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『花火の幽霊』が照らした未来。
――ちゃんとブラッシュアップしていけば、このイベントを目的に木の家ゲストハウスを訪れる人が増えると予感しているし、自分たちの物語が、謎が、それだけの可能性を秘めていると信じることができました。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「『花火の幽霊』が照らした未来」というテーマで話していこうと思います。
🏨謎解きイベント完遂!
泊まれる謎解き『花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~』のイベントが終わりました。僕の職場である木の家ゲストハウスを舞台に「謎解き体験」と「物語体験」を味わえるコンテンツ。昨日の夜から今日の朝に渡り、開催したんです。
物語をつくったのは僕、謎をつくったのは謎解きサークル「Mito Escape」の代表のしゅんちゃんです。大学時代から親交のあった僕らはずっとふたりで謎解きイベントをやりたいねと夢見ていて、やっとこの度叶えることができたというわけです。
今回僕がつくったのは『花火の幽霊』という物語。あらすじはこんな感じです。
「初めまして、花火の幽霊です」
木の家ゲストハウスで開催された謎解きサークルの合宿中、突然現れたのは、姿のない、声だけの幽霊。
彼女には、生前、どうしても叶えたい夢があった。
メンバーのひとりである「あなた」は、木の家ゲストハウスに仕掛けられた謎を解いて、花火の幽霊の未練を解くことができるのか?
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当日予約もあり、なんだかんだ参加者は9人いました。6人から10人くらいを目途に想定していたので、ちょうどいい人数でした。ただ、宿泊も込みで参加してくれた人は2人だけだったので、そこはちょっと課題ですね。
そう、今回の物語、もちろん1日目だけの参加でも十分に楽しめる内容にしたんですが、2日目の朝を迎えて始まる続きの謎を解くと、さらなる物語が待っているという仕掛けにしました。つまり、『花火の幽霊』という物語をすべて味わったのは、2人だけだったというわけです。
今回はこのイベントに関して、ゆっくりと振り返っていこうと思います。
🏨ゲストハウスだからこその謎解きを
このイベントの企画が立ち上がったのは、今年の4月の末なので、なんだかんだ5カ月前のことになりますね。一度シナリオが白紙になったり、プレ公演が延期になったり、本公演が1日削られたり、いろいろ試練や苦渋の決断を迫られる機会はあったけれど、無事に終えることができました。
今回僕は「ゲストハウスならではのルーム型謎解き」にこだわりました。
そもそもどうしてゲストハウスで謎解きイベントをしようと思ったかというと、イベントを開くことで今まで認知していなかった人が興味を、認知はしていたけれどタイミングがなくて来れていなかった人にきっかけを与えたかったんです。
また、謎解きのなかでもルーム型の謎解きにこだわったのは、交流重視のイベントにしたかったからです。ゲストハウスは他のホテルや旅館と違い、寝室やリビングを共有する宿泊施設です。ひとつ屋根の下、同じ時間を分け合うことで一期一会の出逢いを楽しむ魅力があります。
それは、ルーム型の謎解きにもいえることで、そのとき初めましての参加者と一緒に謎を解き、脱出するという目的のために協力し合う光景がよく見られるのです。
ゲストハウスという交流重視の宿泊施設で、初めましての人とでも協力する契機を与えてくれるルーム型の謎解きをする。この構図に、僕は強く惹かれたんです。だから、企画が立ち上がった段階で、僕は他の人と協力して解くような謎解きを想定していたし、他にもゲストハウスだからこそ追求できる謎や物語をつくることを意識していたんです。
結果的に、それらは全て実を結びました。
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🏨「花火の幽霊」が照らした未来
謎解きイベントではありますが、物語にも関わってくるたこ焼きを食べることができるし、僕としゅんちゃんがキャストを務める演劇を楽しむこともできるし、最後にはみんなで花火をする結末を用意しているので、様々な形で体験を提供することができたのかなと思います。
今、絶賛、アンケートに回答してもらっているさなかなので、どんな声が上がってくるのかドキドキしているんですが、当日公演が終わった後に聞いた話では、「良い意味で想像以上に謎解きが難しかった」らしいし、物語に関しても面白いという評価をいただけました。
もちろんまだまだ及ばないところはいくつもあって、謎に関しても、物語に関しても、演劇に関しても、演出に関しても、運営に関しても、課題は山のようにあることが分かりました。
ただ、僕らのつくったものは、確かに参加者の笑顔をつくったし、謎を解く快感を知ってもらう契機を与えたし、心を動かす起爆剤に成り得ました。
もちろん茨の道が伸びているんだろうけれど、ちゃんとブラッシュアップしていけば、このイベントを目的に木の家ゲストハウスを訪れる人が増えると予感しているし、自分たちの物語が、謎が、それだけの可能性を秘めていると信じることができました。
多分、来年も同じ演目でやります。『花火の幽霊』は夏が来る度に蘇ります。次はもっと面白く、より満足度の高いイベントに仕上げたいと思っているので、是非、その際はお越しください。
アンケートの結果を一通り見たら、こんな声があったよ、と記事にしますが、ひとまず肌感覚としてイベントは成功を収めることができたよという共有でした。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240929 横山黎