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【うた#13】「君探しの旅」

ふとしたとき 脳みその隙間から
君が顔を出して 微笑んでる

「髪切ったね」も「ハッピーバースデー」も
あの頃なら最初に言えた言葉

忘れ物も 探し物も 君の中にあるから
見つからないと分かっていても
心が独り歩きする

君探しの旅 繰り返す度
瞼の裏に滲む記憶
君宛の涙 空に綴って
もう届かないメッセージを
性懲りも無く 歌っている

「また明日ね」も「大好き」もなくなって
残ったのは 遥かなる「さよなら」

寂しいときに寄り添えること
そんな人がいること
当たり前に目の前にあった
全てがこの先一つもない

君のいない日々 暮れる夕陽に
別の未来を映してる
もう一度 君と巡り会えたなら
もう二度とその手を離さない

君探しの旅 繰り返す度
瞼の裏に滲む記憶
君宛の涙 空に綴って
もう届かないメッセージを
性懲りも無く 歌っている

君探しの旅が終わる日まで
ずっと君が大好きだよ


――――――――――


大好きだった人と
さよならした瞬間から始まる、
君探しの旅。
たったひとりで、
たったひとりを探しにいく。

ふたりで歩いた街を巡っても、
転がっているのは
眩しい思い出を開く鍵ばかり。
ひとりで開けても辛くなるだけなのに、
ひとつ、またひとつと拾って、
箱の中を確認してしまう。

そろそろ耐えきれなくなって、
思いがこぼれないように見上げると、
そういうときは特別優しい色に見える
空がある。

そんな日々を繰り返しても、
元来た道を戻ることも、
新しい旅先を探すこともしない。
思い出たちを磨いて、
自分だけの宝箱に敷き詰めておきたい。
そんなことを思ってしまう。

未練とはそういうものだから、
飽きるまで旅をすればいい。
そのときは
永遠に続くと思っていていい。

君探しの旅をして刻んだ軌跡は、
それくらい強く思える人に出逢えた証。


――――――――――


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