怠感で、頭痛もひどかったです。

市販の頭痛薬を飲んで出勤しました。

朦朧としながら、黒い影をみた同僚とは別の同僚と一緒に仕事をしていると、突然へんなことを聞いてきました。

「〇〇〇〇っていう場所、知っていますか?」と。

私はもちろんその場所を知っていました。

なぜなら、その場所は地元で最も有名な自殺の名所だからです。

元々はキャンプ場だったのですが、自殺者が絶えず、最後は駐車場に止めた車の中で焼身自殺された方がおられて、それをきっかけに閉鎖されてしまいました。

閉鎖されても、その後もその駐車場の全く同じスペースでの自殺が絶えず、いつかそのスペースだけこんもり盛り土で埋められていました。

私もずいぶん前に仕事でそこの前を通りかかったときに、なぜか車一台分のスペースだけ盛り土がしてあるのを見て、すごく異様に思ったのでした。

同行者が、あそこは・・・とこの話を教えてくれたのです。


私が同僚に「知ってますよ」と答えると、同僚は

「その場所に行くとまずいですかね?」と聞いてきました。

なぜですか?と聞くと

「〇〇さん(私)がお休みを取られているときに、他の同僚たちに連れて行かれたんです。」

と。

「でも一緒に行った人たちが、霊がいるって騒ぎ出して・・・どんな場所なんだろうかと思いまして。」

ゾッとしました。

その同僚は転勤してきたばかりで、その場所のことを知らなくて当然でした。その同僚を面白がって他の同僚たちが連れていったのです。

私に取り憑いている霊たちは、同僚たちが連れて帰ってきたものなのではないか、自分の中でなんとなく確信のようなものが生まれました。

それと同時に、その土地に面白半分で連れていった同僚たちに強い怒りが湧きました。


3. 霊を押し戻す


その日の夜、私は悩みました。

恩人に知らせず、これをなんとかできないかと思いました。

ある神仏の名前が浮かんでいました。

その神仏の好物をコンビニで買ってきて、助けてくれとお願いしました。

しかし本来、私がお供物をして解決するのはおかしい。

本来、その同僚たちが責任を取るべきだと思いました。

お供物をしてお願いをすると、突然自分の体が勝手に動き出しました。次の瞬間、私の背中に手を回して、たくさんの黒い霊たちを引っ張り出したのです。

ふと見ると、目の前に黒い影が横切った同僚の姿が見えていました。

霊視の状態ではっきりと見えていました。

この同僚に押し付けるつもりでは。そんな気がしました。

私はその同僚と仲が良かったので、それはまずいと思って避けようとしたのですが、体が勝手に動いて、その同僚に向かって凄まじい勢いで黒い霊たちを叩きつけたのです。

体が一瞬で軽くなりました。

その日の夜は何の夢も見ずに寝られました。

4. 同僚からの反撃


しかしその次の日に、その同僚に会うと、またとてつもない悪寒に襲われました。

案の定、その夜もおかしな夢を見ました。

どこかにある、古く、雨のあとが黒くくすんだようなコンクリートの壁の上に立っている夢でした。高層ビルのようなものすごい高さなのに、立っているコンクリートの壁の厚みが足のサイズくらいしかないのです。少しでもバランスを崩したら落下する。怖すぎて発狂しそうでした。

その恐怖から逃れたいがあまり飛び降りてしまおうと思ったのです。

でも飛び降りた後を想像するとそれも恐怖で思いとどまりましたが、でもまたすぐに発狂しそうな恐怖が襲ってきてまた飛び降りたくなる。その無限ループでした。

ふと見ると、そのコンクリートの壁にびっしりと人が立っているのが見えました。
ざっと200〜300人はいそうです。

私は助けを呼ぶしかないと思いました。

以前に助けてくれた神仏の名前を大声で呼び、助けてー!と叫びました。

すると次の瞬間、真っ白な階段がぽこぽことあわられたのです。

本当に助かったと思ってほっとしました。

周りにいる人間たちとその階段を使って地上に戻ることができました。

そこで目が覚めました。

はっと目が覚めると、もう凄まじい倦怠感で、立ち上がれないほどでした。

その後に知ったのですが、その自殺の名所の森の奥にはダムがあるそうです。

そのダムも、飛び降り自殺する人が後をたたないようです。

とにかくもう、自分ではどうしようもない、そう思って恩人に再び助けを求める決意をしました。

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