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会いにいく作家で在りたい。

――手売りしたり、イベントを開催したり、みんなで飲み会したり……。「会いにいく作家」で在れたらいいな。


人生は物語。
どうも横山黎です。

作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。

今回は「会いにいく作家で在りたい。」というテーマで話していこうと思います。


🏨大学の先輩に手売りをしに…

そろそろちゃんと文学賞を獲りにいこうと決め、半年で10個の文学賞に応募すると目標を定め、鼻息荒くして新作の執筆をしている今日この頃ですが、昨日のようにメインの仕事が休みの日があったとて、1日中執筆に明け暮れることはなくて、機会があれば人に会いにいっています。

昨日も、大学時代からお世話になっている先輩に誘われて会いにいきました。僕が直近で出版した『我楽多だらけの宝箱』を購入したいとの声をいただいたので、少し距離の離れた場所にお住まいだったんですが、会いにいきました。

イタリアンのお店でランチをしながら、最近の仕事のこと、ドラマや映画の話、お互いの恋愛事情など、たくさんの話題の種が芽吹き、話に花が咲きました。

その先輩とは、同じ学部学科で、専攻会の役割も会計で同じでした。そんなこんなで会計の仕事のあれやこれやを教えてもらっていたんです。そこからお互いドラマや映画が好きと知って意気投合し、一緒に映画を見にいくくらいの仲にはなりました。

その関係が今にも続いていることにまず喜びを感じるのですが、僕の本や活動にも興味を持ってくれたり、僕の働きかけが少なからず先輩の人生に影響を与えていることを知って、「会いにきてよかったな」と思ったし、「こういう瞬間に立ち合うために頑張っているんだな」と認めることができました。


🏨プライスレスなお釣り

言ってしまえば、さっさと新作を執筆してしまえばいいんです。さっさと強い作品をつくって、さっさと文学賞を受賞して、ステージを上げた方がいいんです。ただ、今自分が立っているステージを支えてくれているのは、これまでに出逢ってきた全ての人たちであって、その人たちをないがしろにしてまで階段を登ろうとすることに抵抗を感じてしまうんですよね。

昨日の先輩からのお誘いだって断ろうと思えば断れたけれど、断るなんて選択肢は一瞬たりともよぎらず、連絡をくれたときからどうすればスケジュールを合わせられるかなとすぐにカレンダーを眺めていました。

会いたい人には会っておくべきだし、これまで僕に関わってくれた人、こんな僕を受け止めてくれた人は大切にするべき。ましてや僕の本を買ってくれるというのですから、飛んで会いにいかないわけにはいきません。

それに、さっきもちらっと触れましたが、僕の働きかけが先輩の人生に影響を与えていることを知ることができたので、素直に嬉しかったんですよね。本の代金と交通費はトントンだったんですが、プライスレスな至福の感情がお釣りとして返ってきたのです。


🏨会いにいく作家で在りたい

以前、先輩には僕の初書籍『Message』を手売りしたことがありました。それを読んでくれてちゃんと感想をくれたんです。昨日聞いた話では、あんまり本を読まない人だったらしんですけれど、『Message』を読んで本好きになったそうなんです。また、今お付き合いしている彼氏さんも本好きで、話が合うとのこと。そんな彼氏さんにも『Message』を紹介してくださったそうで、彼氏さんからの評価も良かったみたいです。

恋愛話をすることが多かったせいか、先輩からいろいろと相談されることが多かったんです。後輩の分際で一丁前に、それに受け答えしていたんですが、実はそのひとつひとつが先輩の心に届いていたみたいで、先輩の考え方や人生に影響を与えていることを知ったのです。先輩からそれを伝えられたときは、至福を感じました。

こういう話が聴けるのがやっぱり手売りのいいところなんですよね。

そういえば、先週は母親のママ友に久しぶりに会いにいって、『Message』を手売りにしにいきました。そこでもたくさんお話をしました。帰宅後、ひとりのママ友から母親に連絡があったそうで、その方のお子さんが『Message』をすぐに読んでくれたみたいで、「面白かった」と評価してくれたそうなんです。

近くで遠くで、僕の物語は誰かの心を動かしているみたいです。

新作執筆に時間を割くことが多くなってきたこの頃ですが、その傍ら、やっぱり人に会いにいくことや手売りで本を届けることの意義を再認識することができました。

僕はちゃんと文学賞を獲って商業作家としてデビューを果たしたいけれど、もしそれが叶ったとて、ひたすら執筆に明け暮れる日々を過ごしたくはなくて、読者との距離をゼロに近づけられるように活動していくつもりでいます。

手売りしたり、イベントを開催したり、みんなで飲み会したり……

「会いにいく作家」で在れたらいいな。

そんなことを夢想しながら、今日も物語を紡いでいきます。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

2024114 横山黎





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