イーハトーブ旅行。
――岩手、特に花巻という場所は、宮沢賢治にのっかりすぎているような気がしますが、確かに美しく、懐かしく、独自の文化がそこにあります。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「宮沢賢治の生地岩手県を旅行してきた」というテーマで話していこうと思います。
◆岩手旅行
僕は昨日まで岩手にいました。どうして岩手に行ったのか、その目的は後日話すとして、今日は旅の日記を綴ります。
僕の高校時代の友達が岩手に住んでいるので、彼の元へ遊びにいったんです。今、地震の影響で新幹線が走っていないので、深夜バスで。
一日目は盛岡へ、二日目は花巻へ行きました。
岩手県といえば宮沢賢治、ですよね。賢治が岩手をイーハトーブと呼んだことも有名です。
僕は『銀河鉄道の夜』が好きってこともあり、宮沢賢治巡りをしていました。特に賢治の生地である花巻に行った二日目は特に。
まず、二日目に最初に立ち寄ったのは「山猫軒」というレストラン。そう!『注文の多い料理店』で二人の猟師が訪れる店の名前と一緒ですよね!作品の世界観に寄り添う雰囲気が、そこにありました。
とはいえ、300段を越える階段を上らないといけないほど山の中腹にあり、店に着く頃にはヘトヘト(笑)普段運動しないつけがここで回ってきました。
僕が注文したのは「イーハトーブ定食」。なんじゃそりゃって感じだと思いますが、別に宇宙のような青い食材が使われているわけでも、お皿が全部鉄道型なわけでもなく、繊細な和食定食でした。白金豚の角煮がうまかった!
そのあとすぐ近くのお土産屋さんに立ち寄りました。
賢治づくしのお土産にめちゃくちゃ頭を悩ませていましたが、20分くらい迷って決めたのが、銀河鉄道の夜がモチーフの財布!
今まで使っていた財布は駅の売店で買った1000円くらいの安物で、かれこれ6年くらい経つのでそろそろ買い替えてもいいかなと思い、購入決定!大切に使います。
◆宮沢賢治の「告別」という詩
その後、少し歩いたところにある「宮沢賢治記念館」を訪れました。「宇宙」「歴史」「科学」「文学」……様々な観点から宮沢賢治の作品、人生を見つめることができる場所でした。
そのなかで見つけた詩の中で、ぐっときたものがあるので紹介しますね。賢治は教師の仕事をしていたことがありましたが、退職する際にある生徒に手紙をおくりました。その「告別」という詩の中にあったフレーズです。
おまへの年ごろで
おまへの素質と力をもってゐるものは
町と村との一万人のなかになら
おそらく五人はあるだらう
それらのひとのどの人もまたどのひとも
五年のあひだにそれを大抵なくすのだ
生活のためにけづられたり
自分でそれをなくすのだ
すべての才や力や材といふものは
ひとにとどまるものでない
ひとさへひとにとどまらぬ
(中略)
みんなが町で暮したり
一日あそんでゐるときに
おまへはひとりであの石原の草を刈る
そのさびしさでおまへは音をつくるのだ
多くの侮辱や窮乏の
それらを噛んで歌ふのだ
もしも楽器がなかったら
いいかおまへはおれの弟子なのだ
ちからのかぎり
そらいっぱいの
光でできたパイプオルガンを弾くがいい
才能との付き合い方に悩む人には響く詩ではないでしょうか。たとえ隣の芝生が青く見えたとしても、自分が苦虫をかむような思いをしていても、その全ての経験と感情を飼いならして、自分の才能を目いっぱい解き放つために使え、というメッセージを受け取りました。
◆美しきイーハトーブの世界
その後は、イーハトーブ記念館行ったり、童話村に行ったり、宮沢賢治の世界観を堪能しました。
最後に訪れたのは花巻駅のすぐ近くにある「未来都市銀河鉄道壁画」です。これが観たくて花巻に来たといっても過言ではありません。普通の道路沿いの壁いっぱいに描かれた神秘的な絵が、夜になると輝くのです。
めちゃくちゃよくないですか? 大きいし、綺麗だし。『銀河鉄道の夜』を世界が目の前に広がっていました。
岩手、特に花巻という場所は、宮沢賢治にのっかりすぎているような気がしますが、確かに美しく、懐かしく、独自の文化がそこにあります。
みなさんも是非、一度足を運んでみてください!
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
【#281】20220407 横山 黎