元恋人のしあわせを心から願える人
――自分の大切な人が、ちゃんとしあわせでいる。それを確認できたことが、何よりも嬉しかったんです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「元恋人のしあわせを心から願える人」というテーマで話していこうと思います。
僕は今、木の家ゲストハウスのマネージャーをしているんですが、昨日はその仕事が休みだったので、いろいろ予定を詰め込んでいました。
まずは謎解きの公演に参加するために東京へ。新宿にある東京ミステリーサーカスに行ってきました。道連れしたのは、謎解き好きで、一緒に謎解きの公演をつくったこともある友達のしゅんちゃん。もうかれこれ4年の付き合いです。
僕らが参加したのは、ずっとやりたかった「私たちのリアル脱出ゲームからの脱出」。概要はこんな感じです。
すっごく解きごたえがあって面白い謎解きでした。初めましての人含めて6人1チームで参加したんですが、協力し合い、無事に脱出成功。楽しいひとときを過ごせました。
それが終わり、僕らは渋谷へ。
渋谷の西武のなかで開催されていた企画展「新!いい人すぎるよ展&すぎるよすぎるよ展」に行ってきました。日常のほんのワンシーンを切り取ったパネルが並ぶ企画展で、なんだかんだ1時間半くらい滞在していたんじゃないかな。時間を忘れるくらいに夢中で眺めることができました。
別の記事で詳しく語ると思うんですが、話の種としての価値がありまくりの展示だったんです。「こういう人いるよね~」とか「自分って大人すぎるのかも」とか「これめっちゃ腹立つよね」とか……。
くすっと笑えるようなあるあるネタばかりが並んでいるので、展示を眺めるだけでももちろん楽しめるんですが、誰かと一緒にまわってみると、話の種が絶えず供給されるので、会話の花がたくさん生まれるんです。体験価値の高い展示だなあと思いました。
夕方くらいに東京を発って、僕らは水戸に舞い戻りました。僕はその後とある人との飲みにいく約束をしていました。ずっと会うのを楽しみにしていた、元恋人との約束でした。
この時点で断っておくんですが、元恋人からのお願いで名前も写真も出さないでほしいとのこと。ふんわりとした情報しか書けないのが忍びないのですが、ご容赦ください。
元恋人とは恋人になる前から仲良しで、恋人になってからもそうで、距離を置くときも別れるときも、そして別れてからも仲良しのままでした。昨日こうして再び会って飲み語り合うくらいには、仲良しなのです。
喧嘩別れをしたわけじゃありません。なんなら、喧嘩という喧嘩をしたことがありません。いつだって僕らはお互いのことを想って、関係を流動的に変えてきたんです。
僕は恋愛関係に固執する人ではなくて、その人との心地良い距離感で永く関係を保ちたい人。別れたからって酷く悲観的になることはなくて、時の果て、相手と新たな絆の結び目をつくることが少なくないんです。昨日飲んだ元恋人とも、唯一無二の特別な関係でいるんです。
僕は僕でパートナーはいるし、元恋人と会っていることに批判的な言葉を投げられることもあるんだけれど、だからといって自分を変えるつもりは全くありません。
元恋人のしあわせを心から願っているからです。
今、元恋人は、大切な人のそばでしあわせに暮らしているそうです。日々のエピソードを語る表情が眩しく見えました。その微笑みに、聴いているこっちもなんだか嬉しくなっちゃって、僕自身しあわせのなかにいると自覚したんです。
自分の大切な人が、ちゃんとしあわせでいる。
それを確認できたことが、何よりも嬉しかったんです。
もちろん寂しさに似た感情も追いかけるように生まれてきます。ただそれは、自分が好きだった人が別の誰かを今好いていることに対する嫉妬に類するものではなく、そろそろ仕事納めであることに対する感情。言語化するのが、難しい感情。
決して会いたくないわけじゃないけれど、僕が会うことに対するリスクが大きかったり、必ずしも相手のためにならないと予感しているから、そろそろ幕引きなのかなと思います。
元恋人との物語は、もうすぐ……。
とかいってなんだかんだまたすぐに会っているかもしれないし、もう一生すれ違うことすらないかもしれない。
ただ、僕は元恋人のおかげで変われたし、勇気をもらったし、自分らしく在れる今をつくってくれました。その感謝を忘れることはありません。元恋人が誰のそばでもしあわせで在りますように、と切に願う思いが止むこともありません。
最後にそんなフレーズを置き土産にして、この記事を結びたいと思います。未来でいつか回収される伏線なのかどうかは分からないけれど、もしその日が来たとき、変わらず笑顔で会えたらいいな。変わらずしあわせで在ってくれたらいいな。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20241207 横山黎